
以前GTIの代車で、先代PASSATにしばらく乗っていましたが、そのときぜひ味わいたいと思っていたのは、5AT(ティプトロ付き)のドライブフィールです。現在僕がGTIのDSGの楽しさに夢中になっていることは以前お話しましたが、これはDSGだから楽しいのか、それとも同じ楽しさを多段ギアのティプトロATでも感じられるのか、わからずにいました。それというのも僕自身はこれまでずっと4ATの車ばかりを乗り継いで来ましたので、多段ギアでティプトロ付きのATにはこれまで乗ったことが無かったからです。
5ATのPASSATを運転してみてあらためて感じたのは、以前モーターマガジンで清水和夫さんもおっしゃっていたように、「DSGが万能ではない」ということでした。言うまでもなく通常のATにはトルコンがあり、そこがDSGとの大きな違いでもあるわけですが、このトルコンの存在が良くも悪くも両者の性格の違いを決定付けているように思います。
DSGのスムーズなシフトチェンジは本当に感動的で、最初これを運転した時はまるでCVTか!(といっても僕はCVTの車を運転したことが無いので、厳密に比較できているわけではないのですが)と思ってしまうほどでした。しかしその一方で、加減速を繰り返す街中などでの運転では、当然頻繁にシフトチェンジを繰り返すことになり、その制御には少々ぎこちなさを感じる場面もありました。そしてこのことが僕をMTモードの運転に向かわせた最大の理由でありました。それに対してATは、トルコンの存在が良くも悪くもある種の「遊び」を与えてくれるため、比較的ひとつのギアが担当するレンジが広いせいなのか、あるいはATという機構自体の熟成が進んでいるせいなのか、そのあたりの制御には一日の長があるように感じます。もっともこれはGTIが6速、PASSATが5速ということも影響しているかもしれません。ギア数が多い分だけシフトチェンジの回数は増えることになるでしょうから。逆に言えば燃費の問題などを別にして、単にスムーズな運転感覚という点だけを考えると、かえって熟成の進んだ4ATの方が良いということもあるかもしれません。これは以前GOLF5のE(6AT!)を試乗したときにも感じたことです。少なくともDモードで気楽に(これ重要!)運転している限りは、ATの方がいいのではと感じる場面が少なくありませんでした。
Posted at 2006/04/19 21:23:38 | |
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