
5月の中旬だったか、ある旅行会社が募集する団体旅行のメニューの中に、とても気になるものがありました。JR東海の新幹線車両基地を訪問して、ドクターイエローを見学するという内容だったのですが、出発の時期や参加者の人数が限定されるため、申し込んでも行けるかどうかわからない不安を抱えたまま、とりあえず申し込みだけしておきました。
しばらくすると旅行会社から電話があり、抽選だったのか先着順だったのかはわかりませんが、申し込みが確定したとのこと。行けるとなってからは、仕事のスケジュールのほうを調整することになりました。
2016年7月30日~8月1日行ってきました。

7月30日の14時50分。新大阪駅で、「回送列車」に乗り込みます。
乗車すると、JR社員の方のアナウンスで、「回送列車も一般の列車と同じように15秒刻みのダイヤが組まれています。」とのこと。

新大阪駅を京都方向に出発した回送列車はおよそ8分後にJR東海の「鳥飼車両基地」にさしかかります。ここまでは、新大阪から東京へ向け新幹線に乗ると、毎回繰り返される光景なのでどうということもありませんが・・・

鳥飼車両基地へ入る回送列車は、本線を離れ回送線に入って、高架から地上へと降りていきます。
回送線を走るという経験そのものが、貴重なんですよ。

大きな整備用の車庫の中に入っていきます。

鳥飼車両基地は、今回初めて見学ツアーの受け入れを行ったとのことで、社員総出の歓迎を受けました。
ここから、見学者はいくつかのグループに分かれ、バスに乗って順番に基地内を見学させていただきます。

最初に見学した施設では、新幹線の運転シミュレーターに座らせてもらったり、車掌さんが行うドアの開閉を体験したり、ブレーキシステムやパンタグラフについての説明を受けたり。

「台検庫」と呼ばれる、台車の検査を行う巨大な検査庫では、7トンもある台車を綱引きで引っ張って動かす体験をしました。
意外とすんなり動くのですが、つまりそれだけベアリング等による潤滑が素晴らしいということ。

いよいよ次は、ドクターイエローの見学です。
走っているのを目撃したらそれだけで幸運と言われているドクターイエローの車内を拝見します。

ドクターイエロー(新幹線電気軌道総合試験車)は7両編成で、7号車は添乗室として通常の新幹線の普通車と同じ2列+3列シートの座席がありました。ここで、ドクターイエローについて15分の紹介ビデオを見ます。

走行中の架線やパンタグラフの点検のため、5号車と3号車にある「観測ドーム」。
他の車両は、軌道の状態を検査したり、電気計測を行ったりする機器が収納されたブラックボックスのようなもので、写真に撮っても何のことやら、なので割愛。

最後に記念写真を撮ってもらいました。
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これ、参加してよかったです。
何よりも、新幹線の安全を支える技術者たちの熱い心意気に触れられたこと。
各機器にはそれぞれ専門の技術者がいて、見学者からの質問に熱心に答えてくれました。そのきびきびとした対応の快さ。我が国の技術の信頼性は、こうして若い人たちに受け継がれているのだなあという、ゆるぎない安心感。
翌日は、この4月に開館したばかりの京都鉄道博物館を見学。

鉄道博物館の入り口は入場者でごった返していましたが、ツアー見学者の我々は「団体専用入り口」という魔法の入り口からすんなりと入場。
よーのすけは、鉄道博物館に入場したところで、ツアーを離脱(以後の見学や東京への帰りの新幹線乗車券は放棄となります。)して、好き勝手に見学させてもらいました。
3年前、2016年3月に、まだ、この鉄道博物館が影も形もなかったころに梅小路蒸気機関車館を訪れた時にもスチーム号に乗りました。C62型2号機といえば、戦前、優等列車の最高峰、東海道本線の特急つばめを牽引した由緒正しい機関車ですが、今は、つばめのマークが物悲しく見えます。

鉄道博物館の2階レストランからは、ジオラマみたいな幸せな景色が望めました。
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このあと、余勢を駆ってUSJを訪問したのですが、鉄道趣味から離れるので割愛します。
Posted at 2016/08/08 00:09:18 | |
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乗り鉄 | 日記