
体調が今一つの中、書庫からの発掘モノの話です。
貰った記憶すら忘却の彼方、開いてみたらこんな仕様だったんだとか、後述する今では変わったよねということで、何度も美味しいカタログでしたので、掲載してみることにします。
ここを見ている方は、記憶と照らし合わせつつであっても、意外な発見があるのではないでしょうか。
さすがに多くは語れないのですが、思いつくままに書いてみることにしましょう。
先ずは1985年10月発行の前期のカタログからです。
BF型は、先代の後を受けて1985年1月に登場。この時点で、ツインカムターボと日本初のフルタイム4WDが追加されています。
先ずは外観からです。
先代は、セダン&ハッチバック共にファミリアをベースに前後デザインを変更していましたが、この型になって、ハッチバックのみ独自ボディが与えられることになりました。
セダンは、旧型同様にファミリアのディテール部変更のみ。このため、2台並べるとまるで別ボディであることがお解りいただけるはずです。
ハッチバックのボディは、比較的保守的なデザインとなったファミリアと比較して新鮮に映りました。これでもう少しリヤハッチの角度を起こせば、もっと新しさを訴えられたと思うのですが。
外観とは一転して、内装は当時としては質感の高かったファミリアのものがほぼ使われています。
ファミリアは、セダンとハッチバックでメータークラスター等を変えていた記憶があるのですが、こちらは両者共通。
ステアリングホイールは、独自のものが与えられていますね。
シートマテリアルは・・・勉強不足のため、不明です。
簡単にメカニズムの紹介がされています。
エンジン等はファミリアと共通のものが全て選択可能となっていました。
ここからはバリエーションの紹介です。
装備は多少差異がありますが、
・TX3 : ファミリア XG相当
・GHIA : ファミリア XE相当
・GL : ファミリア ハッチバック XR & サルーン XL相当
・L : ファミリア XT相当
となるようです。
3ドアにも豪華仕様のGHIAを設定したり、ツインカムターボにGLを設定しているのが独自部分となります。
主要諸元表・・・ですが、ここでは別の部分に注目してみます。
レーザー等を扱っていたオートラマ店は後発であるが故に、異業種からの参入が多いディーラーとなっていました。
この頁にあるディーラーのスタンプは、「サンシャインシティ三越店」ということで、池袋のサンシャイン60の中に存在していたはずなのですが、もちろん現在は実存しません。カタログを貰ったはずの当時の所在場所も既に記憶から消えています。
さらに「株式会社オートラマ」の所在とされている新宿センタービルの38階も、Wikipediaによるとその後移転となったようです。
続いては、1987年3月発行の後期型のカタログからです。
外観の紹介です。
ハッチバックはパネル類の変更が無かったため、グリルの変更・クリアランスのクリア化・リヤガーニシュの追加等細部の変更に留まっています。
セダンは、元となったファミリアがフロントフェンダーの変更を行ったため、ハッチバックに比べると、大きな変更となっています。
内装はシートマテリアルの変更等はあるものの、大きな変更はありません。
TX3のステアリングホイールは先に登場したフェスティバからの流用でしょうか。
この時の変更は、1.5と1.3のエンジン換装が伴っていたこともあり、ラインナップは比較的大きく変更されています。
ファミリア同様、セダンにもフルタイム4WDが追加されていますが、セダンのツインカムターボ&フルタイム4WDは、ファミリアのみでこちらには設定されませんでした。

こちらは裏表紙が主要装備表となります。
こちらもディーラースタンプに注目してみます。
スタンプの「株式会社オートラマ兵庫 加西店」ですが、住所地には現在「スバルショップ加西」と「フォードライフ兵庫」が存在しているようです。おそらく、新車販売協力店としてフォードだけでなくスバルにも間口を広げたということなのでしょう。
ちなみに、こちらのカタログを貰ったのは、同店の道を挟んだ向かい側にあった「JUSCO加西店」(一角で出張販売をしていたのです)。こちらは、統合等を経ながら「イオン加西北条店」として近隣に移転。JUSCOのあったところには、「コーナン加西店」が存在しているようです。
上のディーラー等と合わせて30年近くの時間を経ていることを実感してしまう推移ですね。
話が違う方に進んだため、フォードレーザーの話に戻します。
同時期のファミリアは、先代の大成功を受けてかなり力の入ったモデルチェンジを行い、さらにフルタイム4WDやカブリオレ等の意欲的なモデルを追加していきます。
ところが、なかなか販売台数には結びつかずとなり、同クラスとしては一定のシェアは確保したものの、先代並みの大成功とはなりませんでした。
どうも新車当時のイメージが後を引いてか、現在に至り、カローラ・サニー・シビック・ジェミニ辺りは、80年代旧車として脚光を浴びつつある中、なかなか注目を集めるには至っていないようです。
当時は、熟成されたモデルとしてかなり評価は高かった世代なのですが。
ちなみに以下のとおり、レーザーの販売台数は、ファミリアの約1/10でしたから、こちらの印象がさらに薄いのは当然なのかもしれません。
(年間販売台数 レーザー、ファミリアの順)
・1985年 : 16,229台、122,523台
・1986年 : 12,099台、109,456台
・1987年 : 9,785台、88,595台
・1988年 : 11,370台、83,906台
(以上、販売台数は月刊自家用車誌に掲載された自販連調査の新車販売台数から引用しました)
レーザーは、同クラスでは明らかに少数派であり、同程度の販売台数となると、日産のローレルスピリットやリベルタビラが相当となります。にも関わらず、これだけのグレードを揃えて、さらに差別化を図ってとやっていたのですから、採算はどうなっていたのだろうと、外野ながらも不思議に思う次第なのです。