2006年12月06日
ブローバイガスについて
ブローバイガスについて文章を書きましたが、ボツにして書き直しです。
エンジンが回っているときに副次的に生成されるブローバイガス。このブローバイガスがどういう経路を通るのか、オイルキャッチタンクはどう付けるべきか、などについて書きますね。
ブローバイガスは気化したオイルやガソリンを含む気体です。クランクケース内にもブローバイガスは溜まりますが、比重が軽いので通路を抜けてエンジン上部、ヘッドの付近に溜まります。ブローバイガスが溜まると、クランクケースやヘッド内の圧力が上がり、ピストンの動きを阻害してしまいます。このブローバイガスを積極的に抜いてインマニに戻してやろう、という機構がブローバイガス還元装置です。
K20Aの場合はヘッドとインマニを繋ぐPCVバルブ経路と、ヘッドとエアクリボックスを繋ぐブリーザ経路の2つあります。
PCVバルブ経路にはチェックバルブがあり、このチェックバルブが開閉することによってブリーザ経路を通過する気体の向きが変わります。
●エンジン回転数よりバタフライの開度が小さい場合(アイドリング中など)
・PCVバルブ経路:開いている
・ブリーザ経路:エアクリ→ヘッドの流れ。ヘッド内のエア吸入口となる
エアクリ→ブリーザ経路→ヘッド・クランクケース→PCVバルブ経路→インマニ
●エンジン回転数よりバタフライの開度が大きい場合(走行中など)
・PCVバルブ経路:閉じている
・ブリーザ経路:ヘッド→エアクリの流れ。エアクリの負圧でヘッドのガスを吸い込む
ヘッド→ブリーザ経路→エアクリ→バタフライ→インマニ
じゃあ、いったいオイルキャッチタンクはどちらの経路に付けるべきか?
オイルキャッチタンクは走行中にエンジンが壊れたときにオイルをまき散らさないために受け止めるパーツで、ブリーザ経路に付けるのが本筋です。競技では排気量に応じてオイルキャッチタンクの容量が規定されています(2000ccまでは2リットルなど)。ただし、通常の走行ではオイルキャッチタンクを取り付けてもほとんどオイルは溜まらないと思います。
この理由ですが、エンジンの金属形状やクリアランス、熱膨張によってピストンとシリンダーの隙間は変化するので、たとえばいまの寒い時期にエンジンをかけた直後は、クリアランスが大きいのでブローバイガスがたくさん発生します。でもアイドリング中はPCV経路にブローバイガスは抜けるので、ブリーザ経路には溜まりません。また、走行中はエンジンが適正な温度になっているのでクリアランスが狭く、ブローバイガスもあまり出ないので溜まらない、というわけです。
逆にオイルがよく溜まるって場合はローテンプサーモスタットとサーモスイッチなどでエンジンを冷やしすぎているとか(LLCが80℃以下)、エンジンのオーバーホールが必要なのでは? と疑ってみるべきです。
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Posted at
2006/12/07 15:04:30
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