
第44弾
『ザ・マグニフィセント・サド・ジョーンズ』(1956年7月録音)
3ヶ月ぶりにLPジャケット・シリーズを更新します。
サド・ジョーンズ(tp)は、後にメル・ルイス(ds)と組んで、サド=メル・オーケストラというビッグ・バンド(65年~78年)のリーダーとして成功したデトロイト生まれの黒人ミュージシャン。
オーケストラでは、トランペット奏者としてよりも、作編曲に力を入れているように見えましたが、このレコードのようにうんと若い頃には、瑞々しい感性で素晴らしいトランペットを聴かせてくれていました。
特にこのレコードは、サド・ジョーンズが33歳でダウンビート誌の人気投票で新人トランペッターの仲間入りを果たした頃の録音であり、のりのり感が伝わってきます。
パーソネルは、サド・ジョーンズ(tp)、ビリー・ミッチェル(ts)、バリー・ハリス(p)、パーシー・ヒース(b)、マックス・ローチ(ds)と共演者も超一流。
マックス・ローチは盟友のクリフォード・ブラウン(tp)を自動車事故で失った翌月ですが、サド・ジョーンズのプレイにクリフォード・ブラウンの面影を重ねているのか、ブラッシュ・ワークに気迫がこもっています。
さて、ジャケットですが、ニューヨークの街(ブロードウェイ辺りか?)に佇むサド・ジョーンズを捉えたフランシス・ウォルフの写真。背景に劇場が立ち並んでいる前に
大型のバス(車種不明)が写っています。「LPジャケットに描かれたクルマ」シリーズとしては、苦しい展開ですが、
前回に続き、バス繋がりということでお許しをm(__)m
ところで、サド・ジョーンズは、後年メル・ルイスとのバンドを解散後、ヨーロッパに渡り、そこで女性問題がからんだ喧嘩で顎を殴られ、しばらくトランペットを吹くことができない状態になるという事件を起こしていますが、このジャケットもよ~く見ると、渋い顔をして煙草を吸っている彼の陰に隠れるように二人の女性が写っています。なるほど、なんだかイミシンなというか暗示的な写真です。
Posted at 2008/03/22 22:41:32 | |
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JAZZのLP | 日記