2008年01月04日
タイヤの空気圧管理
ミニサーキットをアホのように走りまくっている身ですが、タイヤの空気圧管理について、自分なりの経験から得たものをロジックを踏まえて書いてみます。これからサーキット走行する人の参考になれば…。
サーキットを走ると、タイヤの空気圧が上がります。DC5インテRは2.3kが標準空気圧ですが、走行時は2.7kぐらいまで上昇します。「2.7k以上には上がらないのか?」って思うでしょうけど、まーこのへんが限度です。なぜかっていうと、「キュキュキューー」というスキール音が激しくなるから乗っている人間も「ヤバイ」と気づくし、そのままムリに走るとスピンするからです(笑)
タイヤ空気圧が上昇するおもな理由はブレーキングです。強烈にブレーキを踏むとタイヤと路面の間に摩擦熱が発生し、タイヤのゴム、ホイールが熱せられ、タイヤ内の空気が暖まって空気圧が上昇します。
スポーツ用途にアルミホイールが使用されるのは、軽量ってだけではなく、「熱しやすく冷めやすい」というアルミの熱伝導率の高さも理由のひとつです。だから自作の断熱材にアルミを使うのは意味がありません…。
さて。話を戻します。
サーキットで走行前とピットイン時に空気圧を調整するのは、空気圧を走行時に最適な状態に保つため。走行時にタイヤの接地面を均等な接地圧に保つことが目的です。
タイヤの種類にもよりますが、温間時(走行時)に2.1kが最適だとすれば、走行前の冷間時に1.8kぐらいに下げておく。走っていれば2.1kを超えて空気圧は上昇していくので、スキール音が多くなったり旋回時の手応えが怪しくなったら、ピットインしてすぐ空気圧をチェックします。
こうやって、「何周走ればどれぐらい空気圧が上昇するか」「自分のタイヤに最適な空気圧はどれぐらいか」というデータを拾って、走行前のタイヤ空気圧を決めていくわけです。まー地道な作業です。
駆動方式がFFの場合は、空気圧の上がり方に独特のクセがあります。
FFは加速・制動・旋回にフロントタイヤを酷使しますので、フロントタイヤの空気圧がすごい勢いで上昇します。逆に、リアタイヤは制動にあまり使われないので、なかなか空気圧が上がりません。
そんなわけなので、フロントタイヤの空気圧をリアより0.2ぐらい下げて最初は走ります。もっと差を付けてもいいけど、そうするとタイヤが暖まるまで時間がかかるので、なかなかアタックできない、アタックしても不発に終わるという弊害もあるので、わたしはこの程度にしています。
あとは、FF独特のアンダーを抑えるために、温間時にフロントタイヤがリアより低い空気圧になるように調整しています。わたしの場合は0.1k差を付けています。ちなみに、わたしがベストだと思っている温間時の空気圧は、17インチのRE-01R 215/45でフロント2.1k、リヤ2.2kです。
タイヤの空気圧は走行のたびに空気圧チェックをしてデータを蓄積すれば終わりですが、もうひとつ重要な要素があります。
それは、タイヤの表面温度です。
「タイヤはゴムでできているから、このゴムが地面をひっかいて進んでいるんだろう」
と思っているなら、それは全然違います。
そういう見たまんまの単純な理由なら、タイヤの表面に粘度の高い材料を貼り付けて走った方が、よっぽどグリップするはずです。
タイヤのグリップ力は、ゴムが溶けて地面とタイヤの間に溶解したゴムの膜ができることで生み出されます。このゴムの溶け出す量が最適な状態であれば、最大のグリップが発生します。
だから夏場の路面温度の暑い日は、ゴムが溶けすぎてグリップしなくなってきますし、路面温度が低すぎる寒い日は、ゴムが溶けずにグリップしないという状態になります。
空気圧の管理を完璧にしたとしても、タイヤの表面が暖まらなければ簡単にスピンします。だから、寒すぎるような日はベストLAPを出しにくいです。
もうひとつ、オマケのロジックを書いておきます。
太陽が出ているとき、まず暖まるのは地面。そのあと地面に暖められて空気が暖まります。固体は暖まりやすく冷めやすい、動いているもの(気体・液体)は、暖まりにくく冷めにくい。だから、空気の温度を測って「寒い!」と感じても地面が冷たいとは限りません。暖かくても日陰の路面は冷たいままですしね。
だからタイヤのグリップをより正確に予測しようとするなら、コースの路面温度を測ってみるのがいいと思います。
アストロ兄さんに非接触型温度計を何度も進められていますが、そろそろ購入した方がいいかも…と思い始めています。
グリップしにくい路面温度で早々にアタック開始して、スピンして刺さるのはイヤだからってのが理由です!(ほんとーに怖いです)
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メンテナンス | クルマ
Posted at
2008/01/04 22:10:21
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