
最初に断りますが、
自転車が危険だからヤメロ!って話じゃありません。
そんな事言ってたら私だってバイクとか乗ってられません(笑)。
自転車通勤のリスク・・・
正確には、電車通勤から自転車通勤に変更することのリスクについての話です。
そう言った
リスクを知った上で
「それでもやる」
と言うの
であれば個人の自由ですから全く問題ありません。<ここ大事
私も自転車通勤してましたし、自己責任って言う事を踏まえた上で
あえて指摘したいと思います。
さて
昨今自転車の活用を叫ぶ人達が湧いてきて、
自転車通勤がイイヨ!ともてはやす風潮があります。
経費の節減になるとか。
健康のためにいいとか。
エコのためにいいとか。
とても
いい事ばかり書いてあります。
確かに
自転車通勤は爽やかで素晴らしい気分が味わえるし、更に運動するんですから
健康やダイエットにも有効です。
でもね。
イイ事ばかりじゃないんですよ。
悪い事だって当然有るんです。
チャリ通勤推進論者はそれをあえて言わないんですよね。
この状況はヒジョーーーに危険!
危険危険!
本当に危険です!
さて、
何が危険か?(^^;)。
私が実際に経験した事を交えて紹介したいと思います(爆)。
私は2006年頃にも自転車通勤していましたが、2000年当時、また現在も、最寄り駅まで自転車で通勤です。
2006年頃の自転車通勤は全行程マウンテンバイクで通勤しましたが、
2000年の当時と現在は、最寄り駅まではママチャリで、その他の区間は電車で通勤と言う形です、当然ながら
2000年時点の自転車通勤は「所属企業から指定された通勤方法」で有る訳です。
要するに2000年当時、私は自転車通勤なんて全く意識せずに
単に
生活行動
してただけなんですね。
さて、
そんな2000年頃・・・
私は
大変に忙しい身でした。
残業が重なり疲労もたまっていました。
そんな中、自転車事故は起こったのです。
単純に
フロントからのスリップダウン、
夜の道で砂利に前輪をすくわれて転倒しました。
誰にでも起こりうる
単純な転倒自損事故です。
が、しかし、
倒れた所が悪かった(^^;)。
膝から落ちて、全体重が右膝にかかっちゃったんですね。
で何が起こったかというと、
前十字靭帯断裂と言う大怪我をしてしまい、
痛くて歩けない状態に・・・
当然スポーツマンでも何でもない私は
靭帯断裂なんてしたら手術するしかありません。
ところが、スポーツ医学・外科の権威というお医者さんにかかったのですが、
「完治」となるまで半年もかかりました(^^;)。
手術は2回、
入院期間も合計で一ヶ月以上、
激痛と戦いながらリハビリする・・・と言う大変な事になりました。
無論、
自転車はママチャリですから低速で、
転倒時も10km/h程度だったと思います。
それなのにこの有様です(^^;)。
さて。
通勤途上ですから、
これは当然労災です。
私も労災として認められました。
こう書くと、簡単だと思う人も居るかもしれません(^^;)。
ところが、
労災認定されるまでが恐ろしく大変だったんですよ。
しかも・・・
単独事故だった事が事態を複雑にしました(^^;)。
何しろ一人で
目撃者も無い場所での夜の事故ですからね。
物証が何も無いんです!
事故を証明するのにどうしたらいいでしょう?
スタート時点から非常にハードルが高いんですよね(^_^;)。
医者の診断書位ですよ、書類として最初に有効なのは。
診断書だって直ぐに出る訳じゃありません、公立病院だと
書類作成で1週間なんて事も普通にあります、更に診断書貰う為には
診断してもらわなくちゃならないわけですが、
怪我をして1人で移動もままならないような状態で、何処まで冷静に対応できるか?って考えると、
段々状況がきな臭くなってくるのが判ると思います(笑)。
警察がすっ飛んできて、即座に第三者が記録する
「相手の有る事故」とは根本的に違う物なのです。
さて、この労災って
支払いは保険金で払うんです、
労災保険ですね。
で、保険ですから
審査があります。
この
審査までの手続きがまた延々と時間がかかるんですよ。
労災には間違いないので、早く病院に連絡を取って支払いの手続きをして欲しいって
病院の公衆電話から何度労災の担当者に電話したことか・・・。
やれ、あの書類が足りない、やれ当日の状況を証明する証言がほしい、のらりくらり・・・
誤解のなきように補足しておきますが、私は個人事務所に勤めてた訳じゃなく、ある程度複数の部署がある企業に勤めていたんです。
担当者は専門部門の担当者です。
それでもこんな感じでした(^_^;)。
ま、要するに保険だから払う方はなるべく長引かせて払いたくないor先送りしたい訳です(^^;)、
クルマ事故の保険屋でも個人で対応するとノラリクラリしてますよね、
あれをイメージしてもらえれば一番近いと思います。。
労災にだってメリット制が有りますからね(^^;)。
基本的に労災事故が多くなると事業主は保険料が上がって困る訳です。
それが、超過勤務とか過酷労働が原因だと思われる様な内容だと、更に社会的にも問題視される可能性が有るんです。
(通勤中の災害にはメリット制は適用されませんでした(^_^;)、間違った情報を載せてしまいゴメンナサイ・・・)
何つっても
所管が「労働基準監督署」ですからね!(^^;)。
こんな所で問題視されたらイメージ悪いですよね。
しかも
申請が会社の担当者経由だもんだから更にタチが悪い。
中間に人が入ると
伝言ゲームになって、何度も何度も同じ様なやり取りを繰り返さなくちゃなりません、これが
非常に苦痛でした。
さて、煮え切らない書類のやり取りを繰り返す事
数週間・・・
病院で
入院治療しながらの事務手続きで思うに任せない上に、退院予定日が近づいてきちゃって、
会計の人からは「どうなってます?」との催促、それを連絡しても
相変わらずダラダラしてる担当者・・・
さすがに
私もブチギレまして、
法律関係をやってる親族を通じて
「蛇の道は蛇」とばかりに、社会福祉労務士を紹介してもらい、
自分の会社の担当社労士を逆調査し、
直撃しました(笑)。
そしたら、
担当社労士の所に書類どころか話すら来てないって事なんですよ(笑)、別に社労士は忙しくて対応できないって程じゃないのに(^^;)。
要するに
「事なかれ主義」で書類の不備が無くなるまで担当者が止めてたらしいんですね。
担当
社労士の先生も「またか・・・」って感じで呆れていましたね。
もちろん、
私の提出書類が不備だったわけでもないんですよ、会社側が問題が起こらないように社労士に完璧な書類を提出しようとして
書類を停めてのんびり社内チェックしてたみたいなんですね。
この担当者も会社の為にダラダラしてた訳じゃないんです、要するに
何か不備が有って譴責を食らうのが嫌なだけで慎重になってしまったんですね、
事なかれ主義だから!(^^;)。
私は即日会社の担当者に、
「自分でチェックするから速達で提出した書類を送り返してくれ!」って言ったら
「面倒な単独事故の手続きが自分の手を離れる!これ幸い」とばかりに
担当者は喜んで翌日に書類を送り返してきました!
今までの対応が嘘のような仕事の早さです!(爆)。
そして私は
書類をそのまま社労士に転送したんですね、速達で(^^;)。
そしたら、何と
数日ですんなり通るじゃないですか、病院の手続きにもギリギリで間に合い、
晴れて入院費も労災適用になりました。
結果的に
手続き上は会社になんて書類出すだけ無駄だったって事になりますね(^^;)。
今でもそんな体制なのかどうかは判りませんが、
この手の公的事務処理っていうのは書類の裁可や審査や記録などの物理的な作業を伴いますので、往々にしてこうなりがちなんです。
全て自書になりますし、
かなり面倒でした・・・。
そもそも、
自転車なんて砂利一個で転倒して大怪我する事有るんです。
対クルマ事故のことばかり想定してる人が居ますけど、
実は単独事故も相当数あるんです。
2010年では対自動車の死亡事故が89%でしたが、
単独事故での死亡は7%で第二位、
犠牲者も44人出ています。
特筆すべきは
対自動車の事故は減少傾向、
対歩行者、対2輪車の事故は横ばいなのに、
単独事故は急増している事です!
もちろん、死亡事故じゃない
怪我等の事故は自動車保険で修理費や医療費がが支払われるクルマと違い、
届出自体がされない事が多いので、
もっともっと多いでしょう。
要するに
相手が居ないと言う側面から、
統計情報に載らない部分で自損事故は莫大な数発生していて、実際には
誰の目にも留まらず処理されている訳です。
こうして実数が把握できないと言う面からも、
今まで電車通勤で安全に通勤していた人にとって、
自転車で大転倒して大怪我・・・なかなか・・・
実感として想像できないかも知れません。
しかし、
「その」当事者である私は未だに足を引きずってます。
2006年の自転車通勤も、
少しでも足の運動機能を維持しようという目的も有ったくらいです。
(
整形外科の先生も勧めてくれましたしね(^_^;)、先生はGary FisherのMTB乗ってました・・・元気かなぁ・・・。)
怪我や病気は「完治した」と言っても、
完全に元通りに修復するわけじゃなく、必ず
大きな代償や後遺症が残ります。
病院や労災が
「完治した」と認定する根拠は何か?
「
これ以上治療のしようがない。(これ以上の回復は見込めない)」
って事でもあるんです。
そう言ったリスクをわざわざ電車通勤から自転車通勤に切り替えることで背負う覚悟は有りますか?
って事なんですよ。
*次回は「電車通勤と自転車通勤の金銭的な側面」を書きます。*
<自由と変化があるはずだった・・・檻から飛び出してみたその先のミライは?>
Posted at 2013/06/01 23:07:39 | |
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日本は自転車先進国 | 日記