
小学生の頃読んだ本でもう題名は
忘れたけれど、冒険(高山や深海や
極地探検)の解説で、「人間は普段
暮らしている平地以外だと、ビックリ
するくらいばかになる」色々な実例が、
結構怖かったのを覚えています。
割と有名な例が、スキューバダイビングで
真っ先に教わる「パニックに陥った人間は
水深30cmでも溺れしぬ」です。
次点は、航空パイロット用腕時計に必ずと言って
いい程、回転式計算尺が装備されていることですね。
地上では簡単にできる計算が、空の上では?って事です。

そういうのを覚えていると、「実は自動車の運転中にも、
思考力・判断力の低下は起きているのでは?」と
人間そのものを疑ってしまう訳ですが、最近の研究では
連続走行時間が2時間を超えると「覚低走行」が
起こり易くなるそうです。詳細は以前
こっちに書きました。
そういう理由もあって、いわゆる「自動ブレーキ」が
安全装置として登場してきまして、既にEUでは
事実上の装着義務化が始まっております。
日本車だと、アイサイトが有名ですけれど、先日
装着車と非装着車の事故率が比較されていました。
その結果は、
装着車 246,000台中の事故件数 1,490件(0.6%)
非装着車 48,000台中の事故件数 740件(1.5%)
単純な事故率で考えると、装着車の方が安全と見えます。

ただし、次の可能性も考えられます。
A.非装着車を選ぶのは、「そんな装置は不要!」と、
自分の能力を過信している、雑な運転をする
ドライバーが多かったので、事故率が高くなった。
B.装着車を選ぶのは、元々「僅かでも安全性を上げたい」
と考え、普段から安全運転を実践しているドライバーが
多かったので、事故率が低くなった。
C:非装着車が販売数の2割はいる筈なので、その分を
考慮しないと不完全なデータであり、比較はできない。
D.実は富士重工が
交通事故総合分析センターに圧力を
かけてでっち上げたデータ。捏造である(凄いなFHI…。)
E.ユダ○とか、フリー△ーソンとか、ゴ□ゴムとか、
そのへんの悪の組織の陰謀である(MMRかよ?)
交通事故総合分析センターがシステムメンテナンス中で
元データを見られないんですけれど、自分の直感では、
「B」が正解なんじゃないかと思います。
30万台分を集計すると、ドライバーの明確な技量差は
誤差の範囲に収まるから、性格の傾向が現われたんでしょう。

もしかしたら、非装着車の大半が、非装着車に比べて2倍以上
走行距離が多かったのかもしれません。確率論的には、
走行距離が多いとそれだけ事故を起こす可能性が上がります。
もっとも、「走っている距離が多いから事故を起こしやすい」
なんて言ったら、結構な数のクルマ好きイコール「事故を
起こしやすい人」になってしまいますから、その理屈は
持ち出さない方がよさそうです。
(まぁ、バイクで何回かしにかけている自分が言えた義理じゃありませんけどね。)
※「自動ブレーキが役に立たん」と言う意味では決してありません。
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Posted at
2016/01/20 22:04:29