
初代PCX150の登場は2012年のちょうど10年前の6月でした。
絶頂人気だったPCX125をそのままに、152ccのエンジンを載せただけの兄弟車。
125ccとしては少し大柄に見える車体だけに、軽二輪になっても違和感はありませんでした。
何故中途半端な150ccなのかと言えば、世界市場で販売するグローバルモデルというだけの話。強制保険の金額や免許制度の違いから、150ccという排気量が求められるようです。
10年も前のバイクだからと思えないのがKF12。
モデルチェンジで安全性や装備が格段に向上したPCXですが、流行に乗ってデザインがボクシーラインになり歌舞伎顔へ。
当初の流れる流線形の女性的なラインを、そのままエッジに近いデザインに換えているので現在のPCXは初代から比べると先鋭的に見えます。
デザインに関しては好みが分かれるものですが、PCXをイメージした初期のデザインには魅かれるものがあります。
装備に関しては当時は豪華装備と呼ばれていましたが現在でも不満はないものです。唯一使わないのがアイドリングストップ。
機能は素晴らしいのですがバッテリーの負荷がいかんせん高くて使う気がしません。
容量が大きければ使い道もありますが、セルオンリーのPCXにとっては始動出来ないリスクは抱えたくないですからね。
ダッシュスターターも持ってはいますが、長距離を走らない限り使うことはありません。
フロントはクラス初となる片押し3ポットのシングルディスク。KF12はリヤをドラムでコブレーキシステムによる前後輪に制動力が配分されます。
コンビブレーキはLEAD110で慣れたので違和感ありません。
スポーツ走行しなければこれで十分なタッチと制動力です。
実はスポーツ系バイクから、スクーターのLEAD110に乗り換えて原付二種におけるイメージが払拭されました。
実用スピードであれば、高速道路を使用しない限り不満がなかったこと。
「ちょっとそこまで」
と、すぐに乗れると言うサンダル感覚。
エンジン能力を最大にして振り回せることも、バイクに乗り始めた頃の楽しさを思い出すようで小排気量の魅力にハマります。
ただ、不満もあってLEAD110はリアが10インチの小径なので、旋回性は良いもののイン側に切り込み易く、ギャップ越えのショックや全体的な乗り心地がそれなり。
遠くに出かけるには下道で永遠に走るので、どうしても行動範囲が制限されてしまうこと。
それで白羽の矢が当たったのはPCX150でした。
14インチのタイヤと、14馬力のエンジンはまさに理想的。
特に5,500rpmで発生させる最大トルクはPCX150の特性でもあり、低速からのダッシュは抜群。そのまま最高出力の8,500rpmまで持っていける快走ぶり。
いわゆる極太パワーバンドが特徴で、スタートから最大出力までドカーンと出ます。
いわゆるロケットダッシュ。
市街地ではこの特性がとても扱いやすく乗りやすいということです。
但し、良いことばかりではありません。
5,500rpmで最大トルクを発生させてしまうと、8,500rpmの最高トルクに到達すると速度は上がりません。
勢いが落ちるというよりも、スーッと加速の勢いが落ちてしまいます。
当然、最高速もゆっくりに上がるようになり、リミッターが掛かってしまいます。
ある意味でPOWERは違えど2ストローク的な加速に似ています。
ずっと2ストな乗っていただけに、とても乗りやすいわけです。
フロントがちょっとデカイデザインはうーんと思ったものの、リアのデザインがとても気に入っているのでオーラスです。
PCX125と乗り比べると加速が全く違います。
パワーウエイトレシオを比較すると、PCX125(JF28)は10.7kg/PSで、PCX150(KF12)は9.3kg/PS。
全く同じ構造にエンジンのみ違う2台なので、当然数値の小さいPCX150の方が加速性能は良いわけです。
とにかく「よく走り」、「よく曲がり」、「よく止まる」のがPCX150。
そして手軽にすぐに乗れることが一番の魅力なのかな。
Posted at 2022/05/02 23:44:07 | |
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