
長野県上田市にある鹿教湯温泉です。
鹿が猟師に温泉の場所を教えた、という
開湯伝説の温泉です。
4年ほど前の3月に117クーペで行ってみました。
鹿教湯温泉は「かけゆおんせん」と読みます。
歴史ある温泉郷です。
湯治や介護の観点から今だに混浴風呂が多く残っているレトロな温泉街で、
カラオケやコンビニすら一軒も作っておらず、昔ながらの風情が残っている
懐かしい温泉なんですよ。
泉質は無色透明の単純温泉。
源泉温度はやや低い42度前後の泉温。
あー、ちょうどいい湯加減で極楽だわー。
出てくるお湯は源泉そのままで、塩素臭も全く感じません。
循環濾過で少し消毒もしてるようなのですが、柔らかく無味無臭の温泉でした。
あーリフレッシュできる。
立ち寄り湯ですが、このまま旅館に宿泊したい気分だわ。
お昼に鹿教湯温泉を後にして、中山道六十九次の宿場、海野宿に向かいます。
海野宿に到着。
海野と言えば日本SFの始祖である海野十三(うんのじゅうざ)を思い出す。
「うんの」って「雲の」にも書き換えられるから、北斗の拳の五車星の一人、
雲のジュウザって元ネタこの人だよね?
とても117クーペに似合う街だな!
建物と建物の間にある2階の仕切りがうだつが上がらないの「うだつ」です。
夕刻&117クーペと格子戸。うーん渋い。
SF作家の海野十三はデビュー時に、まだ当時編集者だった横溝正史に
作家性を見出されてデビューしました。
海野十三と横溝正史は死で袂を分かつまで、深い交流があったようです。
海野宿から本日宿泊する宿のある望月宿まで移動します。
東海道五十三次より中山道六十九次の残ってる宿の方が趣あって好き。
望月宿は昔はかなりの宿があったけど、今は本日宿泊予定の井出野屋旅館が
一軒のみです。
さて、この宿。
1976年の映画「犬神家の一族」でロケに使われた大正時代の造りの宿です。
聖地巡礼ですねw。
うっひょー、風情ある昔ながらの宿じゃないか!素晴らしい!
坂口良子様が「那須ホテルなんて名前だけで古びた旅館よ」と言ってた撮影場所が
ここ井出野屋旅館です。

<↑映画「犬神家の一族」から拝借>
ちょっとリフォーム入っちゃってるけど、そのままですな!
坂口良子がスリッパを出した下駄箱もそのまま。

<↑映画「犬神家の一族」から拝借>
私もスリッパを出します。いい感じの味がする下駄箱だ。
宿泊する部屋は、映画ではこんな感じ。
この後すぐに青酸カリで若林さんが殺されてしまいました。

<↑映画「犬神家の一族」から拝借>
部屋はさすがに戦後設定の雰囲気とは違って、ある程度リフォーム入ってるけど
扉が無く、廊下と部屋を区切るものはふすまだけという造りは同じ。
大正時代の造りなのに床もピカピカ。
ホントにこの建物を大切にしてると感じる。
掃除も完璧で、埃があったり、汚れているところなんて皆無!感服します!
旧い民宿的な旅館なのに、清潔感がハンパないです。
建物は渋い旅館ですがここは別に山の中の一軒家ではなく、フツーの街中なので
Wi-Fiもつながります。
スマホもパッドもできるので、特に時間を持て余すことなく一泊を楽しみます。
夜中、スケキヨとシズマが入れ替わりをした場面と同じ玄関だな!
すりガラスの引き戸の玄関が何とも言えない雰囲気です。
風呂に入ってゴロゴロしながらテレビを見てると食事が運ばれてきた。
ふすまだけの部屋、良いなぁ。何とも言えない良さだ。
仕切りがふすまだけなので、他のお客さんの声が筒抜けだけどそれがまた良い。
昔はこういう宿は大嫌いだったんだけど、今はなぜか大好き!
このあたりでは馬肉、朝鮮ニンジン、鯉料理がおもてなしの定番らしい。
ニンジンは天ぷらで、鯉はうま煮でいただきます。
臭みもなく全て美味かった!
手打ちの蕎麦も美味いじゃないか。
旅館で出る一品の蕎麦なんて美味くないと思ってたけど、ちゃんと風味も豊か。
温泉じゃないけどゆっくりお風呂も入れたし、飯は美味かったし、宿代も格安で、
次の日は大満足してチェックアウトしました。
玄関でお勘定する家内。
良いわぁ。この感じ、ホントに良いわぁ。
この宿は「日本ボロ宿紀行」という本で知ったんだけど、
正直言って全然ボロ宿じゃありませんね。
大正時代の建物は綺麗に手入れされていてむちゃくちゃ上品。
歩くときしみ音はするけど、それがまた良い感じなのだ。
マイナスではない。
他人にも十分お勧めできる、満足できる安宿ですよ!