「魔法使いの弟子」夏休み感想文

ファンタジアの実写というフレコミ表現が多いが、俺はそういう切り口では見なかった。

この映画の見方は、日本では二十五年も前にグッドモーニング・アルテアという作品で既に使われていた「魔法の原理を科学を通して理解する」という考え方をディズニーがどう解釈して作品にまとめたか？が見処なのだ。

そのキーとして、主人公を物理学オタクに設定し、ニコラスケイジが魔法を理解しやすくするために科学と魔法は無縁ではないという説明をする。

即ち、火を起こすには分子振動を増幅させるというようなことだ。

ただ、この辺りのことも別に新しい解釈ではなく、マイケル腸さんの漫画で十年も前に「魔法とは、量子力学的現象を司る法則の発見と利用方法であり、アイテムや魔方陣は、その形状自体が、ある種の増幅回路を構成する」の様な内容の話がある。

ディズニーは、このオタク満開な話を家族で楽しめる作品にまで簡素化と昇華させたことが最大の評価対象ポイントだ。

逆に決定的にダメな部分は主人公はキャストミス。

いくらコンセプトと合致するとはいっても、あまりに見かけがみすぼらしい。

デート映画でもあるのだから、もう少しなんとかならなかったのか。

続編を作れる形にはしてあるが、果たして？

全体としては、楽しめる作品だが、名は残し損ねた。


で、むしろトロンの新作予告に衝撃を受けた(爆)