不思議で情無いおばちゃんの話

急に思い出したので忘れないうちに書いておこう。

筑波科学万博の時には、立体映像を売りにするパビリオンが随分とあった。

そのなかで、偏光フィルムを紙のメガネに貼ったものを配り映像をみるというのがあった。
席に座ると、おばちゃんが立体映像に「わあ」「うわあ」とたいそうビックリしている。

映像が終わってパビリオンからでるおばちゃん軍団。

「凄かったわねえ」「立体だって あれはなかなかみられないわよねえ」「どうなってるのかしらね」「このメガネが何かあるのよ」「これ、もらっていいのよね？」「これよ、これが何か特別なのよ」

なんだかなぁ～と思いつつ、デカイ声だから気にしないつもりでも勝手に聞こえてしまう

「これ、メガネかけたら立体に見えるんじゃない」「あらそうよ」
そして、おばちゃんの一人が偏光紙メガネをかけると……
「あーーっホントだあ立体にみえるぅ」


にゃにおぅ


他のおばちゃんも「あら本当にみえるわ、奥さんやっぱりこれよこれなのよ」



このおばちゃん達は今頃は平面にしか見えない現在をつまらなく思っているか、それとも今だに偏光メガネを愛用しているかのどっちかだ