
新型コロナも収まりつつあり、鉄道の乗客数もある程度戻ってきました。各鉄道会社の決算発表ではほぼすべての鉄道会社が赤字で、さらに乗客数はコロナ前までは戻らないという予測を立てています。これから本格的なコスト削減が始まるはずで、たとえばJR西日本は赤字路線の数値を公表しましたが、路線廃止やバスへの代替へと話を進めて行きたがっているように見えます。
そんな中、東武鉄道は野田線(愛称:アーバンパークライナー)に関して
リリースを出しました。その内容は、2024年に5両編成の新型車両を導入するというものです。
ここで野田線の利用者は疑問に思うはずです。現在の野田線は6両編成で運用されていますが、新型は5両編成。既存の6両編成はどうするの? と。
すべて5両編成にするそうです!!
わたしの想像も含めた予測なのですが…。
そもそも、野田線は単線区間があるので、電車の運行本数を減らすとか、増やすと言ったことが簡単にはできません。駅で電車のすれ違いをする必要があるので、上りのダイヤをいじると下りのダイヤにも影響が出てしまいます。
運行コストを減らすために運行本数を減らすよりも、5両編成にしたほうがダイヤをいじらず簡単にできます。
5両編成にすると乗車人数が減りますが、これに関しては野田線の駅がある自治体の人口予測があり、現在人口が増えている流山市を除き、すべての自治体で人口減することを見込んでいるのでしょう。流山市だけ人口が増える予測となっているのは、流山おおたかの森駅周辺でタワーマンションや住宅地を造成し続けているからです。
この人口減の予測は他にも余波があります。
野田線の大宮駅~柏駅には単線区間がありますが、一部の区間で高架化の工事を行っています。「単線が高架になって複線になるのかな?」と思うでしょうが、そうなりません。単線のまま高架になります。なぜなら、単線のまま高架にするのは国や県から補助金が出るのですが、複線にすると補助金が出ないのですべて東武鉄道の費用になってしまうからです。
でもいつか複線化されて便利になるだろう、だって柏駅~船橋駅間が複線化したから…と思うでしょうが、ここで先ほどの人口減の予測を思い出してください。
人口が増えるなら、より列車の運行本数を増やしたり、急行などの優等列車を走らせるために複線化するでしょう。けれども、人口減で乗客数が減るという予測となっているのに、複線化する理由はないですよね。複線化することで工事と維持にかかるコストが増えるばかりで、このコストを回収する運賃は減ることがわかっているのですから。
現状でも野田線の大宮駅と船橋駅は乗客数が多くて混雑が激しいですが、5両編成化したら、さらにすごいことになりそうです。
野田線の沿線住民は、この計画をまだ知らないような気がするんですよね…。
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Posted at
2022/05/12 23:44:42