ヘッドライトの光軸のベストは？

HIDからLEDにヘッドライトバルブを交換したとき、

光源の位置がちょっと違ったのか、これまでより下向きに照らされるようになってしまいました。

とりあえず整備書通りに調整しましたが、そもそも光軸の規則、車検でのテスターでのOK範囲が気になったので調べてみることに。

前回のハミタイ調査と同じく、今回も車が守っておかない保安基準と、車検時にどうチェックされるかの審査基準で記載がだいぶ異なってました。

まず、道路運送車両法の保安基準

前照灯に関する総則は32条ですが、詳細は細目192条の2項(ハイビーム)、6項(ロービーム)。

 

ハイビームは100m先、ロービームは40m先の障害物を見えるようにというざっくりとした記載でした。

昔調べたときはロービームは30m先だった気がしたけど、10m違った。

続いて車検の審査事務規程

上記保安基準32条に対応するところは8章(一部、7章と同一部は7章として記載)のはずだけど、光軸に関する記載がない。。。

  ロービームの8章

ハイビームの8章

よく読んだら、計器による計測は9章でした

で、これを見るとおもしろい結果が。

まずロービームは、10m先で光源の高さから10㎜～150㎜下がること。つまり保安基準の距離40mに換算すると40m先で40㎜～600㎜下がること、となってます。下がり幅がでかすぎて、ガバガバ笑。そして、ロービームなのに、ほぼ水平でOKだったこと。

ハイビームは、10m先で光源より100mm上向きと、これまた大胆に上向きなルールになってます。

昔はハイビームが水平くらいのルールだった気がするんだけど。

ということで、法規的にはずいぶんと幅広く設定が許容されてることが分かりましたが、そもそもの法規の意図を考えてみると、、、

ロービームの場合、ヘッドライトの位置が低い車は、光軸が水平に近い40m先40㎜下向き、ヘッドライトが高い位置にある車は、下向き傾向が強い40m先600mm下向きになるんじゃないですかね。

ちなみに、ヘッドライトの取付位置は、保安基準198条でハウジングの上下端が地上0.5mから1.2m。光源の位置だと0.55mから1.15mくらいに来るのかと。

そうすると、 ヘッドライトの位置が低い車は、光軸が水平に近い40m先40㎜下向き、ヘッドライトが高い位置にある車は、下向き傾向が強い40m先600mm下向きという先ほどの前提を当てはめると、大体40m先で高さ50cmくらいの障害物を照らせる感じになります。

保安基準32条で書かれてた40m先の障害物を認識できることっていうのと合致し、ちょっと定量化された感じで、割と納得感があります。

なので、この基準の数字を前提として、自分の車の光源の位置に合わせて光軸を決めたらよいんじゃないのかな。

ちなみに、ラフェスタの整備書での設定を保安基準と比べると・・・

思いっきり下向きに設定されてることが分かりました。(検査NGにならないためのマージンか・・・)

なので、整備書通りよりも自分でしっかり計算して調節した方が安全に夜道を走ることができるようになりました。

※ラフェスタの発光点は、ハウジングに目印があります。

道路運送車両法 保安基準 目次：https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr7_000007.html　(国土交通省)
保安基準 第32条：https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/H032.pdf(国土交通省)
保安基準 第198条：https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/S198.pdf(国土交通省)
審査事務規程 目次：https://www.naltec.go.jp/publication/regulation/shinsajimukitei.html　(自動車技術総合機構)
審査事務規程 7-65、8-65　走行用前照灯：https://www.naltec.go.jp/publication/regulation/fkoifn0000000ljx-att/fkoifn0000000mn6.pdf　(自動車技術総合機構)
審査事務規程 第9章　テスタ等による機能維持確認 ：https://www.naltec.go.jp/publication/regulation/fkoifn0000000ljx-att/fkoifn000000ccfy.pdf　(自動車技術総合機構)

保安基準：道路運送車両の保安基準（昭和26年運輸省令第67号）
細目告示：道路運送車両の保安基準の細目を定める告示（平成14年国土交通省告示第619号）