会社の休み時間に、こんなのを見つけてしまった。
RX-8は故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説! https://carblo.net/rx-8-breakdown
出展:CAR BLO
…
開いた口がふさがらないほど、間違いや誤解だらけ。
突っ込みどころが多すぎて、どこから突っ込んだら良いかわからない。片っ端から突っ込んだら、Twitterの文字数制限を超えてしまう。
ということで、こちらで突っ込んでみます。
・タイトル:故障率を基に解説!
・本文要約:故障率は公開されていないが、米J.D.パワーがメーカー毎の故障率を…
故障率を基に解説と言いながら、車両の故障率が出てこない。タイトル倒れ。
J.D.パワーが出すのはメーカー毎の故障率で、車両毎ではありません。現在は様々なパーツの共用化が進み、メーカー毎≒車両毎に近づきつつありますが、共用が少ないRX-8では、全く当てになりません。
とくに、この後で本文に
「故障が多い部位は圧倒的にエンジン関係が多く…」
とありますが、もはや言わずもがな、エンジンは他のマツダ車とは全く共用していません。
ということで、J.D.パワーのマツダ故障率は、RX-8の故障率とは関係が薄いと容易に推測できます。
・本文要約:RX-8はマイナーチェンジ以外でも改良が加えられている。ECUやターボチャージャー…
ご存じの通り、
RX-8は全グレードNAです。ターボモデルは純正では存在しません。
・本文:ノックセンサーの数を増やしたり、インジェクターを追加したりと改良点の多いエンジン…
後期型では、
インジェクターは追加では無く、容量変更の上削減されました。
(前期型6ポートエンジン:6本 後期型6ポートエンジン:4本)
・本文:負荷の少ない街乗りメインなら結構な耐久性を発揮するようです
前期型16万キロ、後期型12万キロ(現在進行形)と2台、合計28万キロサーキット遊びで乗ってきて、これまで致命的トラブルはゼロですが何か?
負荷の多い少ないでは無く、自分の使用用途に合わせたメンテナンスをきちんと行っているかの方が、エンジンの寿命に大きく影響します。
たとえば街乗りだけの場合、レシプロ同様に5000km毎に純正オイルの交換と、レシプロとは異なり車検毎に純正プラグを交換していれば、十分良いコンディションを保てます。
実際、エンジンオイルが減る車なので、減った分だけ継ぎ足してずーっと使っていて、オイル交換時に最悪状態のオイルが出てきてエンジン内部状態もお察し・・・という事例もありました。負荷のかけ方では無くメンテナンスのずぼらさで、しっぺ返しが帰ってくる車です。
本文:古くなってくるとラジエーターなどの冷却効率が落ちてしまい、それが原因でエンジンオイルおよび冷却水の温度が高くなってしまう
純正ラジエーターでそんな現象、聞いたことねーよ。
たしかにラジエーターフィンの目詰まりや目潰れで冷却効率が落ちるのは理屈ではあってるけど、8の場合はラジエーターが口からかなり奥にある上、前にクーラーコンデンサがあって目詰まりや目潰れしにくい(逆にクーラーコンデンサから傷む)ので、現実起きねーよ。実際、正常に機能している前提で、新旧の純正ラジエーターで水温の差が出ませんし。
気をつけるべきは経年劣化によるラジエーター樹脂タンクのかしめからの水漏れだよ。効率低下や水温云々以前の問題だよ。もっとも、8やロータリーに限らず、どの車でもこの水漏れは発生しますけど。
・本文:負荷の高い状況はやはり厳しいので、年式が古くなってきたら車をいたわること
いや、
いたわる前にメンテナンスを推奨しようよ。車は生き物と違って勝手に直るわけでは無いですよ。
・本文:ゴムなどでできているアペックスシール
RX-8のアペックスシールは金属製で、ゴム製じゃないです。
というか、今も昔もゴム製アペックスシールってあったっけ? 初代ローターリー10Aのカーボン浸透や、ルマン優勝R26Bのセラミックは聞いたことありますが、ゴムっておい… アペックスシールは燃焼室シールなので、そこにゴムを使ったらどうなるか、たやすく想像できる気がしますが。
ローター中心部のオイルシールがゴム製Oリングなので、そちらと勘違いしている…のか?
・本文:アペックスシールの残り量をチェックしておく必要があり
…あの、アペックスの残量確認って、エンジン開けないと見れないんですけど…
エンジン開けずに見る方法があるのであれば、是非教えていただきたいです。
エンジン開けて、アペックスの残量あるから今回は確認だけで元に戻しときますね~、ってそんな非効率的な事をする車屋ってあるの?
・本文要約:エンジンオーバーホール費用は30万円ほど
30万円で出来るのはエンジン脱着と分解のみ。このブログがさんざん書いている肝心の
アペックスなどのシール交換をするのであれば、相場ではもう10万は必要です。30万かけてエンジン開けて、シールの残量(以下略)
・本文:クラッチ板はおよそ60,000km程度で交換時期が来る部品
今時そんな車NAで見たことねーよ。ターボ車と勘違いしてないかい? 純正や多少の改造状態で60,000kmで要交換であれば、よほど半クラッチを多用しているか、クラッチペダルに足を乗せながら走っているかなど、車よりも運転の仕方をなんとかした方が良いレベルだよ。
・本文:中古車で購入する際には当然のことながら年式と走行距離の少ない車を選ぶのが重要
個人的な見解としては、
中古でRX-8を選ぶときは、どれだけメンテナンスがされていたかが大事です。ディーラーメンテナンス車なら整備記録が残ってるはずなのでそれを確認、エンジンオイル補給口やオイルレベルゲージでオイル交換履歴を想像、エンジン本体や各箇所の汚れ具合を見て、どれだけ手がかけられていたか確認…
距離や年式よりも、前のユーザーがどれだけ車に愛情を注いでくれていたかのほうが、よっぽど大事です。
・本文:RX-8のような故障の多い車ではなおさらです
いままで28万キロ乗ってきましたが、
RX-8はそんなに故障する車では無いです。むしろ、スポーツカーとしての耐久性は高い方です。
こうやってあること無いことやレアケース事象が、尾鰭が付いて一人歩きしていくんだろうなーと残念に感じました。
実際に28万キロ乗って、さらに現在進行形で乗っている身として、
RX-8はそんなヤワな車じゃ無いことを経験しています。普通の車と同様メンテナンスさえしていれば、全然普通に使えて故障しません。
中古で手に入れやすい価格になってきたので、是非手に入れてみんなで遊ぼうぜ! だたし中古車は前オーナーに愛情を注がれた物を選びましょう。
ブログ一覧 | 日記
Posted at
2019/07/16 18:39:21