
バイクの思い出を振り返ると、忘れられないのがこのバイク。
1983年に登場したスズキRG250γ(GJ21A)の発売は、これまでのバイクの世界を塗り替えるほど衝撃的でした。
世界初の本格レーサーレプリカ市販車として登場し、バイク界に革命を起こしたモデルとなります。
1980年に登場してバイクブームの起爆剤となった、人気2ストモデルのヤマハRZ250を一気に陳腐化させるほどのものでした。
1982年にホンダからVT250Fが発売され、250ccバイクの人気が高まった頃に250γは満を期して発売されたのです。
3年前に登場したRZ250は35PS/8,000rpmで重量は139kg。
カウル付のRG250γは45PS/8,500rpmで重量は131kg。
格段に見た目も性能も向上していました。
当時はケニーロバーツ、フレディスペンサーのGP500が人気で、ちょうど1983年は漫画「バリバリ伝説」が連載開始。一気にバイクブームを後押しする時代に突入しました。
私は発売日に現車を見て触れて予約購入、しかし、予約殺到で手元に来るまでに数か月を要しました。それでも街で見る頻度は少なく入手は早い方だったかと。
最初に乗って感じたのは軽いの一言。
とても250ccとは思えない軽快さでした。今ではそうでもありませんが、戦闘的なポジション。ハンドルからステップまでの姿勢が、少し前傾気味になるのも新鮮な感じで、まさに保安部品を付けた市販レーサーに乗る気持ちになりました。
その後のホンダNSR250RやヤマハのTZ250に比べれば、全然劣りますが当時はそれぐらいのインパクトだったのです。
私が一番気に入ったのは前後ディスクで、トリプルになっていること。
それとメーター周りがレーサーそのもので好きでしたね。
フルフローターのリアサスとの相性も悪くなかったのですが、フロントのAFDNがイマイチ沈み込みにくいのが厄介でした。
16インチのタイヤが倒れこみやすいから、ANDFがあったのだろうけど不自然感が否めない感じでした。
アルミフレームの剛性はしっかりしていて、タンデムで飛ばしても全然問題なし。
エアプレーン式のタンクキャップ、3,000rpm以下を表示しないメーターも話題になりましたが、軽量で高回転からの加速とマッチした特性が大好きでした。
この時代はバイクもクルマもモデルチェンジ(マイナーチェンジ)も早く、翌年には2型が登場。愛称デカピストンと呼ばれる、フロントに対向4ポットキャリパーをダブル装着、リヤには対向2ポットキャリパーがフローティングマウントされ、全て合わせて10ポットが装着され話題になるものの、初代に比べれば人気は控えめ。
レースチームカラーのHBで2型を判別した記憶があります。
実は大垂水峠でKH400で走っていると、RZ250やRG250Eにやすやすとインやアウトからパスされていたので、RG250γは喉から手が出るほど欲しかったのも本音。
いゃあ、バイク変わるとこうも違うのかというぐらい軽いのなんの。
加速もいいし、ブレーキも良く効くから、思いっきり突っ込んで走るのでホント走ることが楽しかった記憶しかありません。
高速走行もカウルのおかげでRZやVTより安定しました。
さすがに最高速はマルチ400には負けましたが加速だけは負けなし。
正直今でも二輪に乗ることが楽しいと思うのはRG250γと過ごした期間があったから。
まずRG250γに乗っていなければ、今の結婚生活はないですから。
たまたまバイク雑誌のイベントでFISCO(富士スピードウェイ)に行ったら、偶然同じRG250γに乗っているから話かけられたのがキッカケ。
同郷だったこともあり、嫁のバイト先で偶然再会したことも運命を感じたものです。
ちなみに嫁は私ほど速く250γ走らせるのを見たことなかったので、そこが最初惹かれたって言ってました。まるでスキーが上手い人がスキー場でモテルのと同じ効果だったとは(泣)。
そんなRG250γは二度盗難に遭いました。
パーツ盗難は頻繁に遭いましたが車両盗難は正直許せません。
2回ともに社宅の駐輪場で盗難されました。
RG250γは戻ったのではなく、数年後に今も付き合いのあるバイク屋で中古を購入しました。パーツも残っているし乗り慣れたRG250γは底値で安かったのもあります。
こっちはカウルを外して、POSHのバーハンドルマウントを付け、丸型ライトを入れてネイキッド風に改造。
この改造車も1年後に盗難されて未だに戻って来ません。
当時はまだバイク盗難も多かった時代。
バラシてパーツにされたら戻ることはないですし、アルミフレームは高価で買われたことでしょう。
実は数年前から近所に嫁が乗っていた赤のRG250γがあります。
懐かしいゲロゲロ音を聞いて窓の外を見たら、赤いRG250γが走っていて驚きました。
数件先にバイクを数台置いてある家があるので、そこの若者が乗っているようです。
RG250γも販売からすでに42年です。
年月から考えれば旧車扱いですが、私の中では未だに時が止まったままのバイクです。
まぁPCX150にしても12年目のスクーター。
時が流れる時間と歳をとるのが早い気がしますね。
※画像は生成AIで作成しました