
⑤
付加価値
何台も車を乗り継いできて、ようやくわかってきたのは、僕にとって車は「趣味」であるということです。
実用性だけ、あるいはコストパフォーマンスだけを考えるならば、国産の軽自動車、あるいはリッターカーで十分でしょう。(以前試乗したことがありますが、その性能の高さには驚かされました。)
でも残念ながらそれでは満足できないのです。男にとって(少なくとも僕にとって)車は自己表現の手段なのではないでしょうか。どのような車を選び、どのように乗るか。僕自身はファッションには全く興味を持たない人間ですが、おしゃれをするというのはこういうことなのかもしれません。女性がブランドものに夢中になる気持ちも少しわかるような気がします。
つまり実用性の上にあるものは、ある種の付加価値です。
ゴルフの前はいわゆるSUVといわれる車に乗っていましたが、今の時代、この日本において、本格的なオフロード性能などというものは全く以て無駄なものでしかありません。それがために価格も上がるし、燃費や維持費の面でも不利です。オフロードを走らせることが趣味であれば、まだ救いがありますが、そんな趣味も僕にはありません。それどころか、この車でキャンプに行ったこともありませんでした。(前の車では結構行っていたのですが。)
そんな僕がこの車を選んだのは、しかしやはりその本格的な性能ゆえでした。実際の使用を考えれば、僕などはむしろ、今はやりの乗用車タイプのSUVを選ぶべきであることは分かっていました。しかし形だけのSUVであるならば、そもそもSUVを買う意味もないわけで、僕がこの車に乗りたいと思ったのは、やはりその本格的な性能に魅力を感じたからです。(たとえそれを使う機会がほとんどなかったとしても。)
考えてみればスポーツカーに乗っている人がすべてレースに参加しているわけではないのと同じですよね。どちらにしても宝の持ち腐れであることにかわりありません。しかしこのことがその車を選ぶ理由になるのも、また事実でしょう。最初にも申し上げたとおり、実用性だけで選ぶのであればもっと違う選択になるのでしょうが、僕にとっての車というものはそれだけではないのです。
(画像は言わずと知れたFERRARI F430です。この車の本当の能力を引き出せる場所が、この日本のいったいどこにあるでしょう(サーキットはともかく)?でもやっぱり多くの人を魅了するんですよね。といってもそう多くの人が買える代物でもありませんが…。)
Posted at 2005/10/26 22:05:39 | |
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