2017年11月19日
vs AT 7)変速操作
クラッチペダルが有るのはMTだけ。 ということで、その他の変速機(①AMT、DCT、②ステップAT、③CVT)つまりATではクラッチを操作するのは、車ということになる。
変速が手動に限られるのもMTだけ。 他の全ての変速機は、自動と手動が選択できる。
MTだけが、慣れの必要なクラッチ操作を、ギアの変速と連動しながら常に行う必要がある。 その手間に見合う価値が感じられ無ければ、MTを選択する道理は無い。
私はご飯は鍋で焚かず、炊飯器で炊いている。 自動は好きなんですよ、ホントは。
というわけでMTの変速にどんな価値を感じているかについて考察する。
まずMT vs自動変速状態のAT DCT/CVTに乗り慣れていないので、ステップATを対象にします。
1) スポーツモードへの切り替え → 山道やサーキットじゃないよ、街中で加速がしたい時。
◎(MT)時間も操作も不要。気持ちの切り替えと同時。
×(AT)スイッチ/パドルを操作して、飛ばし終わったら戻す必要がある。(勝手にもどるものもある)。
2) 前もってのシフトダウン → 追い越し、安全な割り込み、自車の後ろのスペースを空けるとき等。
◎(MT) ダブルクラッチでフオンフオン言わせる楽しみつきで可能。
×(AT) 不可能。 加速できるようになってからのキックダウンのみ。
3) 意図的なギアポジションキープ → 加速中一旦加速を止めて再加速する時、アクセル半開でエンジンの感触を楽しむ時。
◎(MT) 可能。 普通。
×(AT) 基本高いギアに変速される。
4) 暖加速 →普通に使うよね
○(MT) 緩ければ、ギアキープ。 少し強めとかこの先フル加速ならシフトダウン。
△(AT) ギアポジションキープや、シフトダウンしたりは車任せ。
5) 暖減速 → 普通に使うよね
○(MT) エンジンブレーキが効くので、ワンペダル運転も可能。 勿論、ブルクラッチでフオンフオン言わせてシフトダウンするのも良い。
△(AT) 基本エンジンブレーキが効かない。
6)一定速走行
○(MT) エンジンブレーキが効くので、アクセルだけで結構コントロール可能。
△(AT) ロックアップクラッチ切って、エンジンの回転数も下げて燃費運転。 加速側はロックアップし直しのタイムラグとショックあり。減速側は走行抵抗任せ。
一方MTにも弱点が
7) 思わぬ加速時 2~3車線で、左折レーンや直進レーン等間違ったレーンから、流れているレーンに移る時が典型的
×(MT)高いギアで。もたもた加速または、ジタバタシフトチェンジして入る。 結構危ない瞬間。
◎(AT)グイッとアクセル一踏み。
でもね、こうならないように何時も、回りを良く見て運転に集中することは、安全運転に大きな効果と思うぞ。
この価値に同意できる方 → 既にMT車をお持ちか、MT車予備軍です。
何のことか分からない方 → MT車は向かないかもしれません。
速度なんかアクセルとブレーキで調整すればいいじゃんと思う方 → ATがお奨めです。
一方、vsマニュアルモードのAT
手動でギアを選択すれば、ATでもMTの様な走りが出来るのでは?
死ぬまでポジションをキープするATや、レッドゾーンでシフトアップするATや、上限のギアを制限するだけのAT等、制御はいろいろあるわけだが、1)以外は影響少ないと思います。
1) スポーツモードへの切り替え 【解決】
2) 前もってのシフトダウン 【解決】
3) 意図的なギアポジションキープ 【解決】
4) 暖加速 【解決】
5) 暖減速 エンジンブレーキだけはMTが良く効くけど まぁ【解決】
6) 一定速走行 ロックアップクラッチってやっぱり切られるんあろうなぁ まぁ【解決】
7) 思わぬ加速時 とりあえずオーバーレブはしないし、踏むだけ 【もともとATの良い所】
全部解決じゃん。
おまけに、シフトチェンジはクラッチ踏んでシフトノブを操作することを思うとパドルが有ったりすると明らかに簡単。
DCTに至っては、トルコンATの様なシフト遅れは無い。
さらにAT任せのずぼら運転も標準装備。
マニュアルモードのATでいいじゃんって思いますよね。
駄目なのよ。 なぜか?
i)ずぼら運転モード(自動変速モード)の存在
一切手の抜けないMTに対して、ずぼら運転モードが共存するAT。
自動変速モードが無い、DCTなら話は別かも。
MTサイコーって高らかに歌い上げているが、仕方なく変速していることが大半。 暖加速とか速度を落とさせられた再加速とか。
だから、変な割り込みとか、高速道で遠くから追いついた時に追い越し車線に蓋されたとか、ぶつぶつ言ってるわけで。
で、AT車に乗ると、ATが優れている時には、積極的に自動モードをセレクトしてしまう。
悲しいかな、良いものがあれば使いこなしたくなる。
そうなると、マニュアルモードを選択するひと手間が必要になってしまう。
ii)飛ばしシフトが出来ない
6MTでは普段の運転は多くが飛ばしシフト。 街中の加速で3→6とか、減速で6→4→2とか。
シフトポジションが分からずに、カチャカチャ変速しちゃう。 歳で視点移動や近くの小さい数字見るのは勘弁して欲しい。
タコメーターは針の傾きで判断できるから、視認性は良いのだ。
で、エンジンの回転数上限下限の保護のため、ピピピとギアチェンジを拒まれると、もう何速か分からない。
一旦自動モードにしてリセット。 何やってんだか?
iii)何速か分からない。
慣れないことが一番問題。 慣れると解決するか?
MTは、シフトポジションが手で分かる。 操作するので頭に残る。 アクセル踏むと何速か分かる。
ATは、操作が単純(悪いことではないが) シフトの上下。 何速か頭に残らない。
アクセル踏んでもずるずる、ボワーで何速か分からないんだな。
ちらちらインジケータ見て、頭でギアポジションを認識。 時間もかかるし、よそ見は危ない。
シフトポジションをしばしば確認するのは、運転のリズムが狂って煩わしくなるんだな。
ただし、これは慣れでかなり解決すると思う。
iv)ATはシフトアップのことしか考えられない。
これ、結論かなぁ。
仕事のチーム5人のAT車の運転を見ていて思ったこと。
1名変態を除いて、シフトアップをマニュアルモードでやらない。 全員、高速道路で、料金所とか、急カーブや、急こう配等の難所のシフトダウンはマニュアルモードを使う。
シフトアップ~巡航は自動変速は使うに足りる。 及第点なのだ。
マニュアルモードを使わねばならない(=ATの欠点)ところはシフトダウンに集中する。
ブレーキを踏むとすかさず、ロックアップを外して6速にシフトアップ。 再加速するのに4速に落とすまで結構アクセルを踏み込まないとキックダウンしてくれない。
マニュアルのコーナリング前のシフトダウンよろしく、スムーズな立ち上がりに備えてシフトダウンはしておきたい。
自然と皆、申し合わせたように難所ではマニュアルモードでシフトダウンする。 走りやすいんでしょうねぇ。
トヨタの6ATはスポーツモードにすると(Dレンジから右に引いて、前後でシフトチェンジ)4速固定。
ベンツは今のポジションから2速下がる印象。
トヨタは入念な市場調査の結果、高速道路でしか使われないと判断し、決めたのであろう。
マニュアル変態は街中でもマニュアルモードに入れて、何で4速なんだーとなるが、確信を持っての採用ね。
ベンツの方は街でも使えるが、C200セダンで交差点で2速に落として、ハーフアクセルでモアーって加速しても嬉しくないのは御愛嬌。
加速側はアクセルペダルで何とか出来るのね。 アクセルの入力=加速の要求量と考え、ギアポジションとスロットルの開度と燃料の噴射量を制御して車速をコントロールするのは、結構辻褄合う。
山道行ったら、2速固定で、2,3速行ったり来たりをATに任せておいて、ハンドル操作、アクセル/ブレーキ操作に集中すれば、「しまった、シフトアップが早すぎた」で失速するMTよりも、速く走れる。 コーナリング前に何速に落とすか判断して、実行する思考と工数は莫迦にならない。 エンジンの良いとこ引き出すように考えて走る>車にシフトチェンジを委ねて速く走る 、と思えなければMTは選択し無いでしょうねぇ。
3速飛ばしのキックダウン辺りは、出来りゃいいんだろ的にATは詰めていないが、そんなので変速機内のあちこちの容量揚げてもコストはかかるし、重くなる上、結局使わないので望むべくも無い。
問題なのは減速側。 現状エンジンの動力を切って、ブレーキ頼み。 止まる時はそれで良いんだけど、再加速の時もたもたするのは先述したとおり。 AT乗りは減速はブレーキ踏んで、再加速はブアーと、トルコンかき回してと、もはや自然に体に刷り込まれているのでしょうなぁ。
HVが回生ブレーキと協調制御出来るんだから、ブレーキ量=減速の要求量と考え、エンジンブレーキと強調制御すると、ブリッピングの甲斐もあると言うもの、コーナーに入る時にはなんと低いギアが選択されているではないか。 あかんか?
難しいのは、アクセルオフ時。 惰行したいのか、弱いながらエンジンブレーキを効かせたいのか?
スポーツモードやブレーキモードなどでエンジンブレーキの効きを選択させる車もあるが、街中のいろいろなシチュエーションで、どちらも同じくらい使う。
MTならアクセルオフでも、6速で惰行~2速でエンジンブレーキを自分でギアを選べる。 当然その先を何速で立ち上がりたいのかまで考えた上で選択できる。
こんなことばかり考えて運転するのでMTしか考えられない。
偏り過ぎて、参考になりませんね。
以下シフトチェンジとは関係なくなってしまうが、手が止まらん。
v)ダイレクト感の無さ
くっとアクセルを踏んだ時にヌルリ。
ガバッと踏んでも、しばらくしてからパワーがモワー。
指令を出してもしばらくしてからもっさりギアチェンジ。
おまけにシフトダウンしてもエンジンブレーキは利かない。
暖加速以外はトランスミッションの都合で、シフトチェンジの度に「ギアチェンジまで少々お待ち下さい」、「ちょっとアクセル制御を占有させていただきます」は、いかがなものか?
自分がわざわざシフトチェンジする見返りが無い。
vi)エンジン
高回転まで回す価値の無いエンジン。
パワーを喰う変速機。
静かに、燃費良く走るために低速にしつけられたエンジン。
自分がわざわざシフトチェンジする見返りが無い。
回るエンジンを積んだAT車(B8/RS4やAMG等)は相当しないが。
vii)車と腹を割って対話しながら運転できない。
車側の制限/演出が多すぎ。 真剣味に欠ける。
パドルだけで、ダブルクラッチ風な音がする(DCTなんて一つ下のギアが前もって連結されてるんだから必要無いはずだが)ところが、悪い冗談。 わざわざエンジン大げさに吹かさなくてもぴったり回転数合わせられるくせに。 燃料無駄吹きだぞ。
上手く決まらないとスムーズに繋がらないのがダブルクラッチによるシフトダウンです。
やらなくてもゆっくりシフト操作すれば良いんだけど、少しでも車に良かれと人間が骨身を削る。
人間は治るから良いんだ。 機械は消耗するからね。 自己満足ですが。
あとがき
知り合いはMTモードを習得していて、会社のATを状況に応じて、パチパチMTモードで運転している。
そうなれば、問題無いんでしょう。
ただ、私は慣れる気になれん。
私がMTで重視しているのは、運転手の判断を即座に100%シフトポジション、エンジンの出力に反映できること。
2速、3速はエンジンブレーキが効いてワンペダル運転も選択出来ること。
自分のミスは潔く諦める。
そして大事なのは、エンジンはキンキンに回らないとだめ。
回すっていても、何時も8250rpmまで回すわけではない。
2速@5000rpm=67km/h まで、ゆるりと加速するのでもドラマチックなのである。
そもそもATは機構にダンパーだらけのゆるゆる。
エンジンのクランクシャフトの先には、フライホイール、クラッチ、変速機、(前後への動力分配機/センターデフ=4WDのみ)、プロペラシャフト(FR,4WDのみ)、デフ、ドライブシャフト、ハブ、タイヤを引き回す。
この回転モーメントと摩擦を克服した上で、車を加速する力を出している。
変速機で1割ロスがあると人間は気が付くんですよ(たぶん、自信なし)。
ちなみに、径の大きいタイヤは、駆動系の回転モーメントに結構影響します。
インチアップしてホイールを重くして、トレッド部分の幅を広げて一番径の大きい所を重くして、マフラー交換してる車を見かけると、「それで、ちゃらやで」と思ってしまうのは蛇足です。
BMWも幅の狭いノーマルタイヤにインチダウンすると、それは軽やかになると思うんですけど。
ランフラットは仕方ないとして、318iMスポーツなどは、前225/45R18 後255/40R18履いてるけど、205/60R16当たりで、気持ちよく走りたいものです。 見た目と限界コーナリング以外はすべて良くなると言っていいでしょう。 まぁ、見た目大切か。
話がシフトチェンジ以外にも発散したが、ATはとにかくエンジンとの対話にマイナスばっかり。
ATは楽なんだけど楽しくない。
支離滅裂のまま つづく
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5番勝負 | 日記
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2017/11/19 14:01:37
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