
この記事は、
比較チャート 旋回編の解説について書いています。
加速編、
減速編 に続いて 勢いで旋回編も整理してみます。^^
旋回の加速度と角速度は少々ややこしく話が長くなるので、
今回はいきなりG-Bowlグラフ表示の読み方から入ります。
G-Bowl表示は見たまま、オレンジのボールがコロコロ転がる様子で、
前後方向・左右方向の加速度がどう組み合わさって働いているかを
直感的に理解できます。
問題は↑このグラフ表示。アクセル/ブレーキ操作とハンドル操作のタイミングを見るには
ここから動きを読み取りますが、ごちゃごちゃしてWebのヘルプにも詳しい説明が無い。
しばらく眺めると、何となーく こうかな〜?と見えては来ますが。
それにしても理屈に合わないのは、iPhoneの狭い画面を有効活用しようとして、
グラフエリアをコンパクトにする工夫を凝らしているから。それを読み解いてみます。
まずは角速度(ヨー:紫)から見ます。
GPSマップのコースと角速度の対応を灰色線で結びました。
コースの各コーナーと角速度のピークが対応します。
角速度はグラフ中央、紫の水平線が 0(ヨー軸回りに回転してない)を表し、
それより上側が時計回りの右回転(+方向)、下側が左回転(−方向)を表します。
角速度は回転(自転)の速さ、つまり 回転角度÷回転時間 です。
角速度のグラフは相対的に曲がり具合を見れば良いのですが、1目盛りの大きさが
何なのか調べて(実験して)みると、
10秒間に 180° 回る角速度に相当します。
180° = π rad(ラジアン)なので、1目盛りは
π/10 [rad/秒]
【訂正】
大雑把な実測から推測しましたが間違いでした。実際はピタリπ/10ではない。一般的な運転でグラフエリアに収まるよう係数を掛けてます。(将来バージョンアップで実測値を示すかも)ヨーレートは実測値を使う必要性が薄く、相対的にグラフの形を見る目的で表示比率を設定できます。
続いて、横方向の加速度(横G:緑)を見ます。
横方向の加速度はグラフ底辺の横軸が 0(直進してる)を示し、
右向き/左向きに関係なく、絶対値で横Gを示してます。
これが解り難い。本来は右向きを正、左向きを負とすべきところを、
左向きの時は上下逆転しています。(つまり絶対値で表示)
加速/減速Gを絶対値で表してグラフエリアを節約したのと同じことしてます。
でも横Gは、加速/減速Gのような赤/青色の塗り分けをしていないので、
自分で右向き/左向き、どちらなのかを見分ける必要があります。
見分けるポイントは角速度の +/− です。グラフの下に描き込んだ 実線・破線が
示すように、角速度が右回転(+)ならば横Gは右向き、左回転(−)ならば左向きです。
角速度はiPhone内蔵の3Dジャイロで、横Gも内蔵のGセンサーで得ていて、両者は
良く相関します。横Gが働いた結果、旋回してヨー軸回りに自転するので当然ですが。
なぜ、横Gと角速度の両方を表示するんだろう? ちょっと不思議な気もします。
横Gだけでは左右の区別が出来ず、左向きを負とするとグラフエリアが大きくなるから?
あるいはマニアックな人向けに、ハンドル切って横Gが働いても、リアが横滑りして
ヨー軸回りの自転が伴わないケースも考慮してか?
余談ですが、初マイカーの
3代目プレリュードはメカ式4WSを装備して、高速道の
レーンチェンジでは横Gだけ働いて、ヨー軸回りに回らない平行移動の感覚でした。
あれなら横Gと角速度が一致しないシーンがありがちかも?
横Gと角速度の関係をシンプルな定常円旋回で見てみます。
円形コース(半径10m)を一定速度(23km/h)で旋回すると想定します。
横Gリミットの0.4G に 角速度2目盛り分の
2π/10 [rad/秒] が相当して、
角速度の目盛りの決め方はこれくらいがちょうど良いのかな、と思います。
横G/角速度のグラフ形状と、クルマの動きの関係はちょい面倒なのでまたの機会に。
以前、散々書き散らした
コーナリングの話 の焼き直しですが、長くなりそう。^^;
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G-Bowl | クルマ
Posted at
2014/05/29 00:30:50