
大好きなクルマがジャケットに描かれたJAZZのLPを、ランダムに紹介していくのをライフワークにしているよーのすけですが、100枚を目標にしていても、「本編」は76枚目で足踏み状態になっています。それでも、信号機やナンバープレートなどクルマ周辺の事物を取り扱った「番外編」を7回、クルマには関係ないけれど「お気に入り」のジャケットを4回にわたって取り上げてきました。
ここへきて、ネタ切れ、少し苦しくなっています。そこで今回は、LPじゃない(CD)し、そもそもJAZZじゃないアルバムを取り上げます。そのため、「本編」でもなく「番外編」でもなく、「お気に入りジャケット」の第5弾ということになります。
お気に入りジャケットの第5弾は、
山下達郎の『カム・アロング』シリーズです。
『カム・アロング』は、もともとは1979年の夏に、レコード店の販売促進用に制作されたアナログLPで、小林克也の英語のナレーションに乗せて山下達郎の曲をノンストップで流すというラジオ番組のような構成の、非常に斬新なレコードでした。販促用ですから非売品であったわけですが、レコード店の店頭でこれが流されると、たちまち評判になり、レコード会社はこの作品をレコード化して正式に発売したいと山下さんに打診することになりました。しかし、山下は「既成の作品の上にナレーションをかぶせたものを正式なカタログとして発売することに、かなりの抵抗を感じて」許可をせず、すったもんだの末にカセットテープだけならOKとなり、1980年3月にカセットが発売されました。
その後、山下のレコード会社移籍後、山下の意思に関係なくLP化、CD化が行われ、84年には『カム・アロング2』が発売されるという経緯(山下は、「これは音楽に対する冒涜だ」とまで主張していました)があります。
時間の経過がわだかまりを解いたのか、山下が丸くなったのか、30年以上が経った2017年8月、『カム・アロング3』が制作・発売されるのに合わせて、かつての『カム・アロング』と『カム・アロング2』は山下自身の手により、デジタル・リマスタリングされて再発売されました。よーのすけが持っているのは、この再発盤のCDの中古盤です。
山下にすれば、自分で生み出した作品(曲)を第三者が勝手に加工して商品化することに違和感を覚えたということなのでしょうが、作品というものは生まれた瞬間から作者の手を離れて独り歩きをするものであるし、この場合の加工は悪意によるものでは全くありません。実際きいてみると、小気味よいナレーションに乗って山下の曲が流れていくのはとても心地よく、極上のエンターテイメントとして成立していると思います。小林克也のナレーションが多少ふざけて滑っているのはあるとしても。
そして、特筆すべきはこのジャケットのデザインです。
3枚とも、
鈴木英人氏のイラストで、レコードの雰囲気をよく表した秀逸なデザインです。
トップ画像の『カム・アロング』には、グレイハウンドの長距離バス。
『カム・アロング2』は、1958年頃のオールズモビル・スーパー88か、シボレー・インパラか(車種不明)。
『カム・アロング3』には、ポルシェ356Aスピードマスター。
どれもカッコいいし、サマになっています。

山下達郎のアルバムにはもう1枚、これもあります。
1986年発売のバラード曲を集めたコンピレーション・アルバムです。
ジャケットにスーパーセブンが描かれていて、良さげではあるのですが、これは選曲もよくないし、音質も悪いし、山下本人は非公認でしょう。ジャケットのイラストもCGのドットが荒いし、デザイナーもイラストレーターもクレジットがありません。よーのすけもおススメしません。
Posted at 2020/07/24 01:12:59 | |
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JAZZのLP | 日記