さて、いよいよ最終章に入る。
下表は、駆動方式ごとのフロント/リアの荷重比率。
0.5Gの制駆動で10%が動く体で、書いてます。
一般論ね。
基本はFR。 35年前、スターレットはFRであった。
今のVitzな、いやヤリスになったね。
その後小型車を中心にFFへ移行。
AE86はカローラシリーズがFFに切り替わる際に取り残されたのが功を奏した。
最後の小型FRクーペが大当たりしたのだが、合理化のため小型FRのラインを整理。
FRで残して欲しいという世間の陳情をコストダウンのために、容赦なくFFに切り替えてレビン/トレノを滅ぼしておいて、スバルの車をAE86と言ってのける、会社の節操のなさは軽蔑する。
閑話休題。
ドライブシャフトが要らないことや、エンジンを横置きにして変速機とコンパクトにまとめて、ボンネットを短くするなどして、居住性を大幅に向上できることから今の小型車~中型車はFFが主流。
一方で悪路走破用に4WDが開発され、オンロード4WDとして、スバル/アウディが細々と売っていたが、近年車のハイパワー化に伴いFF/FRのスポーティーカーが採用し始めている。
RRはFFの逆。 リア駆動の良い所や、操舵輪にドライブシャフトが無いことから操舵フィーリングも良くし易く、リアトランクを削り、フロントにトランクを設けるが、使いにくく実用車では三菱iとかホンダのZ位、スポーツカーではポルシェ911位と採用例が少ない。
MRはレーシングカーの取るレイアウト。 ポルシェ以外のスポーツカーは皆さんMRを採用。 ポルシェもRRでは敵わんとMRのスポーツカーを出す。
911はスポーツカーでは無くthe 911ですな。
MRの良いところは、リアヘビーになるものの、回転モーメントの小ささが魅力。
小さな力でヨーを出し入れできる。
コーナリング中:
とはいっても、普通に走れない車は無いので、結構頑張ってる位のコーナリングでの話と理解ください。
FRの50/50が素性が良い。4輪が効率良く使えており、荷重変化や、操舵、加減速の余力がある。
50/50に近い順で言うと、FR/MR/4WD/RR/FF。
FFのバックの状態がRRに相当する。 良く解らんが(笑)。
FFと4WDはフロントが重いのでフロントを動かすのに大きな力が要る。 リアが軽いので、リアタイヤは力が出難い。
ハンドルを切りフロントの横力を大きく出したり、ブレーキングなどでリア荷重が抜けて横力が減ると、スピンモードに入る。
タックインは後者を上手に使って車の向きを変える技。 下手するとスピンの危険あり。
雨の阪奈の下りで、AW11とCR-Xがスピンしまくりなのは、関西地方に伝わる都市伝説。
スポーツカーで限界を高くすると、力の出しにくいリアからブレイクするので、素人にはお手上げ。
オーバースピードでコーナーに入って、びびってブレーキ踏むとスピンします。
MRは重量物が重心付近に在り、回転モーメントが小さいのが魅力。
F1が採用する。
小さな力で車の向きを変えられるので、コーナリングの自由度が高い。
調子に乗ってスピードを出すと、限界付近でリアがブレークする次元が高いので車速が速く、
素人は手に負えない。
RRはフロントが軽いので向きを変えやすい。 向きが変わればリアが重いので力は出る。 いいじゃん。
一方限界を高くして、リアがブレークするのは、車速が速いか、Gが高い時か。
でリアは重いので滑ったリアを止めるのが難しい。
過去、ポルシェ911が漢の車と言われた所以である。
今の911は、車体を大きくしてタイヤを4隅に配置してトラクション/安定性を稼ぎ、電子制御で破綻を防ぎ、車文化の浅い中国人でも扱えるように誂えてある。
日本の軽のハイトワゴンの方がよっぽど手強い(笑)。
RWDの車はリアが軽いので限界時の立て直しが簡単。 小さい力で止められる。
勿論、限界超えるとどうにもならんが、限界までは運転手がコントロールできる。
タイヤの力は、加減速方向、横力方向で合わせて限界がある。
そこで、リアタイヤが結構横力が出ている時に、加速すると加速力に喰われて、横力が減るのである。
するとリアの横力が減って車がスピンモードに入り内を向く。
それに合わせて、フロントの横力を減らしてやる(ハンドルを戻す)。すると車のヨーが止まる。
車は外に孕んで行くので、その前にコーナーのアペックスを鼻先で舐めておかないと、イイ感じで立ち上がれません。
ハンドルとアクセルを上手くコントロールすれば、頭Dみたいにアクセル踏みっぱなしで、コーナー立ち上がれるのである。
雪道のクローズドコースなら私でも出来た。 LS460で40km/hくらいで(笑)。
ドライの一般道では、速度高いんで、怖くてできません。
勿論、グリップ走行が一番速いそうです。
ドーンと突っ込んで、グイって一気に車の向きを変えて、スライドしない範囲でアクセル踏んで、真っ直ぐになったらアクセル全開。
エンジンのパワーあって、太いタイヤと良いブレーキを付ければ速く走れる。
速く走る主義の方は、そちらの方向に進めば良い。
個人的には、ドリフトまで行かないスライド走行したいです。
タイヤから白煙出ないで、ぬるぬるリアがアウトコースに孕むやつ。
で、FRで怖いのは、アクセル踏み過ぎて、コーナリング中にタイヤが空回りすること。
タイヤの力が6割ほどに減ってしまうのは、ESP丸坊主のFFのMT車に乗ってる方は良くご存じのはず。
FRのリアタイヤが空回りするとリアのグリップが急に減って、スピンしてしまう。
ので、ハイパワーのRWD車は、腕が無いと乗りこなせない。
BMWは、腕がある人向けに、ある程度スリップを許容している。
メーカーとユーザーに不文律がある。
最近はそうでもないのか? M3に乗ったこと無いけど。
日本で、腕が無い奴がハイパワーのFRに乗ると、
こうなる。
コーナリング中にパワーを掛け過ぎて、タイヤを空転させると素人は立て直せない。
ので、日本のRWD車(某クラ○ン)は、コーナリング中は手厚く、限界の遥か手前から、エンジンと各輪のブレーキとデフがCPUの支配下に置かれる。
ハイパワーを解放するなら、ストレートとでと言うことになる。
で、ハイパワーを使って速く走るために、GT-Rは4WD。
GT-RはR32以来乗ったこと無いので、B7/RS4で代用。
機械的なトラクションのキャパシティーが半端無い。420psの4WDは210psの2WDと同じ。
ゴルフ6のGTI並み。 とてもじゃないけどタイヤ空転させられません。
B7/RS4は普段はパワーの配分リア寄りで、リアが苦しくなるとフロントに移す。
この辺は、CPUの支配下に置かれとるやないかという意見もあるでしょう。
実は機械仕掛けなんですけど、何にしても運転手が何かするわけではない。
ほんでも、とにかくトラクションが高いので、残念ながらESP(VSC)が働かない。
すなわち、アクセルとブレーキは車に渡していない。(正しくは渡せていない(涙))
うちのトルセンデフは、田舎道で1輪浮かした1回だけデフロック。
それ以外でデフロックさせたことありません。
というわけで、次回加速編につづくのでした。