• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2011年08月28日

映画『リプリー』にみる金持ちのクルマの描かれ方

映画『リプリー』にみる金持ちのクルマの描かれ方 7月の半ばに青い森を訪問したとき、「ロードスター伝承館」で夜遅くまで白神さんと語り合いました。そのとき、なぜかこの映画(『リプリー』)のことが話題となったのですが、よーのすけはその時点ではまだこの映画を見ていなかったのです。それは、アラン・ドロン主演の『太陽がいっぱい』の印象が強すぎて、リメイク版は最初から見るに値しないと勝手に決めつけていたからです。

しかしながら、『リプリー』はより原作に忠実に作られていて、ジャズが重要な「小道具」として使われているほか、イタリアの海やヨット、鉄道やクルマなどよーのすけが好きそうなもののカタログみたいな映画だと白神さんがおっしゃるので、DVDでも借りていつか見てみようと思っていたのです。

先週、ヤフオクで『リプリー』のDVDを格安で入手したので、この土日に懐かしい『太陽がいっぱい』のレーザーディスクと見比べてみました。


『リプリー』(1999年アメリカ映画)
監督、脚本:アンソニー・ミンゲラ
出演:マット・デイモン、グウィネス・パルトロー、ジュード・ロウほか

(参考)
『太陽がいっぱい』(1960年フランス、イタリア合作映画)
監督:ルネ・クレマン
出演:アラン・ドロン、マリー・ラフォレ、モーリス・ロネほか
音楽:ニーノ・ロータ

『リプリー』のあらすじは、
1950年代のニューヨーク。貧しく孤独な青年トム・リプリー(マット・デイモン)は、ピアノ弾きの代役として出向いたパーティで、借りて着ていたジャケットのために、大富豪のグリーンリーフ氏に息子のディッキー(ジュード・ロウ)と同じプリンストン大学の卒業生と間違われる。とっさにディッキーの友人を装ったトムは、グリーンリーフ氏にすっかり気に入られ、地中海で遊び呆けているディッキーを連れ戻すように依頼される。これをチャンスと思ったトムは、ジャズが好きというディッキーと話を合わせるためにジャズに関する知識を猛勉強し、イタリアに向かう・・・

ジュード・ロウがとにかくカッコイイです。ヨーロッパで遊び呆けるアメリカの上流階級のボンボンという役柄を天性のものとして演じきっているかんじ。『太陽がいっぱい』ではモーリス・ロネが演じていた役で、それはそれでカッコよかったのですが、見比べてみると、『太陽がいっぱい』の登場人物はアメリカ人になりきれていない(フランス人だから当たり前か)のです。

1950年代後半という時代設定はどちらも共通なのに、時代の最先端の空気感を醸し出すためにモダン・ジャズをふんだんに使った『リプリー』と、ニーノ・ロータの哀切なメロディーが秀逸な『太陽がいっぱい』。どちらも甲乙付けがたい傑作です。

物語の筋立てとエンディングの見事さという点では、やはり『太陽がいっぱい』の方が上だと思いますが、『リプリー』にはジャズ・ファンを喜ばせる小ネタがいっぱい散りばめられていて、例えばLPレコードのジャケットがさりげなく画面に登場するところなど心憎いばかりです。

映画に登場するクルマにもちょっと気になったものが有りました。『リプリー』はニューヨークの場面から映画が始まるので、古いクルマが沢山登場しますが、よーのすけが気になったのはこれ。


1955年製 アルファロメオ・ジュリエッタ・スパイダー

放蕩息子ディックの友人で、やはりイタリアで遊んでいるアメリカ人のフレディがはじめて登場するローマでのシーンです。真っ赤なアルファロメオがいかにもという感じで、金持ちで遊び人のアメリカ人の性格付けに効果的に使われているのです。この直後、車から降りてきたフレディはでっぷりと太った赤ら顔で真昼間から酒をあおり、下品な話をする粗野な人間として描かれています。こんな下品な奴にアルファロメオに乗って欲しくないと思うほどです。

このシーン、『太陽がいっぱい』ではどうだったかなと、確認するためにレーザーディスクも見てみたというわけです。
『太陽がいっぱい』ではフレディの登場シーンにはクルマは出てきません。が、トム・リプリーはディック(『太陽が・・・』ではフィリップという名前になっている)を殺した後、ディックになりすましてその財産を奪おうとしているとき、異変に気づいたフレディをも殺してしまう。フレディの遺体を彼が乗って来た車に乗せて棄てに行くシーンがあって、そこに出てくるのがこれです。


1950年製 フィアット1400

フレディはがさつで、(トムにとっては)意地悪な人物として描かれているのですが、乗っている車がこれだと、イタリア駐在のビジネスマンかなにかで、案外実直な人物かもって思ってしまいますよね。一応高級車なので、金持ちではあるかもしれないが、少なくとも遊び人には見えません。

小道具の使い方という点では『リプリー』の方が圧倒的に成功しているなと感じた次第です。



『太陽がいっぱい』は、アラン・ドロンの圧倒的な魅力が何といっても最大の見ものです。モーリス・ロネもマリー・ラフォレもそれぞれ素敵で、よーのすけの中では1~2を争う傑作中の傑作です。


『リプリー』も素晴らしい良い映画です。ただ、マット・デイモンがジミー大西か宮川大輔に見えてしまうのだけはいかんともしがたいです。
ブログ一覧 | 映画の中のクルマ | 日記
Posted at 2011/08/28 22:46:34

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

この記事へのトラックバック

日曜洋画劇場「リプリー」 From [ ロードスタリストを、めざして!      ] 2011年8月29日 19:10
前にもレンタルのビデオで観ていて、そのときは「太陽がいっぱい」のリメイクなんて、どうせ下らないと思っていたのですが、「とても良かった」と思っていたので(TV放送はあまり見ないのだけれ)見てみました。 ...
ブログ人気記事

今日は
ターボ2018さん

雲青し警報級の風を待ち
CSDJPさん

キリ番ゲット
ふじっこパパさん

最近ハマっているグルメYouTub ...
RC-特攻さん

10周年おめでとうございます🎉🎉
とぅるーぱさん

リサイクルショップへ!
レガッテムさん

この記事へのコメント

2011年8月29日 6:41
「リプリー」の主役は、どうみても..マットデイモンではなく、ジュードローですよね!! (^_^)v
コメントへの返答
2011年8月29日 7:53
マット・デイモンもいい役者なんですけどね。
2011年8月29日 19:15
2003年のブログを「トラックバック」させていただきました。

共演人が、今では、物凄い「人達」ですね


原作がそうであるように?、「ゲイ」というのも、もうひとつの「テーマ」ですよね
コメントへの返答
2011年8月29日 19:57
ネットがなかった時代、TVの洋画劇場は見なかった映画を再発見するのに役立ちましたよね。

今回は白神さんのおかげでいい映画を知ることができて感謝しています。

『太陽がいっぱい』もホモっぽいと思っていましたが、『リプリー』はあからさまですね。
2011年9月15日 22:32
こんばんは。

コメントさせていただくのは
初めてかもしれません。

先日ここを読ませていただいて
ジュード・ロウのファンなので
旧車も出てくる?
それは見なくっちゃ!! と
先日DVDをレンタルして見てみました。
内容は・・・でしたが
とても贅沢な映画だと思いました。

トラックバックさせていただこうと思いますが
よろしいでしょうか?
コメントへの返答
2011年9月16日 6:56
コメントありがとうございます(^^)

>内容は・・・でしたが
ほんとうに、道具立ては素晴らしく贅沢な映画なんですが、ラストシーンはガッカリとしか言いようがないですね。

トラックバック、大変光栄です。どうぞよろしくお願いします。


プロフィール

「北大阪急行電鉄を完乗 http://cvw.jp/b/138682/48432392/
何シテル?   05/19 14:51
平成11年式ロードスター(NB1)に乗ってます。クルマは好きだけどフリークじゃない。性能には全然関係ない見た目だけのモディファイに夢中の、不良になりかけた中年(...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/5 >>

    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

愛車一覧

マツダ ロードスター マツダ ロードスター
11年7月~所有 ぐっさん(スバル・レヴォーグ1.6GT)とターくん(NB1)の2台体制 ...
スバル レヴォーグ スバル レヴォーグ
28年12月~所有。インプレッサSPORT(2.0EyeSight)からの乗り換えです。 ...
スバル インプレッサ スポーツ スバル インプレッサ スポーツ
24年12月~28年12月まで所有 BPアウトバック(3.0R)からの乗り換えです。 愛 ...
スバル レガシィ アウトバック スバル レガシィ アウトバック
19年12月~24年11月まで所有。 レガちゃんの後継として選択したのは、やはりスバルの ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation