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ちびーたのブログ一覧

2008年06月07日 イイね!

驚愕のスーパーサイクルの装備 その10 

各メーカーは悩んでいた。
巨大な電装品が、リアフレームの中から消えた。

売上を支えていた重要なアイテムが、75年を境にして全く売上に寄与しないものとなってしまっていた。

 それでも、自転車が子供たちに飽きられてしまったというわけではない。
 ただ、フラッシャーは自転車の機動性を激しくスポイルしてしまうものだったので、単純に「いらない」と判断されてしまったのだ。
 だからスーパーサイクルから巨大電装が外されても、その他の豪華装備は走りに影響するものでは無かったので、子供たちはそのまま乗り続けた。

 迷走する商品開発の中でブリジストンは、「ならば、最初からフラッシャーだけを取ったものを作ろう」ということで、ヤングウェイGUNというモデルを登場させた。

 
 このヤングウェイGUNはコンセプトどおり、ツインヘッドランプ・BSディスクⅡ・オーバルスプロケ・トリアルタイア・センターシフトボックス・フレーム取り付け空気入れ装備・・・と実にフラッシャーのみを外したものとなっている。
 軽量化のデザインポイントとして、チェーンカバーにサイレンサーのような穴を開ける事により豪華さ=重さというイメージにつながらないようにもしてある。


 このヤングウェイシリーズは、他社が混迷している中で製品そのものをもって積極的に市場の模索を続ける。
 75年には、BSディスクであったブレーキは、76年にXディスクに進化。同時にテクナートフレームと名づけられたフレーム接合部のデザインフィニッシュを導入。更に翌77年にはブレーキにサーボ付きのダイネックスブレーキを搭載したヤングウェイダイネックス モンテカルロが登場する。
 

ブリジストンは、ブレーキに重きを置いた宣伝をしているのだが、実は注目したいのは同モデルとヤングウェイXディスクに搭載された(記憶する変速機構)シンクロメモリーシフトの方である。
他社は、この2年間で出したモデルはキャラクターの力を借りての製品が主であった。勿論、ただキャラクターを導入しただけではなくミヤタのFF変速機構(変速側ギヤが回転さえしていれば、メインスプロケが停止していても変速出来る機構。即ち、空走状態でペダルをこがないでいても変速出来うる)技術的なアプローチはされている。
だが、変速機構が大きなセールスポイントとはなっていなかった。
つまり、視覚的に地味であるからエンドユーザーへのアピールがしにくかったのだ。
実際、ヤンクウェイXディスクでは、当時ドリフターズ新メンバーの志村を使っての宣伝もかけてみたのだが、あまり大きな商売には結びついていなかった。
 それよりは、ブレーキの方がフラッシャーの頃に比べると派手さはないのだが、わざと大きめのキャスト外装を真っ赤にするなどして目立つようにしてみせることにより、売りやすくはなった。


 
 自転車を構成する部品は、大きく分けてフレーム・タイヤ部・ブレーキ・ライト・ハンドル・変速装置である。
 このうち、タイヤとブレーキ、そしてフレームについてもブリジストンに先んじてしまわれたわけであるから、他社がこれに対抗出来る部分は限られてくる。

 
 ブリジストン ヤングウェイダイネックスの登場した77年に各社の度肝をぬく電装品装備車が発売される。

 丸石「パーフェクトチェンジディスク」である。



 自転車では初の電動変速機構をもつパーフェクトチェンジはTVCMの大量投下など鳴り物入りでの登場となった。
 パーフェクトチェンジはたちまち、背伸びをしたがる子供達の心を捉え話題のメカニズムとなった。
 しかし、それは他メーカーも追従することを意味する。

 明けて78年には、最後に残された改革部分「ライト部」についに大掛かりな手法が試される。
 スーパーカーと共にやってきた
ミヤタ スーパーサリーFFオイルディスクは、これまでの技術と、これ以降の全ての要素が凝縮された機体であった。

 

 電装が施されたデジタルシフト、高級車の代名詞ともなったオイルディスク、発光ダイオードのストップランプ、走行性能の高まったスーパーラジアルタイヤ、
 そしてリモートコントロールの、その名もスーパーカーライト

 これだけの売りが集積した車両であるから決定版であろう


・・・といえるほど大企業ブリジストンは甘くはなかったのだった・・・



                        次回 最終回

 
Posted at 2008/06/07 16:16:55 | コメント(5) | トラックバック(0) | 驚愕のスーパーサイクル | 日記
2008年05月06日 イイね!

驚愕のスーパーサイクルの装備 その9番外編

 同年は、巨大フラッシャーの流行の最後の年だけにいくつかの超豪華装備車が誕生している。

 VX-GTOを発売したセキネも、後部フラッシャーをGTOから、前部フラッシャー部分はプラズマから、本体はガルーダを使用したガルーダDC5Fを登場させている。




光自転車からは、最高級機として ohダッシュデラックスを頂点としたスーパーサイクルがラインナップされた。
 
初代ジャンボテクニカと同じに見えるフラッシャーやオイルディスクの装備などをみるに、どうもこのメーカーにもナショナルからの部品・技術供与があったのではなかろうか?
 ただし、価格は68000円。やはり、かなり高額となってしまっている。
 なお、このメーカーのフレームはオールスチールで他メーカーのものより重いという評判があったらしい。
 空母化をしても、子供は大変だっただろう。




 片倉自転車は、独自のフラッシャーを使った特徴のあるスーパーサイクルを発売していた。


 大型フラッシャー以外にも、前後ともドラムブレーキを採用。
 大手メーカーでも無かったパターンである。
 ただ、この後、片倉自転車はスーパーサイクルの不調とともに輸出も低迷。廃業を迫られることになる。
 現在は、車椅子メーカーとして新しい活躍をしている。
 子供同士の戦闘車両から、福祉の為の車椅子へ・・・・・
 なんとも象徴的な転業であった
Posted at 2008/05/06 14:14:16 | コメント(0) | トラックバック(0) | 驚愕のスーパーサイクル | 趣味
2008年05月06日 イイね!

驚愕のスーパーサイクルの装備 その9

 老舗セキネは、技術力では十二分に他社の連合と互角以上に渡り合えるものをもっていた。
 
 まず、プラズマと名づけられたベース車両に巨大電装を装着したモデル、プラズマDC5Fは品番からも分かる通り5段変速で、フロントにディスクブレーキを装備する。

 それ以外は、とりたてて、どこがどうというモデルではない。
 51900円は、やや高めの価格設定だが、単独開発で一通りのものを持っているとなると当時の売れ数からいって常識的な範囲のうちだっただろう。


 セキネ・ガルーダOIL-DD5は、電装が無い代わりにフロントがオイルディスク、リアがオイルドラムという運動性能に特化したモデルである。
 本来ならば、別にオイルやディスクブレーキ・ドラムブレーキまでいるはずもないのだが「巨大電装以外での売りの道」を残しておいてある辺りは、セキネという企業の先見性というべきか。


 
 そして、このプラズマシリーズとカルーダシリーズの特徴を合わせて発展させたのがVXシリーズの最新型VX-GTOである。



 大和級に相当するVX-GTOには、ライト・ラジオ・スピードメーター・ウインカーまでもが一体式となったサイクルコクピット、フロントディスクブレーキ、長大なアンテナが装備される。
 いかにスーパーサイクルといえども、通常ここまでフロント部分に機能を満載すると全体として、どうにもマスバランスの悪いものが出来上がるのだが、GTOには常識を逸脱した巨大な後部フラッシャーがあった。
 では、じっくりとみていただきたい。






 ナショナル・ミヤタのスーパーサイクルには「パナマ運河」とも呼ぶべき限界があった。
 それは、ナショナルとミヤタで共通のフラッシャーを使うことが前提となっているために、互いのキャリアー共通サイズの中でのフラッシャーのサイズになってしまうということだ。
 つまり、「パナマ運河をお互いに渡るには40cm砲までしか搭載出来ない」ということと同義であった。

 この二大メーカーの艦隊に対して対抗するには、それを超える砲撃力のあるものを装備すればよいことになる。
 キャリアーから遥にはみ出た後部電装は、ウインカー・フラッシャー・ストップランプ・テールランプの機能を持ち、確かに口径46cm砲のごとき迫力を付加させた。

 しかし、その時に、スーパーサイクルの市場は急速に冷え込み始めていた。
 超弩級スーパーサイクルは、停止状況・運用状況において目立つということで一定の満足感を得ることは出来た。
 その反面、大きなウイークポイントが二つ存在した。
 その一つが「ランニングコスト」である。
 巨大なフラッシャーは、その大きさに比例し莫大な電力を必要とした。
 単一乾電池6~8本を作動に必要とし、振動が多いという乾電池にとって過酷な状況でフラッシャーその他の莫大な消費電力を賄うには当時の蓄電量ではあまりに足りなく、一本35円ほどの電池280~320円分をあっという間に消費した。
 やっと買ってもらったスーパーサイクルは、当時の子供のおこずかいで一ヶ月を支えきれるほど優しい乗り物ではなかった。
 電池が切れた時点で、もう一つのウイークポイントが問題となった。
 豪華装備は、その内蔵される電池の重量も合わせて、子供の筋力から発生出来うる軸出力に対し、あまりに重かった。
 スーパーサイクルに憧れてはいたが、買ってもらえなかった友人達の普通の自転車に加速性能・旋回性能で激しく劣っていた。
 また、転倒し衝撃で破損してしまった高価な装備は修理にも出せなかった。

 結果として、巨大なフラッシャーがついた超弩級スーパーサイクルは、何も付いていない「戦闘機のごとき自転車」に「自転車に乗って遊ぶ」という本質的な部分で撃沈されていくのであった。
 
 超弩級スーパーサイクルを持つ子は、友達と互角に運用すべくキャリアーからフラッシャーウインカーを取り除き軽量化していった。
 それは、さながら戦艦が主砲を降ろされ空母として運用されるがごときであった。

 セキネVX-GTOは特筆すべき装備であったが、戦艦大和と同じく、登場した時には時代が変わりつつある時で、その砲撃力で市場を支えることは出来なかった。

つづく
 
 



Posted at 2008/05/06 13:42:44 | コメント(1) | トラックバック(0) | 驚愕のスーパーサイクル | 趣味
2008年05月02日 イイね!

驚愕のスーパーサイクルの装備 その8

1972年後半に勃発した重装備戦艦サイクル戦争は、老舗・弱小メーカーを問わず参戦を余儀なくされ、まさに世界大戦状態であった。

 スズキは、73年に9石トランジスタエレクトロフラッシャ-、後輪ハイドロディスク装備のインパルスを投入。

 自転車にバイクからの技術のフィードバックでの装備選定を売り物にするも、やはりメインは大砲撃力の後部フラッシャーウインカーである。


 ブリジストンも73年に新電子装備アストロメカを搭載したアストロGを発売。

 オールシリコントランジスタ内臓のシャープな造形であるフラッシャー部をアストロメカと呼称。更に雨天時の制動力6倍を謳うBSディスクブレーキ、転がり抵抗50%削減のトリアルタイヤで武装する。




 また、72年には風力計付きという、ややキワモノ装備の自転車を出していた富士自転車も73年には、オリジナルの超弩級戦艦サイクル、富士ジェットファイヤー5を発売する。
 
 広告のように、「電子を超えた新しい光」と称し、IC採用であることが強調されている。メッキの外観も派手ならフラッシャー、ウインカー、ストップランプと機能がダブっていようがお構いなしの派手加減である。


 勿論、これを黙って見ている様なナショナル・ミヤタ連合ではない。
 まだ、出て間もないミヤタ・ジャンボテクニカ、ナショナル・エレクトロボーイZ、ハイマディスクではあったが、この艦隊を増強するために同年後期には新ジャンボテクニカオイルディスクとエレクトロボーイニューZ、ハイマディスクZを投入。これにより、この二社だけのハイエンドメカニズムだけで市場に7種類もの超弩級戦艦サイクルが並ぶこととなった。


 
 しかし、そんな多国籍連合艦隊に対して、二次大戦での日本帝国海軍の連合艦隊があったように、単独メーカーで大艦隊を組み闘いを挑んでいたメーカーがあった。

 セキネである。
 そして、大艦巨砲主義にも似た、この巨大フラッシャー戦争の最後に登場する超弩級戦艦サイクル、いわば大和級に相当するスーパーサイクルを登場させるのも、このセキネであった・・・

 つづく
Posted at 2008/05/02 19:55:14 | コメント(5) | トラックバック(0) | 驚愕のスーパーサイクル | 趣味
2008年05月01日 イイね!

驚愕のスーパーサイクルの装備 その7

驚愕のスーパーサイクルの装備 その7ミヤタ、サリー・ジャンボテクニカに装備の巨大電装部は、ナショナルのエレクトロボーイの最新型エレクトロボーイZと共用である。
その巨大な電装部は、非常に煌びやかなものでる。
 当時ジュニアサイクル市場にあった「スーパーサイクルは子供のもの、子供のものだから子供らしいもの」などという意識は微塵も感じさせない、「大人が本気で考えた未来の自転車」「ついに未来が到来!!」というに相応しいものであった。

 機能として、流れるフラッシャに電子音。スピードメーター内臓のフロント部は、プラスチックにより成形された巨大なものとなり、ストップランプ・ウインカーの作動インジケーターランプまで備える。
 変速レバー部はボックス化され、さながらジェット機の出力レバーのようである。
 リアブレーキはオイルディスク化され、その制動力を遺憾なく発揮するために両社ともにラジアルタイヤを装備する。
 かつてない重装備を施された自転車本体は、見たことも無いマスバランスでデザインされ、一つの完成体に到達した。
 

 ミヤタとナショナルは、ほぼ同時に、この巨大ウインカーを装備させた自転車を出したわけで、その相乗効果は巨大ウインカー無きジュニアサイクルメーカーのものは売れないと思わせてしまうほどに強力なものであった。
 そのため、1973年は、怒涛の弩級戦艦サイクルが各社から登場することになる。
 それらについては、次回に記することになるが、当のミヤタとナショナルが、いくら蜜月の部品共用とはいえ、フレームだけが違うのでは、お互いの製品差がないことになってしまう。
 ミヤタのジャンボテクニカオイルディスクはミヤタの中での最高級機種である。
 それに対応するナショナルの高級電装車がエレクトロボーイZなのだ。
 しかし、ナショナルにはエレクトロボーイZの更に上をいく超弩級戦艦サイクルがあった。


 最高級機種 ナショナル、ハイマディスクの登場である。
 しかも、ミヤタのジャンボテクニカ 63500円より安い58000円だ。
 部品供与を受けた側と出した側の差であり、これにはミヤタも「やられた」感を持ったであろう。
 
 ナショナルは、ミヤタとの同時発売により市場を掌握したかったのであろう、同年後期には更なる新型を投入するに至る。
 他メーカーの巨大電装車の投入もあり、超弩級戦艦サイクル発売戦争となるのであった。

つづく 
Posted at 2008/05/01 20:00:34 | コメント(4) | トラックバック(0) | 驚愕のスーパーサイクル | 趣味

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