「日本語の響きって最高」 日本語版 『Let It Go』 の人気が止まらない!
って記事がネットに有りまして、
それについて思うところがありメモしときます。
個人的には昔から
日本語に関してある種のトラウマが有ったんですよね。
今でも検索すればヒットすると思いますが、
「日本語は歌唱に向いてない」と言う説です。
日本語は母音と子音の関係が強すぎて、どうしても
一文字一音になってしまう、だから
単語で一音使える英語圏等の言語に対して情報量や表現力として不利。
って話です。
例えばタイトルに使った
アナ雪のサビの
Let It Go
って部分ですが、これだけで
一つの文で「そのままにしておいて」「ほっといて」となるそうですが、
日本語訳の歌詞だと
ありの
になってしまって、
言葉としても怪しい上に意味も何が何だか判りません(^_^;)。
更に、
日本語には漢字文化圏で
同音異義語と言う物が多く、
「貴社の記者は汽車で帰社した」に代表される様に、表音文字のローマ字で書くと
「kisya no kisya ha kisya de kisya sita」となり、
一見見分けも意味も解らず、海外の人が悩まされる部分でも有るようです。
日本語の「kisya」では「汽車」の部分でわずかにイントネーションが違う程度ですが、
英語だと発音で相当の部分が見分けられるので、
聞いただけで文章の意味が解ると言う説。
アナ雪の歌詞にしても
ありのままの
を
チョットこじつけダジャレですケド、
蟻のママの
有りの飯の
アリの侭の
ってやっちゃうと、もうメチャクチャ(^_^;)。
でも、全部「arinomama」と発音する訳で、日本人以外の方からすると
「日本語意味わかんねぇ!」みたいな部分も有るわけです。
だから日本語はダメなんだ、
だから日本文化はダメなんだ、
だから欧米の音楽や歌唱が優れているんだ、
だから洋楽を崇め奉ろう!
まぁそうゆう
論理が展開されてた時期がありまして、私も
MTVとか華やかなりし80年代頃には、マイケル・ジャクソンとか聞きながら、
「なるほどな」と思いながら洋楽△!って思ってたんですよね。
日本っていうのは凄い閉じた世界で、自分たちの文化はちっぽけで、良いとか悪いとか自己満足で、世界の人には理解されず、しょせんは井の中の蛙大海を知らず・・・チンケな文化だな・・・日本人って悲しいな。
(/_;)
そんなトラウマが有ったんです、
「井の中の蛙」とか聞くと日本をイメージする人は多かれ少なかれ
皆そうだと思いますが(^_^;)。
でも、
オカシイな?と、思い始めたのは最近になってからです。
具体的には
1995年にWindows95がドカンと売れて、
インターネットが爆発的に普及した辺りから変な現象が起こって来たんですよね。
日本の大衆文化が<何の宣伝をしたわけでもない>のに諸外国で受けてる(^_^;)って現象が確実に広がっていったのです。
マンガやアニメに代表されているように、
売り込んでも居ないのに海賊版まで作ってアチコチで必死にかき集められてるんです。
勝手に翻訳までされてたりしてね、中には
アニメの主題歌が海賊版では日本語だったのに
正規の放送やDVD商品になった時に英語歌唱、それに合ったオリジナルソングに直されてしまい、
ファンが
「原曲のほうがいいだろ」
って怒ったりして(^_^;)、日本の声優や歌手の声を日本語で聞いて字幕で楽しみたい人やこのために日本語覚えたって人もかなり多い様ですね。
海賊版行為自体の良し悪しは別にして(^_^;)
私なんて「こりゃどうゆう事だ??」と、思う訳です。
で、
今回のアナ雪の主題歌の日本語バージョンの評価になるわけですよ。
この25ヶ国語バージョンは「初音ミク・海外の反応」でもお馴染みの
Kids React、
でも紹介されていて、子供達は「一人の歌手が25ヶ国語で歌ったと思っていた」と言うコメントが出るくらい制作側がキャスティングに拘って吹き替え版を制作していたりするようなんですね、つまり純粋に歌唱の比較が出来るんじゃないかと思う訳です。
日本の同音異義語や母音子音に縛られた言語。
例えそうであったとしても、諸外国で「素晴らしい!」と評価される。
25ヶ国語バージョンに翻訳されて、純粋に歌唱を比較されているのに、冒頭の続報ニュースで見た様に、
「日本語バージョンがイイ!」と言われる訳は??何?
非公式のローマ字字幕付き日本語バージョンが、あっという間に25ヶ国語バージョン本家に迫る250万再生とかになるのは理由があるんじゃ?
結局、
世界中の誰も「歌詞の情報量」とか「紛らわしさ」とかで評価していないって事だと思うんですよね、それよりも
歌唱の内容は何語であってもきちんと伝わっているんです、この曲は映画の主題歌で雪の女王の心情を描いている訳ですから、聞いている人は
その映画のイメージを元に意味を理解して細かい解釈はともかく、
日本語の「歌唱の良さ」に感動してるわけです。
逆に
映画の「アルマゲドン」ってありますが、
エアロ・スミスの「I DON'T WANT TO MISS A THING」が主題歌として使われ、
全米1位になりました。
けど、この歌の
歌詞の内容が翻訳すると
「隣に寝ている恋人の寝顔が愛しくてずっと見ていたい」って言う、かなりどうでも良いような内容なんですよね(^_^;)。
後日、
テレビの情報番組でこの歌詞の内容が紹介され、
パネラーが「えっ、そんな程度の内容なの!?」って言って笑ってたのが印象的でした。
でも、笑ってた軽薄そうな女子アナや出演者含めて、
この人達は「映画を見て映画を観てない人」な訳ですわ(^_^;)。
アルマゲドンの映画の内容は
人類の絶滅に関わる様な重大な戦いでまさにアルマゲドン
(最終戦争)な訳ですけど、この曲が最後に流れると
歌詞の内容がイマイチ(と言うか全然)判ってなかった日本人でも感動して中には泣いてしまうう人も居たわけです。
エアロ・スミスに歌詞を提供した人にしても、アルマゲドンのような状況が有るとすれば、
何気ない日常の恋人との一時が、いかに貴重でそう言う事こそ大切なんだって事を言いたい訳です。
だから、言葉が通じる英語圏でも
歌詞の内容は単体で見ればどーでも良いような内容でも、ちゃんと皆に受けるわけ。
これも歌唱の良さに感動してる姿では有るわけです。
つまりですね
日本語とか母音と子音とか同音異義語とか言語形態とか情報量とかある意味どうでも良くて、
どんな言語でも人々は前後の展開から(映画の内容や背景やバックボーンや話の流れから)
きちんと内容を把握して良い悪いを判断して感動して共感できるってことですわ。
逆説的に言えば、
日本語は凄く懐が深いので、詩や音楽に留まらず、そういった
創作物が出来上がる背景をイメージさせて、自由に受け手側が想像を膨らます事ができる部分すら有るんじゃないかと思うんです。
例えば、ニコニコ動画では色々なボカロ曲が発表されていますが、
日本語の歌詞は確かに情報量が少ないって部分もあり、
単独ではやっぱり内容が???って曲も有るんですよ。
そうすると何が起こるか?って言うと
「解釈PV」や「解釈MV」が二次創作される事があります(^_^;)。
で、色々な解釈が発表された後に、
その解釈が本家に影響を与えたり、一次創作者の本人が「実はこうでした」って回答としての小説を発表したり、アンサーソング作ったりする訳です。
色々な解釈も「ハズレ」ってだけじゃなく、
「そうゆう考えも面白いね」とか「なるほどねぇ」とか色々な部分に影響を与えたり共感を生んだりしていくわけです。
私個人的には
日本の歌じゃなければこうした展開は起こりにくいんじゃないかと思うので、こうした
「幅」がある文化ッて言うのは良いことなんじゃないかと思うんですね。
経済的な側面から言っても、
日本のカルチャービジネス(サブも含めて)は世界的に観ても巨大なマーケットであり、日本語というくくりの中だけで
金額的にも世界を凌駕していたりもするわけです、漫画の様に。
プロモーションが派手なので、
アメリカはさぞかし凄いのだろうと思えば実態はこんな物だったりする訳(^_^;)、スパイダーマンがいるマーベル・コミック辺りですらそうなんですから他は推して知るべしで、映画にしても何百億円って興行収入であっても実は制作費に半分取られてたり(^_^;)しますからね。
アナ雪にしても全米で400億の興行収入で、日本で200億、
日本はエンターテイメントに莫大なお金を払う民族で、十分な
ビッグマーケットな訳です。
排他的で閉じた文化ならこんな莫大なお金が動くわけ無いし、ちっとも閉じた文化じゃないんですね(^_^;)。
こうした事を考えて行くと、
アナ雪の日本語バージョンが海外で評価されるように、逆にアルマゲドンの主題歌が日本で評価されるように、
可笑しな文化の良し悪し説や、言語的に何が優れているとか何が向いているとかそう言う議論そのものが虚しいものであり、
受け手側はそんな事ハナから問題にしてないだけなんです。
結局
全ては
「考えるな!感じろ!」
って事に集約されるわけで、それ以上でもそれ以下でも無く、同様に
「私達の歌を聴けぇ!」
で、
全てのコジツケ的な理屈が吹っ飛んでしまうだけなんじゃないかと思うんです(^_^;)。
少なくとも、
こうした「日本(語)ダメ分析」は他ならぬ日本人の中から出て来てる訳で、
ソッチの方が個人的には恥ずかしい事だし、長い事
日本の事や日本の文化を閉鎖的だと感じていた私自身も恥ずかしいと思いますね。
日本語だって歌に向いてるんです。
感情論が嫌いな私ですが、
日本人は理屈や理論をこねまわしたり、海外と比較する前に、もう少し
日本のモノに誇りを持って素晴らしさを認識するべきなんじゃないかと思います。
そう言う意味では素直に
海外の賞賛を受けても良いと思いますし、こうした事は
もっともっと知られるべきでしょうし、
日本人はそうした意識改革を今後やっていくべきなんじゃないかなぁ?とは思いますね。
グローバルだから何でも英語尺度、欧米尺度にするのなんてナンセンス!
悔しかったら日本に来て商売してみろ(笑)、
良けりゃ買ってやるぞ、いつでも来い!
ってね?(^_^;)。
やっぱり
日本最高!
日本語最高!
日本文化最高です!(笑)。
あ、ちなみに。
アルマゲドンはラジー賞受賞だそうで、
ジングル・オール・ザ・ウェイや
キャット・ウーマンが好きな私としては実に「感じちゃった」部分が多い映画だとも言えるんじゃないかと思います(爆)。
ぐちゃぐちゃ
考えてしまう私ですが、
結局のところ私もやっぱり、
「考えるな!感じろ!」
なんですかね(^_^;)。
<もうそれじゃ寒くないわ!(^_^;)>
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Posted at
2014/05/29 07:05:29