
Amazonで古本を安く売ってたので、ブリヂストン「自動車用タイヤの基礎と実際」を購入しました。3800円+税が1000円だったかな?
タイヤというのは性能や価格についてブラックボックスが多く、ラベリング制度やUTQGなどで少しだけわかる状態です。まー、とにかく不明点が多いわけですね。企業秘密の塊みたいなものですからね。
わたしがずーーーーっと謎に思っていたことがあります。それは、「なぜ太いタイヤのほうがサーキットでタイムが出るのか?」ということです。
タイヤの接地面が広くても、そこにかかる荷重は同じだから変わらないように感じますが、太いタイヤのほうがやっぱりタイムが出る。特にコーナーリングです。経験則でタイムが上がるのはわかってましたけど、裏付けがよくわからない状態でしたが、この本にこう書いてありましたよ!
「ゴムは一般に接触圧依存性があり、接触圧が低い方が摩擦係数は高くなる」
つまり、インチアップや太いタイヤで地面との接地面を広くすれば、摩擦係数が上がる、つまりグリップするってことです。なるほど。
そのあとに書いてあることが、またすげーんですけど。
「荷重増加すると、接地面積が増加するため、図に示すようにコーナーリングフォースは増加するが、接地面積の増加は荷重の増加程ではないため平均の接地圧は増加する。前述のようにゴムの摩擦係数は、接地圧が高くなると減少するので、横すべり摩擦係数は荷重が大きくなると図のように減少する。すなわち、荷重が増加しても、最大横力はそれほど増加しない」
えっ? 荷重をかけた方がよく曲がるだろ? って思いますが、これはブレーキを踏んだりロールなどでタイヤに荷重をかけてタイヤをつぶして接地面を広げても、接地圧が上がって摩擦係数が下がるから、あまりグリップは上がらないってことです。
ただ、コーナーリングにはほかの要因もあって、別の箇所には荷重をかけた方が大きくステアリングを切るほどコーナーリングフォースが上がるって記述があります。
まとめると…。
・タイヤの接地面が広いほうが、接地圧が下がってゴムの摩擦係数が上がるのでタイヤのグリップが上がる。
・荷重をかけて接地面を広くしても、ゴムの摩擦係数が下がるのでグリップはあまり上がらない。
・荷重をかけた方が、ステアリングを切ったときのコーナーリングフォースは上がる。
ほかにもいろいろな空気圧などの要因も記述されており、かなり奥が深すぎるというか、タイヤって単純な話じゃないんですね…。
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メンテナンス | クルマ
Posted at
2015/03/12 22:07:57