先週自車の車検の際にA250セダンをお借りした後、ふとまだW206に乗っていないことを思い出しまして。予想通りに廉価版となるC180が追加されたとはいえ、スタートプライスが600万にも達する車、そうそう縁が繋がるとも思えないのですが、気になりだしたら実行に移さずにはいられないというのは、クルマ好きの性なのです。
206をお借りする際の選択肢としては、自車の購入店もあるのですが、商談に繋がらない以上、お手間を取らせるのは申し訳なく、今回もMercedes meのTRIAL CRUISEを頼ることにしました。
この行動、ここまでお仕事を少しばかり頑張った自分へのご褒美というのは、言い訳の一つ(笑)
TRIAL CRUISEでの206の選択肢は、C200のセダン、C220dのワゴンとオールテレインの3択。ディーゼルにもかなり興味を惹かれたのですが、やはりここはセダンを優先することに。かくして予約へとなったのです。
今回お借りしたのは、C200にベーシック、AMGライン、レザーエクスクルーシブ、パノラミックという殆ど全部乗せ状態。元は展示車だったということで、リヤ・アクスルステアこそ非装着だったものの、今では選べなくなったBurmesterまで装着されていました。帰宅後、カタログを参考に計算してみたら、オプションだけで100万越え、本体含めれば800万にかなり近づくということで、その価格に驚かされたというのは余談です。
実車とご対面後、早速運転席に座り、座席の調節をしようとしたら、スイッチ位置こそ迷わなかったものの、物理スイッチではないことに先ず戸惑い。曰く静電スイッチだそうで、スイッチとシートが連動という認識が変わると違和感が先に立ちますね。
次の驚きは、一般的にはディスプレイ式のメーターパネルとなるのでしょうが、これはA250で経験済ですので、自動で解除されるパーキングブレーキ共々平静を装うことが可能なのです(笑)
動き始めてから後の方が、私個人は実は驚かされていまして、「走る・曲がる・止まる」の滑らかさにはかなり感動してしまいました。
記憶の片隅には、先代後期のBSGが残っていまして、年次改良でどんどん違和感が減ったとはいえ、最後まで後付感が拭えなかったことからすると、今回の洗練は予想をはるかに超えるレベルにありました。
別にひっちゃきになってぶっ飛ばさなくても、低速時に意思のとおりに動くかだけでもクルマの素性は判ると言うが私論ですが、その点だけでもかなり高い評価を付けることができます。
回生ブレーキ付ですし、1.5Lのターボと9速ATで約1.7tの車体を引っ張る。余程緻密な制御でなければ違和感が出ても不思議はないのですが、全然ささくれ立ったような部分を感じることはありませんでした。アイドリングストップ、ターボラグ、シフトショック等も全くと言っていいほど気に障ることはなく。
自車、A250と乗った後での印象とはなりますが、静粛性も向上している感はありました。唯一、先代の最終ローレウス(エアサス無)でも感じたリヤタイヤ&ホイールの重さは、こちらでも感じる機会がありましたが、これを気にするならAMGライン無の17インチを選ぶべきでしょうね。
タブレットを張り付けた感もあるメディアディスプレイの操作は、助手席のスタッフにお任せしましたが、横からメニュー階層や表示内容を見ていた印象では、基本的には先代の踏襲。操作方法の部分だけが、タブレットのお作法に変わっただけのようでした。慣れれば従前のタッチパッドよりこちらの方が直感的に使えるかもですが、左ハンドルでの右手操作が本来形の気もします。
限られたシチュエーションを短距離で乗っただけとはなりますが、その中では私はその出来の良さに感動することができました。あと、もう一つ強く感じたのは、既存ユーザーの期待を裏切る部分がないなということ。それが人気が衰えない理由とも思います。やはり最新が最良なのかなとも。
以上、軽くのインプレ記となります。
ここからは降りてからの諸考察ということで。
206のベストは恐らく、今回乗れなかったC220dだろうと推測しています。C200とC220dの価格差ならC220dを選びたくなるかなとも。他方、だいぶお値段が下がるC180はかなり迷わせる存在。C180とC220dの価格差なら、昨今の燃料高騰を考慮しても、C180の方がバリューと思うのです。
先代前期のように排気量に差があると、C200の魅力に惹かれるのですが、204や今回のように同排気量となるとC180の価格差が光る気がします。
C180の中でも一番お安い素の仕様で充分満足している私からすれば、今回のC180はかなり煌びやかな装いであり、もっと実質的な仕様がお安く選べれば嬉しいのにとは思ったりします。ついでにボディサイズももう一回り小さくしてとか(笑)
しかしながら、そんなのは極一部のある種特殊な要望であり、一般的には600万円のセダンとしての説得力が必要とされるのでしょうね。
あと今回改めて思ったのは、いいなと思えるクルマに乗れると、ちょっとした幸せな気分に浸れます。重ねて書く通り、縁が繋がる気はあまりしないという前提とはなるのですが、夢や希望が持てる的な。若干大袈裟かもですが、感性が磨かれるといった部分もあるとも思いますし。
いい経験が出来たということで、私は満足な気分のまま、車検から上がってきたばかりの自車に乗り、この週末は避暑地で遅めの夏休みを満喫する予定となります。
Posted at 2022/08/26 22:18:54 | |
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試乗記 | クルマ