
第48弾
『前田憲男/恋を恋して』(1980年録音)
東芝EMIが「ラブ・タッチ・ピアノ」シリーズとして売り出した企画モノの1枚です。ライブハウスなどでリクエストの多いジャズのスタンダード・ナンバーばかりを70曲ほどリストアップし、6人のピアニストが曲目のアルファベット順に6枚のアルバムに収めるという趣向で、このLPには「E」から「H」までの12曲が収録されています。
A面:1.How High The Moon 2.Falling in Love with Love 3.Easy Living
4.Georgia on My Mind 5.Five Foot Two, Eyes of Blue 6.Everybody Loves Somebody
B面:1.Gal in Calico 2.Her's That Rainy Day 3.Goody Goody
4.Embraceable You 5.Fascinating Rhythm 6.Honeysuckle Rose
という具合に、とても魅力的な曲ばかりです。
メンバーは、前田憲男(p)、荒川康男(b)、関根英雄(ds)の3人で、いずれもこの録音当時50代半ばでなかなかいい演奏を聞かせてくれています。特に荒川、関根の2人は日本人ミュージシャンをあまり良く知らないよーのすけとしてはノーチェックだったのですが、素晴らしいです!
問題は、前田憲男サンですね。この人はピアニストしてよりも作・編曲家として有名な方で、ご自身も自己紹介するときは作曲家ですとおっしゃっています。だけど、昔からピアニストとしても一流のテクニシャンで、知る人ぞ知る「馬鹿テク」などと言われたりしていました。
このレコードでは前田さんがその「馬鹿テク」を披露しすぎちゃってるんです。「過ぎたるは及ばざるが如し」という言葉がありますが、やりすぎで興醒めな分、サポートの荒川、関根の2人が好ましく思えるのかもしれません。選曲も良く録音もいいだけに残念なレコードです。
ジャケットはこのシリーズ全体を通じて、グラフィック・デザイナーの遠藤享(えんどうすすむ)氏がデザインしており、イラストや写真がちりばめられたコラージュになっています。
このジャケットではキャメル(煙草)の脇に赤い車のイラストが描かれていて、いい雰囲気なんですが、ちょっとわかりにくいんです。ミラ・ジーノではなく
ミニ・クーパーだと思うんですが・・
Posted at 2009/01/03 18:22:57 | |
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JAZZのLP | 日記