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かじはら(父)のブログ一覧

2012年11月30日 イイね!

エンスト付近で得られる”旨み”をご存知ですか?

エンスト付近で得られる”旨み”をご存知ですか?先日から、暇な時を見つけては動画にコメ付けたりいろいろ遊んでいたのですが、たまたま見かけたクラックマンの動画を見て思いついたことがあるので、記事にしてみたいと思います。


まず、これは昔、僕自身が書いた記事で、タイトルが「エンジンを粘らせることへのこだわり」というものです。



「エンジンを粘らせる」ことへのこだわり


日付が2003年9月なので今から約9年前の記事なのですが、丁度この当時から今みたいなクロカンスタイルになっていったということがわかりますね。

(ちなみに”エンジン 粘らせる”というキーワードで検索したらこのページが1位で表示された)


で、この記事を何気に読み返してみると、10年前の当時でこれら6つのことに気が付いていたと書いてあった。

①基本的に「スピードを落とす」ということは慣性の法則が使えなくなるので「単純に走破する」 という点では不利になるが、タイヤから伝わるトラクションやグリップ感が今まで以上に長い間、 しっかりと感じれる様になった。

②「ゆっくり動く」ということはその分、長い間、しっかりラインを読んだり、地形から伝わる 情報を処理する時間が増える。また、ラインを補正出来る時間も自然と長くなる。

③「トラクションはタイヤが空転する直前に最も得られる」というが、タイヤをゆっくり廻した時に しか得られないトラクションがある、またこれが使える瞬間は多い。それまで以上にゆっくりと タイヤを廻せれるようになるということは、トラクションを最大限度得た状態を長時間続けることが 出来るようになるということである。(ちなみにタイヤを廻す速度は2~3秒でタイヤ1回転くらい のスピード)

④タイヤのグリップを使い切って曲がる場合も、最大限のグリップ力はクルマの移動速度を限界まで 落とさないと得られない場合が多い。

⑤クルマの移動速度を落とすので、クルマの駆動系、操舵系、ボディなどへのダメージを最小限度に 抑えることが出来る。

⑥それまでなんてことなく走破出来てしまっていた場所でも、「わざわざ走破し難いライン」などを 選びやすいので、いく通りもの楽しみ方が出来るようになる。



この当時、タイヤをゆっくり廻す基準を2~3秒でタイヤ一回転と言っているが、今は2~3秒でタイヤのブロック1個分を廻すって感じかな?


・・・だが、それ以外にも今はもうひとつ、かなり重要な点でメリットがあるということに気がついてきました。

それは、

⑦エンジン回転を極限まで下げ、エンスト寸前になった時に発生する「ガタガタガタ!」という揺れが駆動系からタイヤに伝わり、カクカクとコマ送りみたいに極めてゆっくりとタイヤを回転させることで得られる独特なグリップがある。

ということに気がついた点ですね。

「何それ?」って思うかもしれないので、実演している動画を用意してみましたのでちょっと見てやってください。(編集しているので短めになってます)



※音が小さいかもしれませんので、イヤホンをつけるとか、音量を調節してみてください。


以前は「単純に極限までゆっくりタイヤを廻せばいいだろう」と思っていたのですが、「どうも違うな」と思い始めたのは今から5年ほど前。

キッカケはいつものようにクロカンしてて、エンジンを粘らせてクローリングする練習をしていたところ、斜面に斜めに張り付いてエンジンを粘らせたら、粘ってエンジンが派手に「ガタガタガタ!」と脈動した途端にグリップがなくなり、斜面を横滑りしたことでした。

試しに、今度はそこまで派手に粘らせずに、いつも程度でほどよく粘らせて「ドド・ド・ドドドド・ドド・・」程度に粘らせてやると、タイヤのブロックが斜面にほどよく食い込んでグリップしてくれたり、タイヤの空転がほどよく抑えられて絶妙な感じで前進しました。

それまでは単純に「エンジンを限界付近まで粘らせればいいんだ」と思っていたのでちょっと驚きましたね。

つまり、エンジンを粘らせるにもいくつか段階があって、極限まで粘らせるのと、ちょっとだけ粘らせるのとでは結構大きな違いが出てくるというわけだ。



ちなみに、今履いているスワンパーは、僕の車の減速比では限界に近いほどタイヤの直径が大きいってこともあり、いとも簡単に限界まで粘らせることが出来るのだが、このタイヤは突起物が多いからか、粘りに粘らせ、タイヤを積極的にカクカク動かした方が最大のグリップ力やトラクションが得られることが多い。

タイヤの性格によってもちょっと違いがあるんだねぇ~と。


よくトライアルに出ている人がわざと斜面に斜めに張り付いた時などにラフなアクセルワークをして、フロントを谷方向に流してタイトターンすることがあるが、今回の技はそれともちょっと違う。

タイヤに瞬間的に不規則な駆動力をかけて、一時的にグリップ力をなくすことに違いはないのだが、挙動が極めて穏やかだったり、微調整が効き易いので、例えばタイヤを真横にズラして穴にわざと落としていくような使い方をする際に、前後の揺り返しと同時にこの技を併用するとかなり安定した姿勢を維持したまま車を安全に降ろす(滑り落とす)ことも可能だ。


以前からよく、「タイヤのブロック1個分を出し入れするような精密な操作」って言うことがあるが、これなどは正にそのような操作に当る。


ドアが付いている車の場合、自分の車のタイヤが地面に接触している処を肉眼で観察することは難しいかもしれないが、出来れば一度はドアを開けっ放しでも何でもいいので、自分の車のタイヤのブロックがどんな感じで地面に接触していて、どのような操作でどのような食い込み方をしているか、回したときどのような引っかき方をしているか、などを観察してみてもいいんじゃないか?と思う。

(※危険な行為を勧めているというわけではありません)

ビデオで撮って後から確認してみるでもいいのだが、やはりリアルタイムで直接肉眼で確認してみると、驚くようなタイヤと路面の状況を確認出来るだろう。

僕も最初にドアを取り外して、自分の肉眼でタイヤと路面が実際に接触している処を見て驚いたものだ。

自分が予想していたタイヤの動きではなかったからだ。


タイヤのブロック1個分を大事に使い切るクロカンをする、という意味でもエンジン回転を極限まで粘らせるクローリングを練習してみたり、練習方法そのものに工夫をしてもいいんじゃないだろうかと思います。



Posted at 2012/11/30 09:00:09 | コメント(1) | トラックバック(0) | クロカンテクニック | クルマ
2012年11月29日 イイね!

サファリY61【Safari Y61】てっちゃんスペシャル

サファリY61【Safari Y61】てっちゃんスペシャル今回の「飽きるまでクロカンしようぜ走行会」の言いだしっぺは、うちのJr.と大阪のてっちゃんという17歳トリオだったので、今回は僕が撮っておいた動画の中から、その言いだしっぺのひとりのてっちゃんの動画をネタにブログを書いてみようと思います。

まず、僕が知っている範囲で、Y61についてご説明しておきたいと思います。

車のオーナーはもちろん彼ではなく、お父様のY田さん。

このY61はロングの4枚ドアで4.2リッターターボ、つまりTD42-Tになるのかな?

前後デフロック装着、AT、タイヤは35吋のBSのマッテレ(新型)だったかな?

脚回りは少しイジってますが、同型車種の中では比較的大人しい改造ですね。

(↑もし、間違った情報があったらご指摘ください)



こちらは、スポーツランド岡山のBセクと呼んでいるポイント。

直前にうちのJr.がハマって大人たちの酒の肴にされたポイントです(笑)



僕も翌日、ハメているので偉そうなことは言えませんが、直前にジープは絶妙なグリップ走行で通過(ということにしておいてやろう)。



ディフェンダー110(ワンテン)も一発通過しております。



ま、ハマることは悪いことじゃないので、いろんなラインやオープンデフのままとか、Fデフロックのみとかを今のうちにいろいろと試してみればいいんじゃないかと思いますね。



今回は、かじはらJr.が先行で、てっちゃんが後追いというトレインがメインみたいなので、うちのJr.の走りからご紹介します。



動画の中の字幕でも言っていることなのですが、これらの技の究極の完成形は、「どれだけ地味に技などを使っていないかのように見せかけるように出来るようになる」ことだと思っています。

後追いは てっちゃんです。



贅沢を言えば、もう一段階、微調整が可能かもしれませんが(1分前後の調整)、あの歳であれだけ繊細な操作が出来ればホント、上出来ですね。

あと、細かい処を言うと、タイヤの空転をアクセルオフで抑えるだけで車が前進するようなポイントがあったりします。

つまり、アクセルを緩めたら車が逆に前進するということなのですが、本当に微妙な車の操作やタイヤの空転やハンドルなどから伝わってくる転がり抵抗などを察知するセンサーを磨くと、よりクロカンに幅が出てくると思います。






こちらは、三股ヒルクを攻めている処ですが、僕の車では100%不可なラインをスルッと登ってきました(汗)







沼の処で2台仲良く遊んでますが、極力どちらかが走ったラインをトレースしてみたり、前後を交替しながら走ったりすると上達が早いと思います。



こちらは直前にユンボで耕して、高低差が出来て面白くなったモーグル地帯。



運転席側にはサイドシルガードみたいなものがないので、サイドシルを潰さないように丁寧なライン取りで攻めています。

大きいコブ(小山)の斜面の狙ったラインにタイヤを通すときのコツがあるのですが、

斜面に対して斜めにタイヤを引っ掛けて登らせようとするとどうしてもプッシングアンダー(?)が出て、タイヤがズレ落ちやすくなります。

そこで、これはトライアルなどでもよく使うライン取りというかテクニックなのですが、一旦、タイヤを真っ直ぐコブの頂上に登らせておいて、タイヤが斜面を下る重力の力を使って、グルッとコブの向こう側に車を滑り込ませていく走り方があります。

ただし、速度調整を誤るとカンタンにコロッと逝っちゃったりすることがあるので注意が必要なのですが、極めてよく使う手なので覚えておいてもいいかもしれませんよ。

今回で言うと、わざと厚めのライン取りしておいて、ラフな操作でタイヤを左にズラせることで、狙ったラインにフロントタイヤをもってくる・・という感じでしょうか。

僕ももう随分前、同じ某サファリ乗りの親分から教わったので、ぜひ参考にしてみてください。








上手く、コブ2つを又越すラインに乗せ、通過していきました。





最後にDセク。



次回はぜひ、この半分以下のスピードで、ジグザグに攻めてみてください(^^

Posted at 2012/11/29 16:14:46 | コメント(1) | トラックバック(0) | クルマ
2012年11月29日 イイね!

ディフェンダー110 【Defender110】って走る車なんですね

ディフェンダー110 【Defender110】って走る車なんですね「ランドローバー」と聞くと、僕の場合は以前、TAMADAのチャレンジカップに出ていた頃によくご一緒していたディスコや、兵庫県の某所でよくご一緒していたディスコなどを思い出します。

これが岡山ではどう?ってなると、以前も今も、ランドローバーの生息率は極めて少なく(汗)、うちの近所に1台、ディフェンダーの110がいるのですがオフを走っている形跡は全くなく、最近まで「本当にクロカンで使える車なの?!」っていうのが正直な感想でした。


ですが、みんカラを復活させて約半年が経ち、ディフェンダーに乗られている方とも数名お友達にならせていただいたのですが、その中で大阪のやしこばさんがご自身のYouTubeの動画チャンネルを持たれていて、その動画を見させていただくと、出てくる、出てくる、クロカンの現場で”生息”している純粋クロカン種が(笑)。

ちなみにコチラがやしこばさんの動画チャンネルです。

yashikobaDEFENDER110のチャンネル



特にオススメはこちらの再生リスト

201209_早川_EXPERTコース

ちょっと見て驚いてしまいました。

まぁ、出てくる、出てくる現役でバリバリクロカンしているディフェンダーが(笑)



■前後リーフのランクル乗りのひがみ(汗)

以前よく、中国地方近辺で見かけていたランドローバーは走るたびにアチコチ壊していたので、「C●V誌で持ち上げてたけど実際は、走るたびに壊れる車なんじゃないの?」と正直思っていたのですが、2日にわたってディフェンダー110とご一緒に走らせてもらって、

「こりゃ、凄い車なんだな」ってのをあたらめて実感させてもらいました。

まぁ、頑丈さのみがウリのランクル70に乗ってますが、さすがにあれだけ走り回っていると、リーフが折れたり、シャックルやショックが折れたり、Uボルトがボキボキ折れまくったり、壊れないってわけじゃありません。

また、自分のはエンジンもOHCになっているのでタイミングベルトなんていう「貧弱部品」もあったりするので、軟弱化は進んでましたしネ。

まぁ、そういうわけで良い意味で今回はエエ経験をさせてもらったので、今回、僕が撮った110(ワンテン)の動画をご紹介したいと思います。





こちらは24日のスポーツランド岡山の三股ヒルクを攻めているところです。

当日は、直前に雨が降っていたということもあり、路面はかなりヌタヌタ。

僕からしてみれば、最高な路面状態です。

こうして後ろから見ていると、タイヤの外形が7.50サイズとそれほど大きくないということもあって、クローリング速度はかなり低いなぁという印象。





こちらはBセクを走っている様子です。

ちなみにこの日はここでJr.が撃沈、翌日、僕も撃沈(汗)してた場所です。

ここのように段差がある地形を走っている様子を外から見ているとよくわかるのですが、ディフェンダー110やサファリY61が「スルッ」と走れる処を、JEEPのJ55や僕のPZJ70は結構苦戦します。

こういうときは、サスの追従性や柔軟性、トラクションの違いってのがリーフとコイルでよく出てきますよね。

やしこばさんの車の場合は、極端に動くサスというわけじゃありませんが、その中では結構いい仕事しているようですね~。






やしこばさんの車の特徴として、ぶら下がっているサイドステップがあるのですが、ご本人が「あれを良いねと言ってくれる人はいないのだけど、真似する人は出てこない」と言われてました(笑)。

僕の「ドアを外した70でのクロカン」とよく似ているかも?(w

もっとも、最近は仙人さんがドアを外してクロカンされるようになったので僕の場合は誰もいないってわけじゃなくなりましたけどね。

脱線したので戻しますが、この車は300Tdiというグレードなのでてっきり、3リッターなのかと思っていたら、2.5リッターのディーゼルターボだとのこと。

数字と排気量は関係がなかったんですね。

最初は、「2.5リッターしかないけどトルクとか大丈夫なの?」と思ってましたが、程よい減速比や優秀な脚回りもあって、前後オープンでも十分過ぎるほど楽しくクローリング出来る車のようです。




高低差が大きくなった新モーグルで脚をヒネヒネしている様子。

リーフ車のギッコンバッタンで慣れている身からすると羨ましい限り(笑)。

また、例の宙釣りのサイドステップもいい仕事しています。





こちらはDセクのヒルクライムですが、正面から見ているのでハッキリとはわかりませんが、遅すぎるクローリングと、それ以降の再発進時の挙動を見ると、ブレーキチョーキングを使っているのかな??

いい感じで登ってこられました。





見た目とは裏腹に、不思議と苦労することが多いモンスターV字。

最初の数アタックでは苦戦してますが、フロントが乗った後はトラクションとホイルベースの長さを活かして一気に通過。

その後のヒルクも楽しく通過されてます(^^




今回、僕の方で撮りだめさせてもらった動画はこれだけですが、しばらく助手席でクロカンに同行もさせていただきましたし、ほんまエエ経験させていただきました。

また、今度は中間地点などでぜひお願いします。


あ、それから今回は来られなかった他のディフェンダー乗りさんもぜひ一度、スポーツランド岡山にお越しください。

今回は、Jr.とてっちゃんのクロカンがメインであまり僕はハンドルを握っておりませんでしたが、次回は先行させていただきますので、目の前で面白いラインを走らせていただきます(^O^)
Posted at 2012/11/29 03:22:08 | コメント(2) | トラックバック(0) | クルマ
2012年11月28日 イイね!

クロカンスペシャルなウインチングのアンカーテクニック

クロカンスペシャルなウインチングのアンカーテクニック今回はウインチングに必須の「アンカーテクニック」についてお話したいと思います。

「アンカーなんて適当でいいやろ?」って思う方もおられるかもしれませんが、ウインチングの成否はアンカーをどうやって取っているかで半分は決まっているといっても過言ではないんじゃないかと思っております。


これだけよくウインチを使っていると、いろんな方からよく「かじはらさんってウインチングって誰から教わったの?」って聞かれることがあります。

まぁ最初は、僕もウインチを搭載していませんでしたので、一緒に走りに行っていたLCCOのメンバー、特に最初のうちからウインチを搭載していたキリスト様とか、他の古株のメンバーが使っているのを見て、基礎的なことは目で見て学んだって感じだったのですが、

後にアイアンバールカップに出るようになった頃には、浜松の親分とか(笑)、「向こう岸の住人」と呼ばれていた方とよく遊ぶようになっていたので、そこでいろんなことを学ばせてもらったって事はありますね。


ただ、それももうかれこれ10年以上前の話なので、それ以降はひたすら自分流にアレコレと工夫して今に至っているっていう感じですので、かなりの点で自己流が入っているということはまずご理解ください。


それと、僕がこれから語る話は特に”本業”として重量物の牽引などをしている方からすると「邪道」と言われる方法も多く含まれているということは知っているのですが、まあ趣味の世界の話ですし、「クロカンスペシャル」程度の技ということでお許しください。


まず、「クロカンの現場」ではまともなアンカーが取れることが極めて少ないってことが多いです。

例えば、先日行った某所の廃道でも、斜面に張り付いた後で横方向に引こうとしたのだけど、崖の斜面に張り付くように生えていた数本の細い木に上手く荷重を分散するような形でアンカーに取らないといけないことがあったり、


先日の飽きるまでクロカンしようぜ走行会で単独でこっそりスタックしていた時も(笑)、斜面に張り付くように生えていた細い木3本に荷重が分散するような形でアンカーを取っていました。



これがその時の動画ですが、ここで一つ問題を出させていただきます。



この図が、アンカーに取っていた木の様子を真上から見たものなのですが、どうやってアンカーを取ったかわかりますか?

これらの木は、単品でアンカーにしたのではどれも細すぎてすぐ折れてしまうか、根こそぎ根元から地面からモゲてしまうかのどちらかです。

どうやってアンカーを取ったか、考えてみてください。



・・・


ちなみに、「アンカーになる木」というのは、ものすごく重要なものです。


四駆のコースの場合は、木を撤去すると逆に喜ばれる場合がありますが、廃道アタックなどの場合は、自然破壊と言われてもおかしくないので、僕は自車のリカバリーより、木の保護を重視すべきだと思っています。

また、今回のような四駆のコースでも、斜面に張り付くように生えている木というのはアンカーがかけやすいので非常に貴重な存在です。

だから、自分の都合や知識のなさで勝手にボキボキ折ってもらいたくないというのもあります。

そこで、特にウインチングなどで木をアンカーにする方の場合は、まず「クロカンとしては正しい」アンカーのテクニックを学ぶべきだと思っています。



さて、どうやってアンカーを取ったか、考えはまとまりましたか?


まず、考えられる手としては、こういうのを想像しませんでしたか?



これは、本当に多くの方がついやってしまう大きなミスですが、今回の場合は右端の木に過大な負荷が集中してしまいます。

特に真ん中の木などはほとんど荷重が掛かっていませんよね。

ただ、力のかかる向きとしては悪くないってことが言えると思います。

というのも、左端の木は崖に張り付いて生えているタイプなので、手前方向に大きな力が掛かるよりは、奥方向に力がかかるようにしてやった方が大きな荷重に耐えれるわけですから。




次の手としてはこんなロープのかけ方が想像できると思います。



真ん中の木の奥側にロープを通すとこんな感じで多少、荷重がかかる方向が変わります。

・・・ただ、真ん中の木にかかる荷重の向きは土がない方向に大きくかかってますし、相変わらず右端の木に大きな荷重がかかりすぎているのでこれも却下です。



次に考えられるのは、右端の木をチョークして、こんなロープの貼り方をする方法。



今回はたまたま、右端の木が一番ゴツそうに見えたので僕はこの方法でアンカーを取って脱出させました。



「チョーク」というのは、この図を見てもよくわかると思いますが、トウロープの端の輪っかの中にロープを通し、ロープを固定させる方法です。



・・・ただ、このチョークというのは特に免許をとっているような方からしてみると、邪道中の邪道な方法なので否定されることも珍しくありません。

なぜかというと、この方法で止めてしまうと、ロープの局所的に荷重がかかってしまうために、ロープの寿命が短くなってしまったり、不意に破断したりすると言われているからです。


また、この事については後ほど詳しく自分としての解釈などを説明しようと思っていますが、先ほどの続きではこのようなロープの取り回しも考えられます。



真ん中の木を軸に、一旦右端の木から左端の木に回すという方法ですね。

それぞれの木にかかる荷重や方向もほぼ問題ありません。

僕もこの時は、この方法でアンカーを取るか、先ほどの方法でアンカーを取るかすこし悩んだのですが、あの時は右端の木が一番しっかり生えているように見えたので、この方法は採りませんでした。


また、こんな方法も考えられますね。



左端の木を軸に、真ん中の木の下側を通し、右端の木をグルッと巻いて、また真ん中の木の下側と左端の木の上側を通すって方法です。

おそらくこれが正解かも?って気がするのですが、厳密に言うともう数種類の取り回しが考えられるので、本当の意味での正解というのは見つけにくいものですね。


まぁ、こんな感じでアンカーになる木をパッと見て、瞬間的にこれくらいのことは想像できないとクロカン上級者とはとても言えないと僕は思っています。

(そういう意味で僕もまだまだなのですが・・・)


僕の場合、自走で遊ぶ場合は完全に効率は無視で、同じ場所を納得いくまで行ったり来たりしてみたり、揺り返し使ってみたり、極端に移動速度やエンジン回転を遅くするようなクロカンをしているのですが、

牽引とかリカバリーとなると全く正反対に「効率」や「安全性」を最優先しています。


というのも、自走は多少ジタバタあがいてもそれほど時間はかかりませんが、レスキューとなると要領が悪かったり、道具が足りなかったりするとたちまち1時間とか2時間とかかかることが多いので、

最初から効率や最適化などを最優先で考えて無駄のない行動や戦略で動いておくほうがなにかと良い場合があると思っています。



■トウロープのチョーキングについて

先ほど、トウロープのチョーキングについて「これは専門家から言わせると邪道って言われることがある」と言いましたが、正直僕も邪道だと思って使用しています。

トウロープが痛む主な原因というのは、ロープとロープや、ロープと木の肌が摩擦して起こる損傷や、局所的にかかる負荷が原因だと言われていますが、このチョーキングという方法は、これらを誘発し易いからですね。

・・ただ、同じプロと呼ばれている業種の中でも荷造りなどでコッソリとチョーキングを使っている方も多く知っていますし(笑)、また、「トウロープは消耗品」だと割り切って、適当な処で適度に交換していくのであれば、特に運用で問題が起こるとは思っていません。



■アンカーになる木の保護について

今回の記事はどちらかというと、ロープの保護よりアンカーになる木の保護のために書いたわけですが、先ほども言ったようにアンカーになる木の保護を本気で考えるのであれば(例えば競技などで一日に何度も同じ木をアンカーにすることが想定される場合などは)、木に滑りやすいブルーシートなどを最初から巻いておくなどの処置をすべきだと思いますね。



■クロカンスペシャルなウインチングのアンカーテクニックとは?

僕の場合、本職として牽引をしている場合の人と、クロカンでのウインチングの最も大きな違いとしては、「アンカーにかかる負荷をいかに下げるか」ということを工夫していないのと、工夫しているという違いがあると思っています。

このような違いが出てくるのは当たり前の話で、先ほども言ったようにクロカンの現場ではまともなアンカーが都合よく生えていない場合が極めて多いってことが言えると思います。

僕が、安易に同行している他の車にアンカーをお願いせず、手持ちの道具とアンカーになる木をなんとか使って自力脱出にこだわっているのは、普段からこういう思考法や対応力を磨いておき、本当に困った状況に陥った時も多少なりとも他人より有利に動けるようにしておきたいと思っているからです。

まともなアンカーが取れないということは、当然、牽引出来ないからダブルラインで無理やり牽引するってことも少なくなります。

よく雑誌やビデオなどに出てくるウインチングテクニックでダブルラインなどマルチラインのテクニックを教えるものは多いのですが、より難易度が高いトルクアシストなどの使い方や応用法などを教えるものは極めて少ないというか、見たことがありません。

ですが、僕としてはダブルラインで牽引力やアンカーの頑丈さに寄りかかったウインチングより、ウインチ本体やアンカーに負担を極力かけないトルクアシストなどを覚えるべきだと思っていますし、

今回の記事のようなアンカー分散やアンカー保護などを最初に覚えるべきだと思っています。


■P.S.

え~っと、前回、沼で「掘らないように注意して走った」という動画とレポートを載せていたところ、同じ場所が物凄い勢いで掘れてました(大汗)



たぶん、あの動画を見た人が物凄い勢いで掘ったんだろうなぁ~とは思うのですが、

今回紹介したアンカーの木を頼みますから折ったり掘り起こしたり、根こそぎもぎ取ったりしないでくださいね(汗)
Posted at 2012/11/28 11:52:23 | コメント(1) | トラックバック(0) | クロカンテクニック | クルマ
2012年11月27日 イイね!

”ウインチング”という新たなクロカンの扉

”ウインチング”という新たなクロカンの扉いや~、先日のスポランでの練習走行会、楽しかったですねぇ~。

今回も、ほとんどJr.にハンドルを握らせていたので僕自身はほとんど走っていなかったのですが、幸いにも やしこばさんが多く動画を残してくださっていたので、当時のレポも絡めて記事にしたいと思います。


「奇抜なラインで攻めてみるぞ~」と宣言して、沼に突入してみました。



当初は自走でリカバリーできるかな~?と思ってましたが、泥水の下の様子が、リカバリー方向に車を動かすとさらにコケる方向に傾いていくので、自走は早々にあきらめ、ウインチ等での自力リカバリーに切り替えてみます。

ちなみにこの時点での傾斜計はきっちり45度(ほぼ限界)を指していました。





左斜め前の木にアンカーをかけてますが、これはそっちに引っ張ろうというのではなく、左前タイヤの位置を少しだけ前進させるためにかけてました。

ちなみに最大傾斜角度は48度を突破(笑)。

ウインチで左方向にアンカーをかけていてもフラフラと揺れる転倒限界点でした。

実際、かなり怪しい挙動をしているのがわかっていただけると思いますが、自走と違い、数センチ単位でキャンバーを攻めることもウインチングでは可能になってくるので、こういうのも練習してみてもいいかもしれません。

見た目よりは結構、安心して攻めれますよ。

なんせ、足場のグリップ力だけに頼る自走ではなく、数センチ単位で引いたり送り出したり出来るウインチで姿勢をコントロールするわけなので、思う以上に限界ギリギリの攻めが比較的安全に可能になるのです。

車を自走だけで限界付近まで攻める場合は、タイヤのグリップ力、タイヤのたわみ、サスの伸び縮み、ブッシュのつぶれなどによる微妙な揺らぎがどうしてもあるので、厳密に限界点ギリギリまで攻めることは極めてリスクが高くなってしまいます。


最後は、左前タイヤが一番高くなっていたポイントを超えたので、持ち直して終了ス。






自走では100%ハマるとわかっている、深い沼に侵入。

作戦としては、極力自走で前進できるだけ進んで、後はウインチ等で引っこ抜く作戦。





ここでは右斜め前の木にアンカーをかけて前進したように見えるかもしれませんが、この前に直前に生えている木の上の方にアンカーをかけて、車を上に持ち上げながら前進させていたシーンがありました。


この赤丸で囲っているロープや滑車などがその名残。



泥沼などにハマった際、まっすぐ正面に引く画像や場面などを多く見かけることがありますが、ソレをしてしまうと牽引力は4tとか、ものすごく必要になってくる場合がありますよね。




今回の場合も、正面にアンカーをかけて引いたらシングルライン+トルクアシストでは歯が立たなかったので、このように少し高い位置にアンカーをかけて車の舳先を上に持ち上げるような形でいったん持ち上げていたのです。



それならダブルライン程度で十分前進させることが出来たので、その後はこの動画のようにシングルラインの斜め引きで脱出させれたわけです。







こちらの動画は、広場のサンダーV字に車の助手席側をハメてしまった、Jr.の尻拭いをしている所です。

暗くて非常に見にくいのですが、アンカーになる木は車の正面から15度ほど左に25mほど離れた木しかない場所。

つまりですね、オバカなことに、左前を溝に落としてしまい、左前にアンカーをとってウインチングしたら車はコケる方向に引かれることになるので、リカバリーできるかどうかっていうのが極めて難易度が高いのです。

さらに、ウインチワイヤーは18mしかないので、先にチルを運んでワイヤーが足りない部分を補っております。

まぁ、へたくそなうちからナイトランしているのもオバカな限りですが、どうせ進入するならリカバリーのことも考えて走ればいいのにって言う意味で、二重三重の意味でヘタクソなクロカンをしてたってわけです。(やれやれ)


このときはひとまず、左前の木をアンカーにして試しに引いてみていますが、まともに引くとコケる体勢に陥ってしまうので、いくらか前後に車を揉みながら、少しずつ車の舳先を斜面に落とし、車の向きがちょうど正面になるように調整しておいてから、本格的に引き始めています。



よく、他人(ひと)のブログを見ていたら、ウインチングを使わないのが素敵みたいな言い方をしているものもありますが、

ウインチング前提で走るのも、自走だけでは考えられないような3次元的な力が車にかかったり、考えられないようなライン取りでの車の移動方法もあるので、僕は積極的に試すべきだと思います。

じゃないと、いつまで経っても「ウインチングはリカバリー」という考え方だけで終わってしまい、ウインチングの先にある、さらに一歩踏み込んだクロカンの新たな世界に踏み込めないからです。


最後の動画のウインチングは自分が望んでやったものではありませんが、こんな感じで短時間のクロカンでも効率的に練習することは可能です。

特に重量級の車に乗っている人や、自走でジムニーやTJに劣ると思っている方は、逆にいうとこのようなクロカンは適している場合が多いので、積極的に練習してみてはどうだろうか?
Posted at 2012/11/27 16:30:57 | コメント(3) | トラックバック(0) | クロカンの楽しみ方 | クルマ

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「また、いいの入れましたな(^ω^)

何シテル?   06/05 08:56
かじはら(父)です。 1993年頃からランクルでクロカンするようになり、3年ほど休んでましたがまたPZJ70幌でクロカンを再開させました。 息子(♂...
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