
「Mazda6 GX」(新型アテンザ)のクラス三連勝で迎えた北米GRAND-AMシリーズの第7戦・ワトキンスグレン。
N.Y.郊外の「ザ・グレン」で開催されるこの6時間レースは、デイトナ24時間に次ぐロングディスタンスの耐久戦。
ここまでレースデビューから約半年、毎レースごとに速さと耐久性を向上させ、着実に好リザルトを積み重ねてきたMazda6 GXにとって、500マイル越えとなるレース距離をいかに戦い抜くことができるかは、今後のGXクラスのチャンピオン争いの行方を占う上でも大切なポイント。
そして、Mazdaspeed/Speed Sourceチームは、Mazda6 GXの戦闘力に注目が集まる今回のワトキンスグレン戦に向け、#00・Visit Florida号の助っ人ドライバーとして、開幕戦のデイトナ24Hと同様、元マツダワークスドライバーの寺田陽次郎氏を起用。
言わずもがな、寺田選手はル・マン/デイトナ/スパという世界三大24時間耐久レースの出場経験を持つ最初の日本人ドライバー。一発のマシンの速さだけでなく、ドライバー、メカニック、チームスタッフ、そしてエンジニアリングにレースストラテジー、果てはレースコミュニティーとの良好な関係構築などなど、様々な要素が複雑に絡み合う”総力戦”をいかにマネジメントし、いかに結果を残すかを知り尽くしたベテランドライバー。
この偉大な”Mr.ルマン”・寺田選手を若手ドライバーの指南役として迎え、ステディな走りで確実に結果を持ち帰る使命を与えられた#00号と、これまでの積極的な技術トライアルを継続し、いつも通りの”攻め”のレースを期待されるエースマシン・#70号。
より役割を明確にした2台のMazda6 GXの今回の布陣に、私は確固たるチームの戦略を感じ取り、大いに期待しながらMZRacingサイトの速報レポートに注目していたのです。
果たして、日本時間の月曜朝、MZRacingのFBでもたらされた第一報は・・・
「寺田さんの#00が優勝しました」
という、最高のGood Newsでした(^O^)。
今回のGXクラスのレース結果を整理すると、ミラー/ヌネス/寺田組の#00・Visit Florida号が、6時間で149周、距離にして800km強を走破し、GXクラス優勝。僚友の#70・Mazda6 GXは、残念ながら59周目に駆動系トラブルでストップし、クラス唯一のライバル、#38・ポルシェケイマンも87周止まり。
GXクラスのマシンでスタートからゴールまで無事に走り切ったのは#00のみという、やや荒れた展開でした。
しかし、#00のVisit Florida号が完走狙いで終始抑え気味に走ったかといえば、決してそうではなさそう。
今回の#00のレース中のベストラップは2:00.167で、一周5.43kmというロングコースにおいて、1分59秒台をマークした#70や#38との差は1秒以内。堂々のレースペースだったことが窺えます。
それに加え、6時間もの長丁場となれば、後方から次々に迫り来る上位クラスのマシンといかに絡まずに最後まで走り切れるかも大きなポイント。
隙あらば自分の速さを誇示したい若手ドライバー達をうまく手なずけ、3名のドライバーで確実にバトンをリレーする着実なドライブを実践してみせた寺田選手。
スポット参戦ゆえ、シート合わせも不十分なまま予選走行を強いられるなど、マシンやチームへの習熟では不利な面もあったはずですが、そこは経験豊富なベテラン。6時間レースを最後まで走り切り、クラス優勝の栄冠まで持ち帰ったということは、チームが寺田選手に求めていた役割を完璧にこなしたということ。
まさに「
Good Job!」。この一言に尽きる大活躍でした。
これでMazda6 GXは第4戦のロードアトランタ以降、破竹のGXクラス
4連勝を達成。
しかも今回は、課題だった長時間レースを走破したことにより、まだ未知数ともいえるSKYACTIV-Dクリーンディーゼルエンジンの耐久性の実証に向け、大きな大きな一歩を踏み出したカタチです。
今後のGXクラスのシリーズチャンピオン争いは当然として、将来のル・マン復帰に向けたエンジン開発にも大いに弾みがつくとイイですね。
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隠れ家発のWW2(レースレポート) | 日記
Posted at
2013/07/02 22:52:39