
車のブログで、車で無いネタで、しかも長いの。
仕事で使用しているサブPC(Core i7 3930K SandyBridge-E)、2017年にメインPCからサブへ異動になった後も、PCIe 40レーンを活かして足回りを強化したおかげで、仕事用としては不満無く使用していました。ところが、ここ1年ほどで少しずつ調子を崩していきました。
1. 温度とファン回転数表示が、あり得ない高い数値を出すようになった
2. オンボードサウンドを認識しなくなった
3. SATAデバイスを認識しなくなった
4. POSTで落ちるようになった
これらが、最初は1.だけ→1.2.→・・・と症状が増えていきました。しかも、それがランダムに時々出ます。
一度起動しきってしまえば問題は発生しないので実用は出来るのですが、仕事に使っているため少しのイライラも取り除きたいところですので、修理をすることにしました。
しかしこの症状、原因はおそらくマザーボードにあると推測されますが、X79のマザーボードは中古のタマが非常に少なく、しかも高い! SandyBridge-Eは当時としては性能が非常に良かった上に現在でも第一線で活躍できるので、手放す人が少ないのでしょう。下手すれば、現行機種のマザー並に高いのです。
なら、修理する手段はただ一つ、現行機種を導入するのみ。
準備したのは、Intel Core i9 7980XE Extreme Edition Skylake-X。既に9980XEが登場した後のため、某店にて最後の在庫が20万切りだったため購入。しかし、こんなに高いCPUを買ったのは初めてだ・・・
こいつをメインPCにぶち込み、Premiere Elementsをさらに快適にしてもらいます。
そして捻出されたCPUと・・・
出張帰りに秋葉に立ち寄って購入した、残りの必要部品を使って、いざ組み立て。
CPUは、メインマシンから捻出したIntel Core i9 7900X Skylake-X。
登場時はいろいろ言われていましたが、間違いなく性能は一級品。
マザーはAsrock X299 Taichi XE。初期X299マザーの、電源周りに変更を加えたマイナーチェンジ品。非常に状態の良い、というか、たぶん1度通電しただけ(おそらく、レビュワーがレビューに使っただけ)という中古が特価で売られていたのでこれにしました。実はAsrockの単品マザーボードを買うのは、これが初めてだったりします(ベアボーンは使ったことがあります)。
メモリはADATA DDR4 2666MB 4GBx4枚。仕事では16GBもあれば十分なので、値段でこれにしました。
残りの部品は旧サブマシンからの流用です。
インテルのシステムで、メモリを定格速度で動かすのであれば、よほどのことが無い限り相性は出ないはず。そうタカをくくって一気に全てをくみ上げ、電源ON・・・
POSTコード53でストップ・・・起動せず・・・
なんと、メモリが原因ですか。メモリを1枚にして起動したのですが、症状は同じ。まさか相性?と思い、検証のために購入したATADAをメインマシンに入れてみたのですが、なんと同じくPOSTコード53でストップ。これは相性では無いな・・・
調査のためにQVL(メモリの動作確認一覧表)を見たところ、なんと載っていない! このメモリは8Gbit×4チップ=4GBとなっているのですが、どうやらメモリ4チップで動作するCPUが今の時代は少ないらしく、Skylake-Xも当然8チップ以上を想定しているようです。つまり、相性では無く動作保証外・・・orz つまり、このパソコンを完成させるには、メモリを買い直すか、メインマシンのメモリを2枚引っ張ってきて、メインもサブも4chメモリアクセスを捨てるしかありません。性能を落とすのはもっての外ですが、もう結構お金使っちゃったよ・・・
仕方が無いので、現状で手に入る安メモリ、panram DDR4 2666MB 8GBx4枚を仕方なく購入。panramのメモリチップは各チップベンダーのチャンポンなのでとてもじゃないけど高品質とは言えませんが、残りの予算ではこれが限界でした。とりあえずのところ動いてくれればOKです。
これで電源投入・・・動きました。
あとはOSと必要ソフトをインスコして、(やりたくないけど)ガンガン仕事をするのみ。もはや不調知らずというのもありますが、やっぱり最新のシステムは快適で、仕事がはかどるはかどる・・・
・・・かと思いきや、CPUの温度が異常に高いんですけど・・・
アイドルで50℃、フルロード時で95℃と、ここ最近のCPUではなかなか見かけない温度になっていました。これでもサーマルスロットリングはギリギリでかかっていないのですが、余り精神衛生上良くありません。
おそらく原因はこいつでしょう。
CPUクーラーは、Core i7 3930Kから持ち越した(LGA2011とLGA2066はCPUクーラーは物理互換)、サイズの侍ZZリビジョンB。トップフローで割と冷え、おまけに安いと言うことで使っていましたが、Skylake-Xの熱では若干の力不足なようです。
そもそも、このCPUクーラーの取り付け金具が、X299 Taichi XEの場合ではメモリスロットと干渉してしまいます。ちなみにクーラーを90°回転させると、金具がVRMクーラーと干渉して取り付けできません。このメモリスロットを現在使用する予定は無いのですが、モヤモヤすることには変わりません。
とりあえずこの状態で1ヶ月使い続け、予算が出来たところでクーラーを交換することにしました。
準備したのはNoctua NH-D9L。7000円もしたよ。高いよNoctua。
サブマシンのケースは、CoolerMaster Elite361という、フルサイズATX用では最小クラスとなるため、CPUクーラーに使える高さが限られてしまいます。その中でもよく冷えるLGA2066用を・・・ということで、3Uサーバーラック対応で、その中でサーバーCPUを十分冷やせるというこいつに決めました。
元のクーラーと並べてみましたが、ファンサイズ、クーラーサイズ、重量にそれほど差がありません。違うのは冷却フィンピッチのみ。これでどれだけ冷却性能に差が出るのか・・・
いざ組み込み。メモリスロットとの干渉は全くありません。
肝心の高さも、ご覧の通りケースからはみ出ることはありません。
この状態で使ってみたところ、アイドルで45℃、フルロード時でも70℃とかなり温度を下げることが出来ました。しかもそれでいて元のクーラーよりも格段に静かです。さすがNoctua、高いだけあります。
昔はよく冷えるCPUクーラーは、今にも離陸しそうな轟音をとどろかせ強引に冷やすというのが普通で、それに嫌気がさして簡易水冷が登場してからはずっとそちらを使っていました(今のメインマシンも簡易水冷)。しばらく空冷を使っていないうちに、相当進化していたのだと感じました。
これでようやくサブマシンの完成です。しかしNoctua、そのサイズもさることながら独特のUNK色が目立つな~
小さいケースなのでかなり窮屈ですが、これでもまともにハイエンドデスクトップ(HEDT)を運用できています。そして、仕事柄CPU負荷の高い処理をすることがあるのですが、その作業が相当快適になり、効率向上を図ることが出来ました。
今回組み立てて面白かったのはAsrockのマザーボード。設定項目が細かく、それにたいする性能変化も敏感で、上手く設定してあげれば非常に良い性能を発揮します。しかしその反面、下手に設定すると安定性に欠けた動きを見せてくれます。しばらくASUSを使っていましたが、最近のASUSマザーは下手に設定しても不安定挙動を見せないように動きます。それと比べると、Asrockは良くも悪くも昔からの自作PCパーツの雰囲気を残してくれています。
最終的な構成は、次の通りとなりました。
CPU:Intel Core i9 7900X
マザー:Asrock X299 Taichi XE
メモリ:panram DDR4-2666ネイティブ 8GB×4
CPUクーラー:Noctua NH-D9L
グラフィック:ELSA GeForce GTX750Ti SP(旧マシンから流用)
SSD:Intel SSD750 400GB HHHL(旧マシンから流用)
サウンド:オンボード
電源:玄人志向 KRPW-PE700W/88+(旧マシンから流用)
ケース:CoolerMaster Elite361(旧マシンから流用)
そして、この間にちょこちょこいじっていたメインマシンはこうなりました。
CPU:Intel Core i9 7980XE Extreme Edition
マザー:ASUS PRIME X299-DELUXE
メモリ:Crucial Micron純正 DDR4-2666ネイティブ 8GB×4
CPUクーラー:CoolerMaster MasterLiquidPro 240
グラフィック:ELSA GeForce GTX1050Ti SP
SSD:Intel SSD750 1.2TB HHHL
サウンド:Onkyo SE-300PCIE
電源:Silverstone Strider Platinum ST85F-PT
ケース:Fractal Design Define R6 TG ブラック + Connect D1 + Flex VRC-25
以上、3週間も出ずっぱの出張をさせられた腹いせでした。