midnightbluelynxのブログ一覧

　祖母宅で　
　　　我待つ吾子連れ戻らむと
　　　　　欲せど愛車の無きに泪す

　車検のため立ち寄ったショップにて、次男の撮影した画像を観て詠める。

　異国にて久闊を叙す鋼馬





　ゲレンデを預け、東京モーターショウを観覧後に撮影された長男の撮影画像を観て詠める。

　鋼馬去りし厩の只広さ

　所用で訪れた週末の神田小川町界隈は、買い物客でごった返していた。
　この街の名物と言えば、大規模にして割安なスポーツ用品店の数々。そしてこの時期の目玉商品と言えば、スキー・スノーボード用品である。

　擦れ違う人々は男も女も、老いも若きも少々口元を緩め、晴れやかな表情で真新しいボード・スキー板や、ウエア・ギアを抱え歩いている。



　そんな街中の雰囲気に中てられ、私は東京六大学野球グッズコーナーを常設しているスポーツ用品大手・ミズノの直営店｢エスポート｣へ寄ったついでに、ウインタースポーツ用品の売り場へ足を踏み入れた。　

　一昨年前のシーズン、愛用のステップイン・ブーツが崩壊してお楽しみが強制終了されて以降、長男の就学に伴う諸準備や私自身が仕事に忙殺されていたこともあり、昨シーズンは完全スルー。2年ぶりの今シーズンこそ、ツールを一新してゲレンデにゲレンデで(笑)出向きたいものだ。



　以前使用していたタイプのステップイン・システム（キスマーク）は、装用感の悪さやコントロールのし難さが定評となってしまい、また一部で脱落事故があったとの噂も出てスノーボード・ギアの主流にはならなかった。
　もっとも致命的だったのは、広告展開が上滑りして｢ダサい道具｣｢痛いブランド｣と見做されてしまったことにあるらしい。

　私自身はハーフパイプやジャンプなどトリッキーなライディングは一切せず(できず)、景色を眺めながら大きくゆっくりターンを切って降りてくるライディングが好み。
　だから装用感の悪さを自覚することもなく、またシビヤなボードコントロールもしないので、ダサかろうが痛かろうが、お尻を冷たい雪に着けずに立ったままビンディングを固定→滑降スタートできる手軽さと身体的な楽さ(歳取ってくると体が硬くなって、一般的なビンディングでブーツを固定するのも一苦労)が有難く、自分に合った道具として愛用し続けてきた。
　しかし数年前に生産が中止され、破損したブーツを新品で更新することは不可能。さりとて大切に使用・保管してきたブーツがアッサリ崩壊してしまった経緯からして、ネットオークションで見掛ける中古品や長期保管品に手を出す勇気はない。


　たまたま視線の先に、キスマークブランドを扱っていた｢アルペン｣の店舗があったので、この機会に店員さんへ相談を持ちかけてみた。

　私のライディングスタイルと嗜好を伝え、できるだけ近いイメージで使えるビンディングおよびブーツが無いか尋ねると、国内メーカー・ヨネックスのステップイン・システム｢アキュブレイド｣を紹介された。
　キスマークではブーツ側を強化することで省略されていたハイバックが装備され、ブーツの固定は爪先-踵の軸で行う(キスマークは足の左右)。
　固定金具自体はかなり小ぶりで若干の不安感を覚えるが、試着してみるとハイバックのホールド感がもたらす安定感と、ツーアクションを経ないと解除できないロック機構(キスマークはワンアクションで全てリリースされてしまう)の信頼性が良い印象。

　そして何より、新品で硬いブーツを試着した感触が懐かしく、直ぐにでもこのステップイン・システムをゲレンデで試したくなった。


　
　即決でお会計を済ませ、私も新品のブーツとビンディングを手に、にこやかに神田小川町の街へ歩み出た…………かったのだが、ここは一旦クールダウン。

　今冬は、ゲレンデへの脚となる｢ゲレンデ｣の車検を控えている。基本費用および税金で13万円の出費は確定。同時にライトガードの修理と、ダウン気味の車高を補正すべくショック・スプリングの更新を検討中で費用が膨らむ恐れも。

　物欲には際限がないが、親子共通で愉しめるスポーツ、そしてテニスと並び私が｢プレーしています｣と胸を張れる数少ないスポーツのギアなのだから、多少無理しても手に入れるべきか。
　にしても、ブーツとビンディングで￥55,000.-。やはり先立つモノが……(泪)

　精根に喝噛ましたる牡蠣の滋味





　かくなれば馬も焼きたし鹿の串

　今日は倉敷への出張日程本番。同行するのは、私の他に14名。
　市内の移動にはトヨタ・アクアが3台用意されていたが、ジャスト定員とは言えメタボ気味のオヤジが数多く含まれる(他人事のようなことを抜かすなお前がイチバンでぶじゃねぇか)のでかなりタイト。

　目的地へ先に着いていた後輩の見立てでは、私が載っていたアクアは乗員と携行荷物の重量で相当車高も下がっていたようだ。窮屈さを我慢して乗っていた私や同乗者を慮るよりも前に、アクアの負荷を心配していた(苦笑)。




　前日の悪い酒が少々頭痛を呼んでいたが、今日1日の業務を恙なくこなし、私は皆と別れて再び機上の人となった。

　冬の清冽な空気が支配する中を飛ぶ機中からは、地上の景色が良く望める。
　西陽に向かって飛行する往路は小牧基地・木曽三川・琵琶湖・姫路城・相生駅・擦れ違う｢のぞみ｣と｢ひかりレールスター｣が確認できたし、今夜の復路は完全に夜間飛行となったが、みなとみらい地区・横浜ベイブリッジ・京浜工業地帯のプラント群・東京湾に停泊する貨物船・私の搭乗機に続き等間隔で空港にアプローチする他機……等々がはっきりと見えた。

　余りに夜景が綺麗だったからか、着陸寸前にシートベルトを緩めて立ち上がった馬鹿者がいたらしく、アテンダントが必死に着席を促していた。
　飛行機に乗るのが初めてだったのだろうか。困った同乗者だ。




　自宅最寄駅前まで直行してくれるリムジンバスの席を確保。出発してすぐに空港内の別ターミナルて停車し客を乗せるが、その中に女の子2人連れの夫婦がいた。
　下の子はようやく自力で歩ける程度の幼児だが、小学生と思しき上の子・パパ・ママそれぞれがヴァイオリンのケースを背負っている。親子と同行していたらしい別の男性はチェロのケースを抱いて乗り込んできたので、演奏旅行の帰りなのだろうか。

　見た目の優雅さとは裏腹に、実際は楽器のコンディション維持や生活のための費用確保で苦労されているのかもしれないが、親子で同じ楽器を演奏できるなぞ音楽のスキルに乏しい私には羨ましい限り。
　


　同乗の音楽家一家も、長距離移動でお疲れのことだろう。
　私は出張と呑み過ぎの疲れを癒して、明日に備えなければ。