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midnightbluelynxのブログ一覧

2017年05月18日 イイね!

水鉄

水鉄 全国紙・産経新聞が運営する関西版ニュースサイト「産経WEST」の配信記事から『【鉄道ファン必見】日本初の「オールステンレス車両」走る「水間鉄道」…癒やしの「7000系つながり」コラボイベントも』に歓喜す。

 東京で活躍した懐かしい電車が、今なお地方で現役、という話題。
 一般的には電車の前面や車内を眺めて、「昔お世話になったなぁ」「まだ残っているんだ」と思うのが普通だろう。勿論、私もそう思うのだが、実は個人的に最大の「萌えポイント」は別のところにある。


 冒頭のコンテンツでも幾つか掲載されている写真に収められているが、脚周りだ。
 車輪および台車枠の外側に、光り輝くブレーキディスクとパットを配した台車。その名を「パイオニアⅢ」という。
 まるで宇宙船のようなネーミングセンスだが、それもそのはず。ステンレス製のボディと併せ、今は亡き米・バッド社のライセンスを得た上で国内生産された。

 鉄道会社としては、非常に簡易な構造でメンテナンスがし易い反面、利用者の立場では車軸部分のバネを省略した(台車とボディを繋ぐ部分の枕バネのみ)ため乗り心地が固く、評判が悪かった。

 しかし乗り物にとって、或いは公共交通の安全にとって、最も大切な「止まる」ためのメカニズムを惜しみなく露出させたユニークな構造は、まだ工学など初歩すら理解していない子どもの頃の私の記憶に、深く刻まれている。


 振り返れば、鉄道を単に「かっこいい」やら、「運転士さんになりたい」といった夢だけでなく、リアルなテクノロジーやシステムの視点で観察するようになったきっかけが、この「パイオニアⅢ」だったように思う。



 もしかしたら、東京メトロ・日比谷線および直通する東武スカイツリーラインで現在用いている、小型の電車が大型の新車に置き換えられると、まだ使用可能な車輌は水間鉄道始め地方私鉄へ譲渡され、玉突きで古い電車が廃棄されるかもしれない。


 水間鉄道以外にも現役で運行されている「パイオニアⅢ」を装着した電車が、まだ地方に残っている。
 目の当たりにしたなら、東京で活躍していた頃の思い出に浸るだけでなく、飽かず踏切で電車を眺めていた幼い私との対話ができるだろうか。

 無くなってから後悔せぬよう、折を見て早めに訪れたいものだ。




Posted at 2017/05/19 00:04:06 | コメント(0) | トラックバック(0) | 鉄道 | 日記
2017年05月16日 イイね!

呉越

呉越  公共放送・NHKのニュース動画サイト「NHK NEWSWEB」の配信コンテンツから『大手ビール4社 北海道で初の共同配送実施へ』に注目。

 同局2100時のニュースショウ”ニュースウォッチ9”では「呉越同舟」と表現していたが、当にその通り。
 荷の動きについては、参考情報URLに示した物流業界紙のサイトが理解の助けとなるので、参照されたい。

 ただ、この動きは特段目新しいものではない。
 冒頭のコンテンツでは、キリンとアサヒが北陸地区で共同配送を進めた実績を紹介しているし、”ニュースウォッチ9”では他の食料品業界で既に機能している、企業や取扱い製品の垣根を越えた共同配送の例を挙げていた。

 また建材の業界でも同様の共同配送を進めているほか、石油製品業界では遙か昔から油槽所を各元売りが共同で利用したり、昨今は製品そのものを融通し合ったりしている。

 
 ビール業界の”4社共同配送”にしても、北海道・根釧地区の限られたエリア内での話であり、しかも元々小さい人口規模が更に過疎化・可処分所得の減少から酒類消費が低迷する中で、どれぼどビールの需要があるのか…と冷淡な感想を抱かぬでもない。



 しかし狭いエリア内での実験的な取組みであろうとも、将来的に共同配送システムが全国展開するに際して、最初の礎となるなら非常に価値あることだ。

 別報道では、ビールメーカー自身も「共同配送によってコスト面でのメリットは無い」と言い切っている(4社の貨物を札幌に集約する倉庫を構えるコスト負担が生じるため)が、個々の営利企業における収支を離れ、社会的な効果(或いは外部効果)を俯瞰してみれば、省エネ・温室効果ガスの削減・交通事故や渋滞の減少・トラックドライヴァーの雇用情勢改善など、共同配送から波及するメリットは大きい。


 今後、仮にトラック輸送の需給が緩和し、配送の手配に困らなくなったとしても、先に示したような社会的な効果に鑑みて、是非とも共同配送のスキームを拡大・維持していって貰いたい。




Posted at 2017/05/16 22:52:39 | コメント(0) | トラックバック(0) | 鉄道 | 日記
2017年05月11日 イイね!

苦節

苦節 全国紙・産経新聞が運営するニュースサイト「産経ニュース」の配信記事から『旅客各社に比べて光が当たらなかったJR貨物 苦節30年で鉄道黒字の春 「復活」の原動力は?』に注目。

 概ね現状および将来の認識として適正なコンテンツと認めるに吝かでないが、一つだけ明白な誤りがあることを指摘せざるを得ない。

 写真のキャプションで、電気機関車EH500形を「2両をつなげた」と表現しているところだ。確かに前後2つの車体に分かれているが、あくまでEH500は「1台の機関車」である。

 鉄道ヲタクがシロート相手に、些末な書き間違いを見付けて喜んでんぢゃねーよ…と呆れられるかも知れないが、この記事でも将来的な懸念材料として解説している「線路使用料」「線路補修コスト」の関連で、産経執筆陣が内容や現状を深く理解を進めた上で記事を著しているのか、疑問を禁じ得ない。



 比較的急な勾配が続く東北本線や、海底トンネル区間を挟む山陽本線・幡生操車場~鹿児島本線・福岡貨物ターミナル間で、重たい貨物列車を高速で牽引するにはパワフルな機関車が必要であることは、鉄道に詳しくない方でも容易にご理解いただけるだろう。

 従来は、平坦区間を中心に単機で運用されていた機関車を、重連で牽引の先頭に立たせて対処してきたが、その場合「線路使用料」は機関車2台分が計上されて割高となってしまう。

 JRの旅客各社に支払われる線路使用料は、「アヴォイダブル(=貨物列車の通過が無ければ避けられた)コスト」という考え方が基本にある。
 牽引力の源泉であり、1台で100tもの重量を持ち、かつ線路の摩耗を促進させる機関車について、費用負担を台数比例とするのは極めて当然のカウント方法である。

 1,300tの列車を重連で牽引する場合と、650tの貨物列車2本をそれぞれ単機で牽引する場合とで、「線路使用料」に差が生じては確かに合理性を欠く。


 そこでJR貨物が一計を案じ、「2台分のパワーを1台で発揮できる連結構造の電気機関車」(=EH500形。新幹線と軌道を共用する青函トンネル専用のEH800形や、直流用EH200形も同構造)を開発し投入。これらの機関車は、2台分に近いパワーと重量を持ちながら、あくまで1台の機関車なので「線路使用料」も1台分しか請求されない。

 牽引力を柔軟に調整できる重連ではなく、連結構造を有する大型の機関車に拘って配備を進めているのは、そういった事情に因る。


 産経執筆陣が、機関車の構造や運行形態によって「線路使用料」の適用が異なることを知っていれば、「2両をつなげた」なるキャプションは書けない筈なのだが。



 「線路使用料」が、政策的に低廉な水準で抑えられている点は、産経の記事が指摘する通り。
 旅客会社の立場からすれば、自社が綿密に整備・調整した軌道の上を、巨体を揺すりながら他社の機関車・貨車が暴れ回り、自社保有の車輌と比較では遙かに大きな損耗を与えていながら、その全額が弁済されないことへ反発が生じても、何らおかしくない。

 また貨物会社の立場からすれば、「線路使用料」の考え方が突如変わるかもしれないリスクに加え、軌道施設の殆どが自社資産ではないがため、積極的に投資をして強化・改善を進めたり、償却費用を経費計上することができず、経営上のネックとなっている。


 私の個人的な意見としては、輸送用具の違いでしかない鉄道輸送および長距離のトラック輸送を同列に考え、道路インフラに準じ鉄道のインフラ整備にも公費を投入する政策へ、大きく舵を切って貰いたいと願う。
 経済における物流分野の重要性、今後も厳しさを増すトラックドライヴァーの雇用情勢を鑑み、苦節の30年を経て漸く本業で黒字化を果たしたJR貨物の経営安定と、環境にも優しい鉄道輸送へのシフトを進めてほしい。





Posted at 2017/05/12 05:34:24 | コメント(0) | トラックバック(0) | 鉄道 | 日記
2017年05月04日 イイね!

並走

並走 クオリティの高い鉄道関連記事の発信が多い老舗有力経済誌・東洋経済が運営するサイト「東洋経済ONLINE」の配信記事から『英国で「新幹線」がSLを従えて走行したワケ~日本では見られない複々線4列走行が実現』に注目。

 インフラ輸出の要に位置づけられる高速鉄道分野の、先進的かつ現時点で最大の成功例に関連し、現地での歓迎イヴェントが挙行されたとの話題。

 最新鋭の高速車輌は、先頃山口県から遥々輸出された日立製。旅立った徳山下松港の岸壁は、道路輸送用にタイヤを装着した鉄道車輌を、そのまま船腹へ引き込める大型輸送船が接岸できるよう、国土交通省が係船柱を増設する工事を発注・竣工させ、日立製作所の鉄道車輌輸出を支援している。

 並走する”天翔けるスコットランド人”=「フライングスコッツマン」は、ナチス•ドイツが開発した世界初の巡航ミサイル・V-1および弾道ミサイル・V-2がロンドン市街地中心部を無差別に襲う修羅場に在っても、連合王国を構成するスコットランドの首都・エジンバラへ向け、平時と何ら変わることなくキングズクロス駅定刻1000時発を頑なに守り続けたと伝わる、伝説の特急列車を牽引したカマ。

 日本との縁も浅からず、東武東上線で復活運行されている「フライング東上」のネーミングは、明々白々に肖ったもの。
 また、運行中の給水作業と乗務員交代に伴う停車を避けたいがため、走行しながらの給水を試みたり、テンダー(機関車後部の石炭と水を搭載した部分)内部に通路を設けたり…といった工夫は、新幹線以前の超特急「燕」でも実行された。

 そして何より、我が家で世代を超えて親しんでいる「汽車のえほん」で描かれた時代の車輌であり、実際に「フライングスコッツマン」なるキャラクターも登場する。



 ヨークには鉄道発祥の地に相応しい、世界最大級の王立鉄道博物館が置かれ、流線型のフォルムが美しい世界最高速を記録した蒸気機関車「マラード」と、日本から贈呈された高速鉄道の祖にして、斜陽産業に貶められかけた鉄道を復活へと導いた新幹線車輌「0系」(上り側先頭車22形141号。ちなみにペアを組んでいた下り側21形141号も、四国で保存されている)が、同じ空間に同居するという夢のような光景を、日常的かつ無料(=英国の博物館は、ジャンルを問わず原則観覧料金を課さない)で楽しめる。

 そんな地だからこそ、供用中の本線を閉鎖してまでも、過去から現在へと続く高速特急列車の歴史絵巻を、リアルに演出したかったのだろう。



 日本でも、山形新幹線と蒸気機関車の並走は実現した例があるものの、あくまでミニ新幹線が乗入れた先の在来線区間であり、フル規格の新幹線列車と保存蒸気の競演は軌間や車輌限界の違いで実現しそうにない。
 唯一可能性が残るとすれば、青函トンネルの前後にある明かり区間での並走か。


 無理を承知で、来年3月に迎える「青函トンネル開業30周年」の記念イヴェントとして実現できないものだろうか。
 異国でのイヴェントが、羨ましくて仕方のない鉄道ファンの妄想、である。
 








Posted at 2017/05/04 09:56:33 | コメント(0) | トラックバック(0) | 鉄道 | 日記
2017年04月29日 イイね!

動態

動態 全国紙・産経新聞が運営するニュース画像サイト「産経フォト」の本日付配信コンテンツから 『京都鉄道博物館が1周年 セレモニーや記念切符も』に注目。


 前身の「梅小路蒸気機関車館」から知る者としては、開館1周年と聞いてもピンと来ない……というのが正直なところだが、何はともあれ盛況で目出度い。
 関西地区における鉄道ファンの聖地として、末永く輝きを保ってもらいたい。



 「京都鉄道博物館」へリニューアルして以降、入館者が順調に伸びている一方で、課題が無いでもない。
 別ソースの記事では、動態保存されている蒸気機関車の老朽化が著しく、かなり労わりながらの展示運転であることが紹介されていた。


 梅小路に保存されている蒸気機関車の老朽化は、最近になって顕在化したものでもなく、私が知る限りでは平成の世になる前、昭和の末期頃には一部の鉄道雑誌で問題が指摘されている。

 中途半端に有火状態を保ち、ちょこまか極短距離の運用に供されているが故に、膨張・収縮の繰り返しに伴うボイラーの劣化、摺動部が多い脚周りの摩耗が著しい。


 定期的に運行させていないと絶縁部分や燃料系の不調を招く電気機関車/ディーゼル機関車とは異なり、蒸気機関車はできるだけ動かさない方が損耗せず、好調を保てる。
 佳い例が御召し指定機で、EF58形電気機関車(60・61号機)は定期旅客・荷物列車へも投入されていたが、蒸気機関車(C51239号機ほか)は、原則的にお召し関連の運用以外に就くことは稀だったとされる。

 また、公園や小学校々庭で静態保存されていた蒸気機関車が、相当な手間を要するものの本線運用ができるまでに復活していることも、前記蒸気機関車の特性を証明している。
 大宮の鉄道博物館に鎮座するC57135号機は静態保存機ながら、比較的軽微な補修と保安装置の追加で、本線走行が可能な状態に保たれている、との話もある。



 片や京都鉄道博物館に収蔵されている蒸気機関車は、「梅小路蒸気機関車館」設立当初こそ、東海道本線および山陰本線に直結した立地を活かして、本線走行に供することも企画されたが、C571号機(「やまぐち」号牽引機)およびC56160号機(バック運行も可能な小型テンダー機関車)を除いて本線での運行に耐え得るカマは皆無だという。

 収蔵機のうち知名度の高い「デゴイチ」ことD51200号機が、本線復帰を期し数年前から大規模修繕に取り掛かり、昨年秋に一旦は竣工したものの試運転中に軸焼けを起こし、分解を伴う再修理入り。今月に入って、漸く元の姿で線路上へ戻って来た。

 順調にテストをクリヤすれば今年中にも復活が見込めるが、代わりに小回りが利くC56160号機が引退するようで、結局のところ本線走行可能な蒸気機関車は増えてくれない。
 


 折角観覧に来てくれた目先のお客さんに、活きた蒸気機関車を見せてあげたい、という心意気はよくわかる。
 しかし、貴重な産業遺産である蒸気機関車を、将来の世代に引き渡していく責任も考え合わせると、現状の保存形態では損耗が進み、十数年後には可動機が払底してしまう惧れがある。

 重油専燃タイプのレプリカ機や、燃焼に伴う熱膨張の無い圧縮空気駆動に改造した保存機などを併用して、機関車の損耗回避と、展示内容の充実を両立させる工夫を、博物館関係者にはお願いしたい。



Posted at 2017/04/29 22:27:29 | コメント(0) | トラックバック(0) | 鉄道 | 日記

プロフィール

「育児 http://cvw.jp/b/1043160/47663127/
何シテル?   04/18 19:29
 建設業界で禄を食む文系出身(経済学専攻)のプロフェッショナル・エンジニアが、愛車整備・政治経済・文化学術・スポーツそして土木施工の現場で日々記した野帳を公開し...
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