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イイね!
2011年10月25日

自作した6550A真空管アンプ と ソニーの平面スピーカーAPM-66ES (2013.6.17 追記により、大幅に文面を書き換えました)

自作した6550A真空管アンプ と ソニーの平面スピーカーAPM-66ES (2013.6.17 追記により、大幅に文面を書き換えました)
 私が社会人になった頃の1980年代末期は、レコード針を使ったアナログのレコード盤の時代はすでに終わりに近づいていて、1982年に発売が開始されたCD(コンパクトディスクの略)は、数年もしないうちに音楽再生の主流となっていきました。

 そんなCDが世に爆発的に普及し始めた頃に、私はちょうど社会人になったのですが、それまでの学生時代は小学生の終わりごろに買った大型ラジカセ(ラジオカセットの略)で、

 もっぱらFM放送をカセットテープに録音して聴いていたのですが、その後はもらい物のオンボロセットのレコードプレーヤーとアンプとスピーカーで音楽を楽しんでいました。
 



 でもレコード盤はキズが付きやすく静電気でパチパチと音を立て、しかもハウリングも起こりやすく、立派に再生しようと思えばレコード盤に刻まれた溝から電気信号に変換するために物理特性の良い、ある程度高価なレコードプレーヤーと再生針が必要なのがレコードでした。


 それが扱いに不便で再生装置にお金がかかる針式レコードから、時代はデジタル記録され再生ボタン一つで非接触で再生される安定性の高いCDへと音楽愛好家は流れていきました。

   (現在でも筆者が所持しているデンオンのDP-59L : DENON MUSEUMより)


   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 そんな折、たまたま知人宅で聞いた自分の所持していたCDの音質にビックリ。


 そのCDは、かの有名なフルトヴェングラーが指揮し、名ソプラノのフラグスタートがイゾルテを歌った1952年にイギリスにてテープに収録され、生誕100年目となる1986年 2月に初CD化された東芝EMIのCD、ワーグナーのトリスタンとイゾルデでした。

 (CD初出時のフルトヴェングラー指揮 トリスタンとイゾルデ : 筆者手持ちのCDより)


       
           (約3年後の1989年7月に再発売された同録音 : 筆者手持ちのCDより)




 アナログレコード時代は、最終的な塩化ビニールで出来た市販レコード盤を製作するのに、ダイレクトカッティングでなければ、レコード製作過程で編集とかもするために、恐らく3~5回ぐらいはアナログのオープンリールテープで収録テープから幾度もダビングしていたので、音質の劣化はかなり激しいかったです。

         (アナログ時代の産物 LPレコード : ウィキペディアより)



 ところが時代が大いに進んで、CD製作過程での全デジタルマスター化と最終メディアのCD化により、1952年にイギリスで録音された演奏が、当時の収録テープのままのような音質で甦りました。

 その知人宅で聞いた最新のCDの音質と、当時単体のCDプレーヤーだけはすでに購入していたものの、自宅で使っていたもらい物の超~古いアンプとスピーカーとの音質差に落胆。






ちなみにこちらは フルトヴェングラー 1942年 3月演奏のベートーベンの第九交響曲

テープ録音の黎明期に、マグネトフォンにて実況録音された第二次大戦中の録音です。



  上の動画は訳ありで、ここからは直接見れないため同じ音源を用いたと思われる別の動画。
        ただしこちらの動画は、エコーとかがかなり付加されていて、
        上の動画よりは音質は劣っているように見受けられます。
      



 なおこの第九の音源ですが、ここにアップした人はどこから入手したのか分からないのだが、たくさん出回っている1942年 3月 22日-24日(同年の 4月19日の演奏のも混じっているかも)に収録されたと思われる大戦中の第九の音源の中で、今まで私が聴いた範囲では最も歪が少なくて高域が澄んでいる録音でした(特に上側の動画)。ただ多少のエコー付加やイコライジング等がなされているようです。

(ドイツが開発した交流バイアス方式のテープ録音機 マグネトフォン : ウィキペディアより)



 今までこの第九のほとんどの音源は、ダビングを繰り返したような歪が多く濁った音のものばかりでいまいちだったのですが、オリジナルテープにより近いような、歪の少ない透明感あふれるこの音源を入手でき (第四楽章のトランペットが奏でる歓喜の歌のファンファーレなどは実に美しい)、

後年のバイロイトの第九などよりこちらのほうがオーケストラも格段の違いで、さらに演奏自体が円熟していて第三楽章の弦楽器の響きなどはもうこの世の物とは思えないほどで、私個人的には1951年のバイロイトや1954年のフィルハーモニアの第九などよりこちらのほうが好みです。


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 そして当時発売されたばかの上記トリスタンのCDを聴いてビックリしたお話しは、私が社会人になって間もない頃でしたが、この体験により最新のスピーカーの購入と、思い切って自作の真空管式アンプを作ろうと決意、早速どのような設計がベストなのか知識のないなりに当時いろいろと自分で調べました。

 現代ならネットがあるので、検索すれば調べ物はけっこう簡単に分かる場合も多いけど、当時は携帯電話すらないCD以外はほぼアナログの時代、本屋さんのオーディオコーナーで月刊誌やら製作記事の単行本をとにかくいろいろと探しました。


すると一冊の本を見つけました。
近年お亡くなりになられたらしい金田幸之助さん著 「タマアンプ Hi-Fi名器の再現を」 という本です。
  


 この本は1987年に誠文堂新光社から発刊された単行本で(上記写真)、現在はどうやら絶版らしいのですが、当時はよく本屋さんに並んでいました。詳しくは当ページの「その他 その他」のフォトギャラリーにて解説付きで掲載です → そのサイトはこちらです。

   → https://minkara.carview.co.jp/userid/1144014/car/964839/2839759/photo.aspx



 この本の中には、いくつかのアンプの製作記事が掲載されていますが、

    1.真空管には寿命があるので、入手しにくい球や高価な球の使用は一切避ける
    2.歪率など考慮し、余裕を見越して出力がある程度有するアンプを作る
    3.特殊な部品を一切使わないようにする
    4.低域特性の良いアンプを製作する
    5.NFBが軽めでアンプの内部抵抗が低いのを選択する
    6.めったに修理することはないが、重たいアンプの保守をしやすいケースを使うこと

 という条件をすべて満たす製作記事を探すと、
 いちばん最後のページに掲載されている6550AのULPPパワーアンプでした。
  


 この製作記事中のULPP(ウルトラリニアー)接続というのは、

 PP用の出力トランスの1次側の巻数比43%ほどの位置に接続タップ(SG)が出ていまして、このタップをビーム管などの5極管のスクリーングリッドにつなぐと、真空管の出力の低下はあまり無いものの、出力管の動作が3極管接続に近づき内部抵抗が大幅に下がって、ダンピングファクターが良くなり歯切れ良くスピーカーを駆動するアンプになる、というものです。

 簡単に言えば、出力は大幅に減るが真空管の内部抵抗が小さく歯切れが良くなる3極管接続と、増幅効率が良くてパワーが取れるが内部抵抗が高めの5極管接続との、それぞれの良いとこ取りみたいな回路です。そのせいかこの回路を採用している製作記事はかなり多いですね。


 調べてみると1951年(太平洋戦争終了の6年後)に、アメリカのトランスメーカー アクロ・プロダクツ社というところが、このULタップ付きトランスを初めて発売し、この接続形態をとったアンプのことを「ウルトラリニアー接続」と呼んだようです。

 この回路を考案した人、今と違ってコンピューターのシュミレーションなど全く無い時代に、いろいろと実験を積み重ねて地道にアンプの改良に取り組んだのでしょうね。


   ちなみに1946年に登場したコンピューター「ENIAC」は、
   真空管を17468本も使って回路を構成していたとか(下写真)。
   ビル全体が真空管で埋め尽くされていたようですよ。まさに巨大な電熱器です。

         (世界最初?のコンピューター ENIAC : ウィキペディアより)


 しかしこの50年ぐらいの間に技術は大いに進み、ビル1棟分もの真空管回路が、現代の世になると微細化が進み細菌より小さな回路となって、全体でもわずか1~2cm角ぐらいの小さなCPUチップになりましたね。

         (現代のコンピーターに使われるCPUの回路 : ウィキペディア)



   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 で結局、故 金田幸之助さんが設計し、その単行本で紹介されていた米GE(ジェネラルエレクトリック)社が開発した、大出力ビームパワー管6550Aを使ったパワーアンプを自作することにしました。


 まず製作に必要な部品を1つも不足することなくすべて集めて、板金工作もしながらハンダゴテを連日握って製作したのがこのアンプなのですが、製作本の写真のように普通は観賞と放熱を兼ねて、外観は丸出しにすることが多い真空管アンプだけれども、

     ・ 我が家では部屋が狭くて、オーディオラックにしまわなければならないこと
     ・ 不用意に手が触れて火傷になったり、紙などが落ちて火災になるのを防ぐこと
     ・ 落下物とかで虎の子の真空管を破損しないようカバーをかけること


などを考慮し、当時あった鈴蘭堂という自作オーディオアンプのシャーシメーカーの製品で、最も大きなサイズの、放熱用天板付きDCトランジスターアンプ用のDC-5000というシャーシをチョイスしました。

   (放熱のためたくさんの穴が開いている、シールドも兼ねた自作アンプの天板)


 この上写真のように、天板が付属していた自作アンプ用の市販シャーシでは、この鈴蘭堂のDC-5000という名のシャーシがいちばん大きくてしっかりしていました。しかも重量30kgものアンプを安全に引き出すには、このオーディオラックの引き出せる棚板とともに、フロント部には取っ手も必要ですね。

 ただ25年の歳月を経てご覧の通り、天板の塗装は錆びも少し浮き出てきて幾分やつれています。
 収納ラックの横幅の制約で、フロントシャーシの両脇を各1cm弱ほど切断機で切り落としました。



 そして残念ながらこの鈴蘭堂ですが、2007年5月10日に廃業したらしいです。

  この写真は1984年(昭和59年)に発行されていた
  筆者手持ちの鈴蘭堂のカタログより9ページ目をスキャナーでコピーしました。

      プリーアンプには、SR-2 MKⅡ(11250円)
      パワーアンプには、DC-5000(19980円)  を買いました。



  こうして仕事からの帰宅後に、何日もかかりながら製作したアンプがこれです。

    当時の購入伝票を改めて見ると、先に製作したのがプリーアンプのようで、
    費用のかかるパワーアンプは2ヶ月ほど遅れて製作したようです。


 でも先にメインとなる6550A ULPPパワーアンプからご紹介していきます。



       
          (製作本の記事を参考に自作した、金田式6550A ULPPバワーアンプの外観)



 6550Aは大型の真空管なので出力も大きく取り出せるが、その分発熱も大きいので、
    パワー管のソケットを直接シャーシに取り付けず、大穴を開けてから、
    周囲に丸穴がたくさん開いているソケットアダプターを別途用意して取り付け。

    このタイト製の高級ソケット、
    私の製作アンプの場合に限れば、25年間使うも変色もなく今のところトラブルなしです。
    たまに(年2回ほど)抜き差しして接触不良にならないよう気をつけていますが。
   
      (発熱の大きい大型ビーム管の放熱のため、穴あきのソケットアダプターを使用)


それからシャーシの回路組み込み部分はピカピカに光っていたアルミ地丸出しでしたが、
ちょっとでも熱を吸収しやすいように、表面だけですが車用だったと思うけど耐熱用のブラック塗装を施しました。




 またフォトギャラリーで質問がありましたが、
    この発熱が大きな真空管アンプ、ソケットやその端子の劣化による通電不良は、
    即アンプの故障と真空管の破損につながるので、
 信頼性をなにより重視し、樹脂製のモールド型ではなく、
    金メッキ端子採用、かつセラミックの焼き物で出来たタイト型ソケットを使用。

 タイト製ソケットだとオーディオ用には過剰性能だとの意見も見ましたが、
 上写真のように25年間使っていても、ソケットのセラミック磁器は変色もなにもないままです。


       
        使用したソケットはこれです。 
              小型のMT管用には  「タイトMT-9P金下付き」
              パワー管(GT管)用は 「タイトUS(GT)金メッキ」
        パワーアンプ用の真空管ソケットだけで3200円(製作当時)も使いました。


   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 このアンプ、設計上の低域カットオフ周波数はなんと5Hzに設定されていて、
 今は無きタンゴトランス(平田電気製作所)の優れたトランスの一つであった
    FW100-3.5(1次側の負荷抵抗3.5kΩ/30Hzで最大100Wの容量)の採用もあって、
後で取り上げているソニーの平面スピーカーAPM-66ESで鳴らすと、低域から過不足無く音がスピーカーから出てきます。


             (タンゴFW100-3.5の取扱説明書の表)


         (タンゴFW100-3.5の取扱説明書の裏よりトリミング)



 電源トランス&2つの出力トランスとも、しっかりとした物を使用したため、
      このアンプの総重量は30kg!ほどにもなっちゃいました。簡単には動かせないです。
 なお使用したトランス類はブリーアンプもパワーアンプも、
      製作当時はごく一般的だったタンゴ(平田電気製作所)製のものをチョイス。

      電源トランスは、管球式では容量最大級のMS-450D 
      出力トランスは、FW100-3.5 を2個
      チョークトランスは、MC-1.5-500D
 
という品番をチョイスしましたが、どの製品も立派な艶消し角型ケース入りのものです。
製作前にトランスの重量を測ると、確か電源トランスは10kg、出力トランスは7kg/1個ぐらいだったと記憶しています。



 よって、めったに裏返すこともないけれど、裏返すのも大変ながら撮影のため裏返しに。
 でもこのケース、フロントに頑丈な3mm厚のアルミパネルにさらに取っ手まで付いているので、掃除とかでこのアンプを持ち上げやすくなっていて好都合です。

保守のときにも引き出しやすいですし、天板が付くためシャーシ全体に枠が設けられていて、アンプをそのまま逆さまにして回路を保守するときにも、真空管を破損することなしに点検整備できます。




    シールド効果と放熱の空気取り入れ口も兼ねた底板カバーを外しますと、
        アンプ回路部分となります。
    プリント基板は一切使用していなくて、ラグ板を使用したディスクリート構成です。

       (自作した、出力43W+43Wの6550Aパワーアンプの回路部分)


 ここで使用したケース、
 出力トランスの不要なトランジスターアンプ用のシャーシだったため、大きさ・サイズには不都合はなかったが、回路が載る平板アルミ板の厚みが2mm弱ほどしかなくて、合計30kg近くにもなるトランスとチョークの4個が平板アルミ板に乗っかかると、当然ですが平板アルミ板が大きくたわみました。

 これには正直まいったけれど、ここでの掲載写真から分かるように、
 ステンレス製の丈夫なL金具2個をトランスの付近に補強として取り付けました。




    次にパワー管、このアンプの場合ですと6550Aの動作設定を決定する、
    バイアス回路の調整用ボリュームの拡大写真も掲載です。


   出力管のグリッドに印加する固定バイアス用-電源、
      もしこの部分が破損しますと、一発で真空管が破損するので、
   この調整用ボリュームは1個何十円とかの安物を使用せず、
   経年劣化にも強そうな、コスモス製の大型のしっかりとしたボリュームを使用しました。


   安物のボリュームではないためか滑らかに調節できるので、
      アイドル時の各6550Aのプレート電流の設定値70mAに合わせ易いですよ。
   ただこの作業、本当にごくまれにしかやらないため、調整方向を忘れてしまうので、
      設定方向が分かるようにマジックで矢印を書き込んでいます。



 それからこの精密電流計4個を使用して、
 出力管の各ブレートに流れる電流値を、調整用ボリュームを動かして70mAに設定しました。

 この大型の電流計、1個2200円もしたけど、
   PPのステレオ構成なので、4個の真空管に流れる電流値をすべて正確に合わせますが、
   これを正確に合わせると、出力トランスの直流磁化を防ぐことが出来、
      トランス性能が最大限に発揮できるので、高かったけど当時思い切って買いました。



 それから故障といえば、私が25年間使用した中での故障は2回のみで、
    1回は6CG7のヒーター断線による交換、
    もう一回はSGタップとスクリーングリッドの間に入れている
              保護抵抗470Ω(容量1W)の断線でした。
 この保護用抵抗はよく断線するらしいから、
 より熱に強い酸化金属皮膜抵抗の470Ωの容量2Wのものへと、
    4箇所ともグレードアップして交換しました。


 後はこのアンプ、大型出力管を採用していることから発熱は大きい部類に入るので、使用頻度にもよりますが、数年ぐらいするとハンダがボロボロになってきます。5年に一度ほどハンダの流し込みが必要みたいです。

 まあこんなところなので、あまりアンプの底板を開けてまで保守することは少ないですね。


 またこのシャーシ、フロントの部分のアルミ板が大きすぎてノッペリとしてしまうので、電源ON時のオレンジに光るネオンランプと、Wメーターを取り付けて見た目に寂しくないようにはしました。インレタがはがれて少し醜くなっています。メーカー製のようにシルク印刷できればいいのだけど。





   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 そして先に製作したほうがこのプリーアンプですが、そもそもアンプにプリーアンプやパワーアンプと分かれているほうが理解しがたく、一体にできないのか不思議に思われる方もおられるかもしれません。

 真空管アンプは、1個1個の部品そのものを組み合わせて製作するのが普通のため(ディスクリート構成)、部品の占有スペースが大きく、しかも製作した当時はレコード専用のフォノアンプも必要だったため、アンプ回路が大きすぎて、プリー部とパワー部とを分けて構成せざろうえませんでした。

 そして、製作したプリーアンプの顔がこれ、鈴蘭堂のSR-2Ⅱという名のシャーシを使いました。


   12Vのムギ球が仕込まれた、
      プッシュ式のAC電源スイッチの大きさを間違えて大きく開けてしまい、     
      余分に削り取った部分は未だそのままです。


    プリーアンプの天板、放熱を考慮して多数の放熱穴が設けられています



          天板を取り外すと中にある真空管や電源トランスやチョークコイル、
              ケミコンやセレクタースイッチ等が見えますね。
       
          セレクタースイッチはアルプス製ですが、
              極力たくさんの機器がつなげられるよう6セレクターのものを選択。


 このブリーアンプ、最初はラックスマンの真空管全段SRPP構成のプリーアンプのキットA-505を買ってきて製作しようとしたのですが、このキットは当時すでに市場にはなくて、金田幸之助さんに回路図を分けて欲しいと頼みましたところ、わざわざラックスマンにまで頼んでくださって回路図を分けてくださいました。

 でも結局、金田式6550Aアンプと組み合わせると増幅度が高すぎるため、2段増幅のところを前段はカソードフォロアー回路に変更し、増幅回路は後段の1段のみに変更して、必要なトーン回路用の増幅回路へと組み替えました。そして一部回路定数の変更もしました。
 
 このプリーアンプ、元来NON-NFB回路なので回路定数を変更しても問題ないのですが、増幅段が1段減ると歪が大幅に減りとても驚いた記憶がありますね。
 その変更以来、ずっと今日までこのプリーアンプも使い続けています。



  次に電源スイッチとACコード取替えに合わせて、プリーアンプの裏面もDP1メリルで撮影



 先ごろ25年の使用に耐えかねたのか、電源をオン・オフするプッシュスイッチが破損し、電源が切れなくなるトラブル発生。大阪へ用事で出かけたときに電子パーツ屋へ行って探してみると、未だに全く同じスイッチが売ってあったので、これ幸いとばかりに購入、先日劣化ぎみの電源コードとともに新品交換しました。


   回路部分も撮影。あまり上手な配線はしていませんでゴチャゴチャしていますが。

   この写真は電源スイッチ破損修理と電源コード交換直前のため、
       タンゴのST-55電源トランスへACコードをヒューズBoxを通して直結状態に。

   この写真の撮影後にもちろん修理をしまして、電源スイッチを新品に交換するとともに、
       電源コードをアンプ裏板へ固定するところも取り付け穴を拡大加工し直して、
       市販品の電化製品のようにコードブッシュを介して取り付けました。




 以上が、私が愛用している自作アンプの大まかな全容です。 
 「その他 その他」のフォトギャラリーに、先日コメントがありましたので、ここのブログを大幅に加筆して書き換えました。



 で、上記掲載の本のタイトルにも “タマアンプ” とタイトルがついていますが、
 「タマ」とはもちろん「球」のことで、真空管のことを指しています。それに対して固形の半導体を使うトランジスターアンプのことを「石アンプ」と呼んでいました。

 球と石、もちろん登場した時代が全然違うので、現代では単体の性能自体はもちろん石のほうが圧倒的に上なのですが、携帯やパソコンの超高周波帯域を使うのとは違って、音声信号はせいぜい20Hz~20000Hzという周波数がかなり低い領域を扱うので、設計が良くて出力トランス (フォトギャラリーに説明あり) にいいのを使えば、あまりにもたくさんの部品を使う石アンプよりも音はいいと言われていました。

 ちなみに石のアンプ、つまりバイポーラ型トランジスターは、回路の初段から電流で絶えず増幅していくので電源の負担が大きく、しかも終段はたくさんのトランジスターを並列駆動して合成するので、素子のばらつきがあることも考えると、大きい音になると汚く歪むといった感じのように、当時私は思えました。

 現在ではFETという入力電圧で増幅率を制御する素子も実用化され、アンプの電源の負担も軽くなり、設計によっては少ない増幅段数でも実用的な出力を出せるようになっているみたいですが、当方の自作タマアンプまだまだ現役でいけそうなので、浮気することは当分ないかな。


   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 次にこの写真はAPM-66ESという名が付いていた我が家にあるメインスピーカーですが、

これも詳しくは当ページの「その他 その他」のフォトギャラリーにて写真付で購入のいきさつを掲載しましたが、とにかくこのソニーが苦心して世に問うた、剛性が非常に高いアルミハニカムを採用した平面スピーカーはとても素晴らしい音質だ、と当時言われていました。


   そもそも私がこのソニーの平面スピーカーに興味を持ったのはこの本が発端で、
   講談社から1981(昭和56)年に初版発行された本です。
  

 この本は、私が学生時代(相当昔になっちゃったが)に本屋で見つけて当時ずっと読んでいた本ですが、著者は中島平太郎さんという方で、もともとNHK技研におられた方ですが、その後ソニーに移られてPCM録音機・CDプレーヤーの開発・平面スピーカーなどの開発を手がけられたそうです。

 この本の中に、その次世代型のスピーカーを開発するべく奮闘した話が記載されておりまして、その当時出来上がったのがCDの音質をあまなく伝えることができると言われた、この平面スピーカーだったのです。

 この平面スピーカーの動作原理とすばらしい音質については、この本の中で詳しく触れられていますが、簡単に言えば受け持つ帯域の音の全域に渡って、スピーカー振動板全体が分割振動することなく均一に動く、といった内容です(特に低域を受け持つウーファー)。
 これ以上の突っ込んだお話は、かなり専門的になるのとスペースの関係上割愛します。


 よってこの平面スピーカーは、従来型の凹みのあるスピーカーよりも一桁ほど歪が少なく、しかもクセの無い音だと言われていました。
 で、それを確認するべく、当時大阪の心斎橋にあったソニータワービルにもわざわざ出向いて、デモ用に置かれていた超大型の平面スピーカーのAPM-4(少し下の写真)の音も聞きに行った記憶もありますよ。


    今も所有している、当時のAPM-66ESのカタログ


 この当時のスピーカー製造メーカーは598戦争(59800円のこと/1本当たりの表示)を繰り広げていて、実際はステレオなので2本必要ですが、このような販売競争を各メーカーともやっていました。
 そして電器店のオーディオコーナーでは実にたくさんのこの価格帯の中堅スピーカーが並んでいましたが、私はなんら迷うことなしに、このAPM-66ESだけに的を絞って探し、なんとか見つけて購入しました。


 将来は分からないけど、いまの技術ではいくら音声のデジタル化が進んでも、スピーカーは電気信号を音に変換する要のところで、やはりここだけは未だ物理現象からは逃れられず、ある程度の大きさは必要なようです。

 詳しくはフォトギャラリーに書き込んでいますが、音の立ち上がりの鋭さ、クセのない透明感のする音と20Hzの低い音まで安定して出せるこのスピーカーの実力に不足はなく、いまだずっと愛用しています……少しノロけすぎたでしょうか。



                    (ソニーの力作:APM-4)

 本当はAPM-66ESよりさらに一級上の、この上写真の超大型スピーカーのAPM-4がずっと欲しくて、しかも長らくソニーのカタログにも掲載されていたけれども、左右セットで定価54万円は出せなかったのと、リスニングルームが狭いという問題もあり、とうとう買いそびれちゃいました。

 でももし現在、復刻してくれたなら思い切って買っちゃうかも知れないですね。


   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 1980年代~1990年代までは現在よりも経済状況も良かったせいか、ステレオ装置購入とかにもお金が使えた時代のようで、音響メーカー各社とも単品製品が世に多く出ていました。

   このCDプレーヤーは、
   ソニーの十八番だったダイレクト選曲20キーが付属していた終盤頃の製品

            (CDプレーヤー購入2代目にあたるCDP-911)


   1年半ほど前にとあるハードオフ店にて見つけた、
   中古のCDプレーヤー、ソニーのCDP-X55ES


           CDP-911もCDP-X55ESにも標準装備されたダイレクト選曲20キー
       

 こういったダイレクト選曲20キーなどは使い勝手もよく有益なのに、
 デザイン性を重視したのか、はたまた製造コストかかかるからなのか、
    いつの間にかこの選曲キーはプレーヤー本体から追放されちゃいましたね。

 蛍光灯などでもそうですが、紐プルスイッチからいつのまにかリモコン式に、
    これ案外使いにくいですよ、メーカーさん。




 そして私は音楽好きという側面もあり、
     アナログ時代のレコードプレーヤー DENON DP-59Lから、
     デジタル化していったCDプレーヤーから、
     チューナーやカセットデッキ・DAT・ビデオデッキにいたるまで、
     高級品ではないが実用的価格帯の物をすべて単品でそろえました。

  このオーディオラックの写真は、
  私がひとつひとつ取り揃えていった物を現在も収納している大型ラックです。



【関連情報URL】には、真空管の動作原理を説明しているサイトをご紹介しています
ブログ一覧 | (自作)ステレオ・テレビ・家電 | 趣味
Posted at 2011/10/25 01:07:25

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この記事へのコメント

2011年10月25日 18:30
こういうお話は、あたしの好きな コブクロ の黒田さん(サングラスでデッカい方)がすごく詳しくて、カクシカさんとウマが合いそうな気がしますねー。

あたしはとりあえずステレオで聴ければそれでいいや的な感じです(笑)
コメントへの返答
2017年8月6日 1:17
このステレオアンプ、若きころの勢いで作っちゃいました。

二十歳ごろといえば、少々徹夜しても平気だったけど、真空管を添えつけるところの大きな丸穴と、同じくフロントパネルのワットメーターを取り付けるための大きな丸穴は、さすがに自分ではできないので、亡き親父の知人の板金屋さんに穴あけしてもらいました。

で、私は製作マニアではないので、製作したのはこのプリーアンプとパワーアンプのこれ1回きりで、劣化した部品は交換して未だにずっと使い続けています。

昭和の末期の1988年 6月のご誕生なので、今年で齢23歳でございます。
   ------------
こういう電子工作が好きな人や興味がある人なら、話題はつきないと思いますね。

それはお車でも同じなので同類の士といいますか、ここでの文面も超長~いブログですし、愛車紹介の「その他」のフォトギャラリーにも3連投でさらに詳しく紹介したものの、あちらも当初はあのような詳細な説明文を書くつもりではなくて、もっとさらっと簡単に書くつもりでした。

おかげで、アップするのに1週間近くかかっちゃいました。
   ------------
  あたしはとりあえずステレオで聴ければそれでいいや的な感じです(笑) → これを実践しているのは我がコンテくんですよ。

しょせん移動中の鉄板の中で聴くということで私は割り切り、さすがに純正スピーカーでは画用紙みたいな音で物足りなかったけど、アルパインのSTE-162Cのスピーカーに転換して満足しています。
2011年10月25日 18:53
作り上げたカクシカおじさん凄すぎます!
私はあんまり音響にはこだわらない方なので、一回ぐらいはめちゃくちゃいい音で聞いてみたいものですっ(*´y`*)

長年愛用出来る物と巡り会えるっていい事ですよねー♪
コメントへの返答
2011年10月25日 21:27
アンプを製作した当時、音質に限度があるレコードから、ひたすら素晴らしかったCDを聴きたいがために頑張りました。その甲斐あってか、まず故障することなしに何とか23歳を迎えております。
   ------------
でも世の中には上手がいくらでもおりまして、上の文面に登場した作曲家のワーグナー、この方は大変な活動家でもあったので、自分の曲の演奏の質にも大変関心を払っていました(他の作曲家の曲も)。

ここでの詳細な記述は省きますが、自分の楽曲・オペラを理想の姿で再現できるようにと、なんと劇場!まで作っちゃいました。

それが今でも残る、ドイツの「バイロイト祝祭劇場」です。今も毎年夏ごろにワーグナーのオペラが上演されています。

でも、私個人的には今の時代のあの斬新すぎる演出と演奏はとても好きにはなれず、この第二次大戦中・戦後の間もない頃の、主にドイツ語圏で活躍したフルトヴェングラーの演奏のほうが圧倒的に好きです。

彼の手にかかれば、音楽がたえず呼吸していて生きている生命体みたいな演奏となり、他の指揮者とは全く違っていました。

その困窮していた第二次大戦中・戦後時代にもかかわらず、当時最新鋭だったテープ録音機(ドイツではマグネトフォンと呼ばれた)によってかなりの演奏が録音され、ディジタル処理の時代になって、音質の劣化が最小限に抑えられるようになったことから、私も思い切ってステレオ装置を一新しました。

マグネトフォンの話もいろいろあって面白いのですが、ここではスペースが足らず省略します。
   ------------
でも最後に一言、
我が家は狭くて、4畳の部屋にバカでかいステレオ装置を置いているため、理想のスピーカーセッティングが出来ずに、残念ながら大型ラックの上に大型スピーカーを置いていたりして、せっかく立派な装置も、未だ完全に活躍する機会がないままです。
2011年10月26日 22:16
こんばんは。

かくしかおじさんが、社会人デビューをした頃、妹が小学校5年生の時に、CDラジカセを買ったのを見て驚いたのを覚えてます。

レコードと違って、雑音のないクリヤーな音に感動しました。

それから2年後の1990年に、ケンウッドのコンポを買って、今でも現役です。
父が使ってますが・・・・

メディアの主流が変わろうと、いまだに現役でいるのがすごいです。
コメントへの返答
2011年10月26日 23:42
イイねありがとうございます。

でもすでにラックにあるDATは壊れて未だ修理しないまま、時代はHDDに録音するようになりほったらかしで、別のところに置いているS-VHSデッキも完動品は1台となり、ビデオテープのデジタル化も急がれます。
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ところでブログの文面で触れているように、1952年といえば、1945年の終戦からわずか7年後の昭和27年の残念ながらモノラル録音ですが、このワーグナーの大曲、CD時代になって途中の製作段階もデジタル化により、今のFM放送に近い音質で甦ってその音質にビックリです。

なんでもEMIは他社に遅れて、この録音からやっと最新のテープ録音機を使い始めたのだとか。

詳しくはウィキで「真空管の歴史」を見ていただくとして、エジソンが1884年に真空管の原型を考え出し、その後1900年の初頭にはさらに改良され、現在に残る真空管の原型が出来上がったのが1935年だそうです。

この真空管という増幅素子がほぼ完成したことと、テープ録音における交流バイアス法の発見(発見自体は東北大のほうが先だったが)により、第二次大戦中のドイツ帝国放送局において、1942年から世界初の交流バイアス法による、テープ使用による演奏会の録音が始まりました。

このテープ録音機、ドイツではマグネトフォンと呼んでいまして、77cm/秒のものすごいスピードで走る、当時貴重なプラスチックフィルムをベースに磁性粉を塗ったオープンリールテープなのですが、あまりにも録音機器が巨大すぎて、旧ベルリンのフィルハーモニーホールに設置できなかったとか。

で、結局ホールから放送局まで専用の電話回線を引き、1本のテープで20分弱の収録時間だったので、複数の録音機を使って連続録音されました。

しかし残念なことに、ベルリンに進行したソ連軍が、真っ先に放送局を占拠して、テープ録音機から貴重な音楽遺産ともいえる収録テープをすべて戦利品としてソビエトに持ち帰ってしまい、近年になるまでソ連製のレコードをさらにコピーした音質の良くない演奏を聴かざろうえませんでした。

確か1991年だったと思うのですけど、やっと収録テープの大部分がドイツに返還され、カラヤンが指揮した1944年に試験で録音したステレオ録音のCDが出たりしました。

フルトヴェングラーの録音もいくつかこのテープから音が取り直されてCDが発売され(ベルリンフィルとのブルックナーの交響曲第五番とか)、その音質は大変素晴らしいものです。演奏も現代のあっさりしたものではなく、低音が響き渡るどっしりとしたものです。

ちなみに1943年に行われたバイロイトでのワーグナーのマイスタージンガーのオペラ録音もこれで録音され、2本ほどテープが見つからないためわずかに欠落がありますが、4時間もの演奏が録音されて→CD化されました。
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長いコメ返になりましたが、
真空管も100年の歴史があって、音声アンプとしてなら未だに十分使えますが手造りになっちゃうので、現代はプリント基板を使った大量生産向けのトランジスターアンプにならざろう得ないですね。

ちなみに我が家では、地デジに対応するための液晶テレビを買わず、民生用最高品質と謳われたソニーのハイビジョンブラウン管を採用した最後の36型テレビ、地デジまでフル対応したKD36-HR500を中古で手に入れ今も使っています。

ブラウン管も大方100年の歴史があるので、動画表示性能だけならプラズマも液晶も、未だにブラウン管には全然及びません。

ただしブラウン管の36型は、図体が大きく90kgもあるのが難点ですが、動かすときは内部の掃除とハンダの点検するときだけで、奥行きがあることもありスピーカーもいいのが付いているので、気に入っています。

ただし地震でテレビが飛び出さないよう、自作の巨大TVラックに専用ベルトで背面から固定しました。ちなみに巨大ラックは家の柱に固定です。
2013年6月13日 15:55
こういうの、大好きです^^
さすがカクシカおじさん!といった感じですね。
故障してもきちんとメンテして直してあげる。そういう物を大切にする人、大好きです。

クセの無い音の透明感。
私の大好物です。
一度音を聞かせていただきたいものです(u-u*)
最近は私の感じる「いい音」に出会っていません。。

先日宿泊して天体望遠鏡で星空を撮影させてもらったペンションのオーナーも、真空管アンプ自作する方で、お部屋には数々の素敵オーディオが並んでいて、よだれものでした。
本当は、露天風呂の方にも設置したかったそうなのですが、やはり水気のある場所は中々難しいとのことで、断念したそうです。

偶然な事に、来月の相方さんへのバースディプレゼントとして渡すものを先日ポチリしたものがありまして♪
少し種類は違うのですが、完成したらきっと一生ものとなるはずのアイテムです☆
とはいえ私はご存知の通り、電気関係は大の苦手なので、作るのは電気得意な相方さんなのですが(*'-'*)
こういうものを見たら、目をキラキラさせるはずなので、今度お会いする機会がありましたら、お話などしてもらえたら嬉しいです(*´-`*)
作成も含めて楽しめたら良いと思っています♪
が、もしも行き詰ったらどうぞお力をお貸し下さいませ^^*

製作日記などは、また来月にでもあっぷする予定なので、良かったら見に来て下さい^^/
コメントへの返答
2013年6月14日 3:30
昨日夕方から先程まで、本当に久しぶりにプリーアンプの修理をやりながら、このブログの差し替え用の写真撮影も、DP1メリルを使って撮影していました。

うちの「その他 その他」の最も古いフォトギャラりーに、この自作アンプの詳しい紹介記事を、このブログと同じ、もう1年半ほど前にアップしていまして(このブログからリンクを貼りました)、

先日ここに長文のコメントがありまして、このコメ返をするのに、スペースのないコメント欄では当然コメしきれないので、ここのブログを先日大幅に書き換えました。
そして読まれる方が分かりやすいように「何シテル」に掲載しました。


ちなみに今日の修理は、2ヶ月ほど前に破損したプリーアンプの電源スイッチで、
25年も使っていたせいか、自発光式(12V球)プッシュ式スイッチが、通電したまま切断できなくなり、大阪へ出たときに電子パーツ屋で探すと、全く同じものが未だに売っていたので購入し、やっと今日交換したところです。

合わせて劣化しつつあった、製作時からの電源コードも新品交換しておきました。

家電製品、扇風機とかでもありましたが、20年も使うと各部が劣化してきて、扇風機の場合はモーターのコイルの巻き線の絶縁が破壊され、確か火事にもなったのですね。


古い製品を使い続けるというのは、細かいところまで気を使って保守しないと、本当に危険でもあるので、私はコメ返とかでアドバイスはしても、今のところアンプを作って他人にあげたことは無いですよ。

まあアンプ製作を職業にしているわけでもなく、製作マニアでもないので、この25年前に作ったアンプ、私の場合は製作はこれのみ!です。


で、長い前置きでしたが、
私が真空管の自作アンプに取り組んだのは、なんの飾りもない透明感あふれる音を求めた結果です。そのためだけにある程度の勉強もしました。

本文にも追記しましたが、製作するときに長いこと使えるようにと、使用部品についてはずいぶんと配慮しました。

まあ車やバイクよりは手間はかかりませんが、目に見えない電気なので、知識がないと扱いにくいかもしれません。

トランジスター式アンプは、個々の部品の性能は優れているのだけど、メーカー製アンプはどのような使い方をされるか分からないから、過保護な設計となっていたりして使用部品があまりにも多すぎ、これが音質が劣化していく元となるようです。

それと真空管式は機械生産できず手作りとなりますが、ブリント基盤に機械で部品を装着し、自動ハンダコテ機でハンダづけするアンプは、当然トランジスター(FETも)式となりますね。

まあ真空管アンプキットとかも東急ハンズとかで見かけますが、たいがいの方が製作できるように、販売価格も相応とするためのキットなので、
真空管アンプの性能に直結する出力トランスは大掛かりなものではなく、ミニコンポぐらい聴くなら、といった感じで、インテリアとしての商品にウエイトを置いている感じです。

本当にしっかりしたものを、ということになると、我が家のアンプのように重さ30kgぐらいになっちゃいます。


次に購入したスピーカーは、
当時異端だったソニーの平面スピーカーですが、これは、アルミハニカムの芯をアルミ箔で挟み込み軽いが全くたわまない平面としたもので、

ウーファーの場合、駆動コイルから8本の棒が振動板の表面に突き刺さり、振動板は凹みがないので2kHzぐらいまで振動板全体が均一駆動する、という優れものです。

このスピーカー、見た目は悪いが普通のウーファーの10倍ぐらいの帯域があるのですが、無理なく超低音から中温や高音まで音が出て、しかもクセが無いようチューニングされた、率直な素性を持つとってもいいスピーカーですよ。

私が社会人になったときには、すでにこのスピーカーは製造終了となっていたけど、神戸の大型電器店をハシゴして回り、やっととある電器店の店頭展示品を見つけて、速攻でゲットして帰りました。

そしてこの自作アンプとの組み合わせ、CDプレーヤーの性能向上により、レコード時代とは全然別格な音楽を楽しめるようになりましたよ。

まあ、古いフルトヴェングラーみたいな録音も、スコアー片手にいっぱい聴いていますが、
第二次大戦中のテープ録音でも保存状態が良いものなら、コントラバスのうねるような弦の響き、重厚な金管の響きなど、この装置で聞けば未だに圧巻にとらわれます(近年出たブルックナーの交響曲第五番 1942年ベルリンフィル)。


DP1メリルで撮影した写真は、現像ソフトが重いこともあり手間隙かけて1枚ずつ現像しなければならないので、今日は時間切れ、後日ここのブログの写真を更新するつもりです。

忙しくてなかなかできないですが、今年の真冬に磐梯山へ行った写真もまだそのままだし、最近はお出かけしていないので、暇なときに少しずつアップしていきますね。


ところで相方さんにお渡ししたフレゼント、何なんでしょうね。後でアップされたら絶対チェックしておきますね。

最近暑くなってきて仕事が大変になってきたせいで、みん友さんの訪問も全然していなくて、今回はたまたま質問コメントが来たので、2日ほどかけて昔のブログを書き換えちゃいました。

2015年9月27日 10:38
お久しぶりです。

オーディオにも造詣が深いとは・・・
ワシも昔それなりにやっとりました、サンスイのAU-α907KX、ティアックVRDS-20等でしたが
今は亡き叔父の所へ引っ越しと共にドナドナしました。
設置スペースが無かったので泣く泣くでしたが喜んでもらえたから後悔はしていません。
現在はBOSEのウェーブミュージックシステムとPC用の同社PCミュージックモニターを使用しとります。

ミラカスはこの前お会いしたときから、パイオニアのサイバーナビを調整してあの時より劇的に?
音質が好みに近寄りました。(タイムアライメントとイコライザー調整)
今度またお会いしたとき是非聞いてください!

今はハイレゾの音を先日ショップで聞いてから気になりだして、もう少しメジャーになるまで勉強して
それから購入を目論んでおります。

ところでところで、SWはどうお過ごしでしたか?
宜しければブログにアップして頂ければうれしいです。
コメントへの返答
2016年11月29日 0:07
ほんとうにお久しぶりです。最近いろいろとあってプチオフできなくてごめんなさい。また神戸に出るときにはご一報いたしますね。

シルバーウィークは仕事で、そのあと休みをもらっていたのですが、所用があって箱根付近へ行っていました。天気が悪く写真も撮ったものの映えないので掲載は見送っています。

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ところで私のオーディオ歴ですが、中高生の時代はもちろんお金などないので、不用品のステレオ(特にレコードプレーヤー)をもらったりしてしのいでいました。

レコードプレーヤーは溝の凸凹をそのまま電気信号に変換するので、物理特性が良くないとダメで、学生時代は高価なレコードプレーヤーやカートリッジ針などはなかなか買えないので苦労していました。

仕方ないのでもらい物のカセットデッキにメタルテープに音を落として聞いていましたね。
   ----------------
そのうちに社会人になり、真っ先にDENONのDP-59Lという立派なプレーヤーと、3万円ぐらいのオーディオテクニカのMMカートリッジ一式を買って、やっとまともに再生できるようになりました。

このレコードプレーヤー、底板の放熱穴がきれいに開けられていなくて、回路が腐食して壊れてしまい、一度修理に出して基盤を全交換しました。

もう手持ちレコードのディジタル化は当時最新だったDATにも音を落として保存し、さらに現在はPC内のHDD内にも保存しておりますね。でも誰かにレコードの再生・録音を頼まれることもあるかと思い、捨てずに保管しておりますよ。
   ----------------
そして若き日のアンプ製作当時のことを思い出すと、いろいろと思い出が甦りますが、小学生のときにお年玉を貯めて買った大型ラジカセから、大型スピーカーと立派なステレオ装置に乗り換えた時の感激は今でも忘れません。

生演奏に近い音をというのが、私のモットーですが、色付けの無い透明感溢れる音を求めるため、簡単にですが回路の勉強もして、自分で製作&修理ぐらいはできるようになったみたいです。

ちなみに私はアンプ作り自体が趣味でないので、製作したのはここにご紹介しているプリーアンプとパワーアンプの各1台限りで、劣化したところは保守しながら現在も使っておりますよ。
   ----------------
専門的になりますが、増幅段数がわずか4段で最大40W+40W前後の出力が取れますが、あの当時のスピーカーの能率は今時のスピーカーよりはるかに良かったので、実際に左右合わせて10Wも出せば近所迷惑になるほどの音が出ます。

ちなみにこのアンプで10W以下の出力だと軽負荷なので、歪も非常に少ないのですが、あまりにも音質を重視しパワーアンプのボリューム自体を省略したため、常に最大入力の設定となり、無音時にはプリーアンプのノイズがわずかですが聞こえます。よってパワーアンプの保護も考慮して、パワーアンプにも音量調節ボリュームを追加する予定です。

それよりも高圧400Vがかかるパワーアンプの電源部、20年来の使用でもう電解コンデンサーが劣化し交換に迫られているのですが、バブルがはじけて以降自作は下火になり、真空管回路向けの高耐圧コンデンサーは入手難になっていましてどうしたことかと思案しておりました。

が、どうやらあの見苦しい太陽電池パネルの急激な普及で、これに使う整流用の高耐圧ブロックケミコンが販売されるようになりまして(ニチコン)、最近発売になったらしい高耐久品の耐圧550Vのものを流用する段取りですが、まだ交換しておりません。

   ----------------

あとブログ後半でご紹介しているソニーの平面スピーカー、これは本当に掘り出し物だったです。音にクセはなくフラットで、分割振動をしないため帯域もワイドで、リスニングルームの条件が良ければ本当にいい音で聴けるんだろうーな、と思われるものの、このリスニングルームの問題は未だに解決できないままです。

最近、ハイレゾだとか、いろいろ言われているものの、バブルがはじけてから安くてまともなスピーカーはなくなってしまい、いくらハイレゾと言っても、音に変換されるところのスピーカーが貧弱ではハイレゾなど無意味に思えますね。CDの帯域ですら満足に再生できないのではないかと思います。

現在の技術では、電気信号を音に変換するところのスピーカー、いくらディジタル化が進んでも、ここだけは過去のものとなったレコードプレーヤーと同じく物理現象が物をいうところなので、質を求めればやはりある程度の大きさが必要だと思います。

ソニーの大型平面スピーカー、発売当時は製造コストがバカ高くて、しかもあの外観のせいもあってあまり人気がありませんでしたが、ハイレゾがはやっている現在なら、改良して復刻すれば売れるのではないかと思うのですが、今の劣化したソニーでは残念ながら復刻することもないでしょうね。

プロフィール

「我がコンテ号、325327kmにて初めてCVTオイルパンを開封(写真)。

CVTは3~4万kmでのフルード交換ぐらいしかメンテはしてませんでしたが、左端の円形のマグネットにヘドロがこびりついている以外はきれいでした。

当然、新品のストレーナ・マグネット・ガスケットへと交換。」
何シテル?   10/26 21:55
カクシカおじさんです。 ニックネームの由来は、我が愛馬コンテカスタムRSの別称、ダイハツの『カクカクシカジカ』と現在の年齢がおじさんになっているところから...
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