
第38弾
『メル・トーメ/アット・ザ・クレッセンド』(1957年2月録音)
これはゴージャスなレコードです。ハリウッドにあったクレッセンドというジャズ・クラブでのライブ録音で、当時32歳のメル・トーメ(vo)の乗りに乗ったステージの雰囲気がよく伝わってきます。マーティ・ペイチ(p)、ドン・ファガーキスト(tp)、ラリー・バンカー(conga他)、マックス・ベネット(b)、メル・ルイス(ds)という一流の伴奏ミュージシャンたちもみなリラックスして、いいアドリブ演奏をしています。1950年代後半のJAZZがもっとも幸福だった頃の、エンターテイメントとしても最高のコンサートの記録といって差し支えないでしょう。
選曲もいいんです。「イッツ・オンリー・ア・ペーパー・ムーン」に始まり「恋とはなんでしょう」「あの娘のために」・・・と続いていく流れも、曲の合間にミュージシャンや曲目を紹介していくメルの軽妙なMCも。・・・ゴージャスというほかありません。
男性ジャズ・ヴォーカルは、女性のJAZZファンが少ないから、あまり流行らないのだそうですが、このレコードは間違いなくメル・トーメの代表作といえるでしょう。私のこのLPジャケット・シリーズの中でも珍しく、掛け値なしに「名盤」といえる一枚です。
そして、このジャケットです。クレッセンドの入り口にこれまたゴージャスなクルマが停まっていて、その傍らにりゅうとした身なりのメル・トーメが立って流し目でこちらを見ています。このクルマは、1935年にデビューした
ジャガーSS100。第2次大戦の前に開発されたとは思えないほど美しいスタイルのクルマです。ネットで見つけたプラモデルの箱の絵をUPしておきますね。
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JAZZのLP | 日記
Posted at
2007/04/11 23:28:35