
第78弾
『デレク・スミス/スウィンギン・ウィズ・デレク』(1956~61年録音)
デレク・スミス(1931.4- )は、英国ストラトフォードの生まれ。7歳でピアノをはじめ、13歳でバンドを組んで演奏活動に入ったという。その後空軍に籍を置いたが、54年から本格的なプロとして活動をはじめ、自己のトリオで英国デッカに録音を残している。57年4月に米国に帰化してから、米ジャズ界でも注目され始め、同年6月には、ジョン・ルイスのプロデュースでアトランティックに吹き込み。以降60年代までNYでトリオ活動をつづけた。その後スタジオ・ミュージシャンとして地道な活動をしていたが、78年、ほぼ20年ぶりにプログレッシブに吹き込んだ『ラヴ・フォー・セール』でカムバック。改めて注目のベテランとしてクローズアップされている(スイングジャーナル社の「世界ジャズ人名辞典」の記述より)。
前回に続き、日本のNORMAレーベルから出た『スウィンギン・ウィズ』シリーズの1枚です。
デレク・スミスも、よーのすけにとっては馴染みのないミュージシャンでしたが、このシリーズでコレクションに加わることになりました。
このレコードには、56年と57年にロンドンで録音された2つのセッションと、61年にニューヨークで録音されたセッションの3種類の音源が収録されているのですが、前回紹介したエディー・トンプソンに比べると小難しいというか、とっつきにくい感じがします。ロンドンのセッションはまだよいのですが、ニューヨークのセッションは楽しくありません。アメリカ生まれのジャズという音楽様式に挑む英国人の屈折した苦悩なのかもしれません。60年以上も昔の、こういう演奏が、日本のレーベルで発掘されたこと自体は、すごいことだと思いますけど。
ジャケットの写真については、やはり写真家もデザイナーもクレジットがないのでわからないのですが、ロンドンの(?)街角を写したスナップ写真となっています。前回と同様、2階建てバスを狙ったスナップだと思いますが、こちらのほうはバスの周囲にもたくさんのクルマが写りこんでいるので、一番手前のセダンに注目してみたいと思います。
特徴のないありふれたセダンなので、車種を特定するのは難しいのですが、たぶん
1968年型ヒルマン・ミンクスだろうと思います。
斜め後ろからの写真をネットから拾ってきましたが、このクルマ、タクシーにも使われていたようで、日本でいうとクラウン・コンフォートみたいな位置づけだったみたいです。
Posted at 2020/09/05 23:48:33 | |
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JAZZのLP | 日記