鉄板

　今日のランチは、とある官庁の庁舎内食堂でカツカレー（大盛り♪）だった。

　それなりに美味しく食したが、カレーをチョイスした理由は正直言ってあまり積極的＆好ましいものでない。

　昼休みが全く取れず、食事する時間すら満足に確保できなかったからだ。


　「カレーは飲み物」「カレーは喉ごし」との名言を吐いたタレントがいたが、そこまで慌てはしないものの、カレーライスは注文して直ぐ出てくるし、熱い物・辛い物大好きな私にとっては、仮に大辛のグラグラ煮え立ったルーであろうと、最も食べやすい「鉄板メニュー」の一つ。
　案の定、料理が提供されてから10分後には、自席に戻って午後の仕事に勤しんでいた。



　唯一、主体的にカレーを選んだ理由があるとすれば、カレーライスには「ハズレ」が極めて少ないこと。

　業務に関連してお目に掛かったことのある会計検査院の調査官経験者から伺った話として、地方に出張しての検査スケジュールが過密で、昼食の時間が確保できなかったりお店のチョイスに迷った際には、やはり｢鉄板メニュー」としてカレーを選ぶのだとか。

　私自身の経験でも、「不味い蕎麦」とか「二度と行きたくないラーメン店」は数多あるが、「二度と食べたくないと思うほど不味いカレー」なる代物に当たったことがない。

　だいたいが支払った金額相応以上に、満足を覚えて店を辞することになる。


　あまり出張経験のない若いサラリーマンまたは近々社会人デビューする学生諸氏が、この記事を読まれていたら、金言の一つとして「カレーライスにハズレは少ない」と憶えておくとよかろう。



　ちなみに会計検査院に触れたついでに、税金の無駄遣いを調査・指摘する「会計検査」の実務に携わる職員は「調査官」であって「検査官」ではない。「検査官」なる職もあるが、そちらは院内に3名しかいない、天皇が認証する最高位の官職（うち一人が院長）とされている。

　もし調査にやってきた検査院職員に「検査官さん！」なんて呼び掛けようものなら、「こやつ検査院の組織も知らんのか」と失笑を買ってしまうか、盛り場の客引きがカモの酔客に「シャチョ（社長）さん、シャチョさん」と呼び掛けるレヴェルの、安っぽいお世辞かと呆れられてしまう。


　

　先週・今週は、ずっと同じ食堂でランチを摂っている。
　つまりは、ずっと外勤が続いている。
　来週も場所は変わるが、やはり外勤が組まれている。

　しかしオフィスでの仕事が免除されるものでもなく、外勤場所に赴く前の早朝、或いは外勤終了後の夜間に職場へ行き、溜まった業務を消化する状態に置かれている。

　言わば一日のうちで、違う勤務先を掛け持ちし、全く異なる仕事に従事して、それぞれにシビヤな成果を求められている……ような感じ。

　疲労が蓄積し、少々体を休めた程度では回復し切らない。


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