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イイね!
2010年01月06日

菊池城

フェリーを下船した後、高速をひた走り、向かった先は熊本県菊池市。

目的は、菊池城跡。
南北朝時代、菊池武光の勢威を背景に、南朝方の征西府が置かれていた場所です。

ここも千早城と同じく、明治時代に南朝正統説が盛り上がり、
菊池武時・武重・武光、南朝に貢献した菊池一族を祀る菊池神社が出来たとのこと。

菊池武時公


ふむふむ、一般常識ね。


おや??

「・・・・・え?ダメ?」

「あ、うちら野良だから、”つれて入られた”わけじゃないんだった。へっへーん!」




征西府は九州を完全制圧しながら、なぜか大命題であるはずの上洛を行う気配が全く無く、
まるで、もう一つの日本が九州に出来上がってしまったような状態が、数年間続いたらしい。



現に、征西将軍宮・懐良親王は、日本王として中国(明)と交易を行っていたそうです。
足利幕府に先んじて。

日明貿易を開いたことで有名な足利義満ですが、
明が日本王は懐良親王と断じていたため、
実は懐良親王の名義で貿易をしていたそうです。


なぜ征西府に興味を持ったかというと、楠木正成の時と同じく、北方謙三の影響です。
北方謙三は懐良親王と菊池武光を主人公とした、武王の門、という小説を書いてまして、
これがまた熱くて生々しくて面白い。

菊池家紋 並び鷹の羽

読んで絶対後悔しないので、是非お勧めします。

このハートはなんでしょう?


ちなみに、北方謙三の影響で行っちゃった場所は、
千早城
北畠神社
に次いで、三ヶ所目となりました。
(^^;


さて、この菊池城ですが、これで石垣があれば
安土桃山時代以降の城かと間違ってしまうくらいの城構えだと言われてます。

結構高いところにあるし。


菊池城跡より菊池市街を望む


そして、凄いのがこの外城の存在。

鉄壁の構えですね。
こんなのは、戦国時代にもそうそう無いのでは??


さて、神社の案内地図によれば、憧れの菊池武光の騎馬武者像が麓にあるらしい。
しかも日本一の騎馬武者像と書かれてます。
何が日本一なのかな??

その前に、かなり適当な地図だけど、見つかるのだろうか・・・・っつーか、アレか?!
イキナリ見つけてしまった。

んーーーー??
運転に疲れたのか、遠近感覚が麻痺しているようだ。
どうも異様に大きく見える・・・・。


・・・・いや、ホントにデカいな、これ。

右側でスポーツしてる人達がゴマ粒に見える。。。。

何が日本一か書いていない理由と、地図が適当な理由がよく分かりました。
これだけデカいと、そんなことを正確に書く必要が全く無い。


稀代の名将菊池武光公、今ここにその勇姿を再現して立つ! 

熱い市長だな・・・・・・ いや、市長、これは少しやり過ぎでは??
(^^;

今ここに、その勇姿を再現して立つ!


大きさ関係なく、躍動感溢れる凄い像です。


シルエットだけでも素敵だ。


武王の門で最も好きな場面は、
武光がまだ庶子だった頃のエピソード。

総領の菊池武士(弟だが嫡流)の居城が敵に占領された。
怒り狂った武光が、自分の僅かな手勢だけで敵に猛攻を加え、居城を奪還したという場面。

これを機に、総領の座が武光へと移ります。


これまでの菊池一門の戦は(ていうか、どこもそうだと思いますが)、
各支族の長が、その手勢を従えて参戦するというものでした。
なので、長が討ち取られると、その隊は散り散りです。

そこで、武光は軍勢の大改革を行います。
まず、支族に関係なく、機能毎に隊を分けます。
騎馬隊、弓隊、槍隊って感じに。
そして、その隊長が倒れても、副長がすぐに隊長になり、副長が倒れたら3番頭、4番頭・・・
というような編成にしました。
こうすれば、隊が散り散りになることはありません。

同時に、この編成は今の軍隊のように兵士をサラリーマン化しちゃったようです。
報酬は領土ではなく、各地の水軍を通して、明や朝鮮との交易で得た銭。

これにより、菊池軍=征西府軍は、
領土に固執しない身動きの早い精鋭揃いとなり、
効率的に九州を制圧していきます。

特に峻烈な働きをしたのが、騎馬槍隊。
槍隊を騎馬隊化したわけです。
これはかなり強力だったようです。

本陣に騎馬槍隊が突入すると、一気に敵の本陣が二つに割れます。
これだけで、もうほとんど決着が着く。

まさに武光は稀代の名将だったわけです。
戦国時代に生まれていても、十分渡り合っていけたでしょう。

そんな菊池武光公を偲んでか、
菊池市街には「武光公」という和菓子があったり、
菊池家紋の並び鷹の羽が公衆電話ボックスに貼られていたりします。


わいふの湯

ワイフ(妻)の湯ではありません。
隈府の湯です。
菊池本城の別名を隈府城と言ったそうです。


九州に独立国を作ったかのような挙動を見せた征西府。
その原動力は菊池家の躍進にありました。
この武光公があと10年くらい長生きしてたら、
日本の歴史は大きく変わっていたのかもしれません。
もしかすると、日本(大和)の西端は下関になっていたかもしれません。


九州一人旅 南北朝編はこれで終わりです。
次からは、一気に時代を遡って、古代編へ。

乞うご期待??
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Posted at 2010/02/03 00:40:46

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この記事へのコメント

2010年2月3日 20:47
南北朝時代の九州に、こういう歴史があったのですねぇ。
全然知らなかったですわ~。
しかも足利義満より先に明と交易をしてたとは…。
コメントへの返答
2010年2月3日 22:11
僕も武王の門を読むまでは、知りませんでした。
関西ではなんと言っても、楠木正成ですしね。


鎌倉幕府は奥州藤原氏をパクり、
足利幕府は征西府をパクった・・・・
そんなところでしょうか。
(^^;
2010年2月3日 21:44
興味深く・・拝見しました・・・。
ハードボイルド小説、北方謙三氏は好きです。
昔、映画化された『逃れの街』主演水谷豊、監督工藤栄一
『友よ、静かに瞑れ』(1985年)、藤竜也 監督崔洋一
この辺は大好きで・・・語れば限ないですわ(^_-)-☆
残念ながら歴史小説『武王の門』や『破軍の星』はまだ読んでいません・・・
読もうかな・・と思ってる小説の中に入ってます
コメントへの返答
2010年2月3日 22:22
ハードボイルド小説に、更なるリアリティを付与するために、実在の人物に脚光を当てるという作風に転向したそうですので、
きっと面白く読めると思います。

僕はその2作と、波王の秋、という小説が特に好きです。

僕は逆に昔の作品を知らないので、また図書館で借りて読んでみようと思います。

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