フィリピン、タクロバン

瞬間風速105メートル。

場所は、フィリピン。
レイテ。


この海で、かつて我々と米海軍は激突した。

1944年
一年半前にミッドウェーで正規空母四隻を一度に失い大きく機動力を削がれた帝国海軍が本土防衛のため、絶対に死守しなければならないのがフィリピンであった。

連合艦隊は
大和、武蔵をはじめとした戦艦９、空母４、巡洋艦１９、駆逐艦３４と正しく全戦力を投入した。

対して米軍は、空母だけですら１６隻。


そして連合艦隊は大敗し、日本の敗北が決定的になったのだ。


太平洋戦争に興味がない多くの人達には、フィリピンは知っていても、レイテという名前はきいたことがないだろう。

多分、日本人にとっては忘れ去られるはずだった場所だ。


しかし、台風３０号はレイテを直撃。
人口密集地のタクロバンは、壊滅状態に。


このタクロバンこそが大和、武蔵の第一遊撃部隊が目指していた場所であり、湾内には米軍の一大補給基地と艦隊が駐留していた、当時の日本にとって壊滅させるべき場所であった。


今回の台風被害で、レイテの名はニュースで大きく報道され、違う形で日本中にしれわたった。

現在、タクロバンには、日本、米国をはじめ各国の救援隊がいっている。
とはいえ、竜巻に匹敵する風雨の威力は凄まじく、映像が送られてきたタクロバンの姿は東北震災を思い起こす惨状である。

彼らに何とか充分な援助をして、日本の負の記憶ではなく、国際貢献の記憶として将来につなげて欲しいと思う。