
今から2年前、富山へ出張に行ったついでに
黒部峡谷鉄道のトロッコ電車に乗りに行ったことがありました。急峻な渓谷を縫うように軌間762mmのナローゲージのレールが敷かれ、オレンジ色の小さな電気機関車が力強くトロッコを牽いて走る姿に感動したものです。
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フォトギャラリー(黒部峡谷鉄道の旅②)の中に終点・欅平(けやきだいら)駅で工事関係者用に運行されている列車が、入れ違いに下山していくのを写した写真があります。
一般観光客は、ここ欅平が終点ですが、レールはその先まで伸びているわけで、
関西電力黒部川第4発電所を経て黒部ダムにいたる工事用物資輸送ルート(通称:黒部ルート)の一部となっているわけです。
このルートは
①欅平駅~欅平下部駅(竪坑下部駅)〔専用軌道約500m〕
②竪坑エレベーター〔高低差約200m〕
③欅平上部駅(竪坑上部駅)~黒四発電所前駅〔関西電力黒部専用鉄道約6・5Km〕
④黒四発電所前駅~インクライン上部駅〔インクライン(=ケーブルカー) 高低差約450m〕
⑤インクライン上部駅~黒部ダム駅〔黒部トンネル(バス専用)約10.3Km〕
という5つの部分に別れ、それぞれ乗り物を乗り換えながら移動することになるのですが、②の竪坑エレベーターはエレベーター内にレールが引き込まれており、必要に応じ車輌ごと運べるようになっているようです。
いろいろなHPにこのルートのことが紹介されていますので、わかりやすい地図を拝借してここに貼っておきます。(左上の写真もHPからの拝借ですm(_ _)m)
富山県の立山駅(地鉄)と長野県大町市の扇沢駅(関電トロリーバス)をむすぶ
立山黒部アルペンルートとの位置関係もお分かりいただけるかと。
このルートは工事用の物資や人員を輸送するために確保されているので、当然、一般に開放されているわけではありません。関西電力の職員になればその先を見ることができるかもしれないけど、そういうわけにも行かず・・・。
しかし、念ずれば通ず・・・
平成8年から、関西電力と富山県が協力して見学会を実施しているのです。5月から11月の間に合計30回程度開催される見学会ですが、開催日はすべて平日のみ。各回とも欅平出発組と黒部ダム出発組に別れて募集が行われますが、定員はそれぞれ30人のみ。誰でも参加しやすいというわけでもないし、比較的頻繁に実施されているので、応募さえすれば行けるのでは?という期待もあって、とりあえず申し込みをしてみました。
やはり決して近づくことのできない秘境の中の秘境。普段は絶対に乗れない工事専用軌道をバッテリー・トロッコで体験することができる。黒四発電所も見学できるという超人気ツアーなだけに、近年の平均倍率は5~10倍という狭き門だったのですが、
見事、一発で当選しました(^^)/
昨年10月の立山砂防軌道につづく、「知られざる鉄道」シリーズということになります。
期日は7月15日(水)。希望したのは欅平出発組だったのですが、当選したのは黒部ダム出発組。山の上から麓に向かって下って行くコースですが、こっちの方が発電所の見学時間が長いので考えようによってはラッキーだったかも。
さっそくお仕事の段取りを調整し、14日~16日まで3日間休暇をとることにしました。
ターくんでのドライブと、この際だから未乗のままとなっている大糸線の糸魚川~南小谷間35.3Kmの乗りつぶし、それに宇奈月温泉をセットにしたちょっと早めで贅沢な夏休みの計画です。

この1ヶ月の間に読んでおかなきゃと、書店で吉村昭『
高熱隧道』を買ってきました。
ルートの中の③関西電力黒部専用鉄道(上部軌道)には、掘削当時、岩盤最高温度165℃という高熱の部分があり、これを掘削する難工事を緻密な取材で再現した小説です。
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知られざる鉄道 | 日記
Posted at
2009/06/11 22:13:19