
ここしばらく、G-Bowlアプリのグラフを眺めていて
ふと気付いたG-Bowlとi-DMの関係。
G-Bowlを通して、i-DMの仕組みが理解できそう。
マツダ技報を読み込んでi-DMの仕組みを理解してる
人には今さらな話だと思いますが。^^
G-Bowlには実物とアプリの2種類がありますが、
この記事で対象にするのは主に実物の方です。
実物とアプリではボールの挙動がかなり違います。
G-Bowl 実物とアプリでボールの挙動が違う
実物 :ボール、すなわち物体の運動。加速度(G)の他に慣性とダンピングが働く。
ダンピングの強弱が異なるボールが3種類ある。
弱い順に ピンポン球 < ゴルフトレーニングボール < オイル入りピンポン球
アプリ:ボールに働く加速度(G)を示す。表示では大きくボールを描いて見せるが、
物体の運動をシミュレートしているわけではない。
実態はGメータそのもの。直感的に分かりやすくボールの転がりに見せてる。
これは大した違いだな〜とお気付きでしょうか?
G-Bowlは「加速度を0.4G以下にコントロールしよう」と謳っていますが、
実物とアプリではその難易度がかなり違う、はずです。(実物は未体験なので ^^; )
実物ではボールの挙動が不安定。慣性とダンピングが働くので、遅れや行き過ぎ、
加速度Gが一定でも、ボールの座りが悪く揺れます。特にピンポン球では。
アプリでは加速度Gを示すだけなので、遅れや行き過ぎは生じない。ただし、クルマや
iPhoneの細かな振動が影響する不安定さはありますが。
例えば、発進加速シーンを想定すると、G-Bowl ボールの動きは…
アプリでは 0G → 0.3G へ動きますが、実物では0.3Gを目指して行きつ戻りつ収束します。
つまり、アプリでは静的な釣り合い位置を示し、実物では動的な位置を示しています。
i-DMのバネマスモデル
マツダ技報 i-DMの概要によると、バネマスモデルを想定して身体の揺れを計算します。
このモデルを見ていて、人間の頭に見立てたボーリング球がバネ・ダンパーに
繋がってる様子を思い浮かべました。重さがちょうど同じくらいなので。^^
i-DM判定に重要な要素は、加速度Gの変化量と、G変化によりボーリング球が
静的に釣り合う位置を行き過ぎる(オーバーシュートする)際の移動速さ。
球の質量は一定なので、通り過ぎる速さで運動エネルギーが決まります。
で、話を端折って、i-DMがどの瞬間に判定(緑:Mild/青:Smart/白:Rought)を
下すのか? それがこの図のJudgement Pointです。
グラフの点線は、バネ力とG変化で生じる力が、静的に釣り合う位置を示します。
つまりボーリング球が移動する際の遅れや行き過ぎを考慮しません。
例えれば、バネ秤にボーリング球をヒョイと吊るすと、針が上下にフラフラ揺れた後に
落ち着く位置のようなもの。^^
i-DMが判定を下すタイミングは、ボーリング球がG変化より少し遅れて振れて、静的な
釣り合い位置を通り越す(下から上へ or 上から下へ)瞬間なんですね。
すると、i-DMが判定する動きの期間は、直前に釣り合い位置とクロス(判定)した瞬間
から、たった今クロス(判定)した瞬間まで、ということです。
言い換えると、動的な位置が静的な位置をオーバーシュート(クロス)する瞬間、
瞬間が、その都度、判定タイミングということですね。
オーバーシュートする際の球の速さと、直前と今回のG変化量に基づいて判定されます。
判定の決め方(緑:Mild/青:Smart/白:Rought)についてはまたの機会に。
例えば、発進加速シーンを想定すると、i-DMのバネマスモデルの動きは…
モデルの球が釣り合い位置(点線)とクロスするポイントで判定されて
例えばこんな具合に青点灯するでしょう。
G-Bowl と i-DM ボールの動きはそっくり
G-Bowlで転がるボールと、i-DMのバネマスモデルで動く球と、作用する力が似てます。
G-Bowlではお皿の中心からの距離に比例して、中心へ戻ろうとする復元力が働きます。
i-DMでは球の移動距離に比例したバネ力が働きます。
ダンピングはG-Bowlのピンポン球だとかなり弱いですが、オイル入りやスポンジボール
では転がり抵抗がよく効きます。でも設定の自由度が小さいですね。
i-DMではプログラムで設定するので、如何様にも自由に設定できますね。
考え方としては、i-DMのバネマスモデルをG-Bowlに置き換えても同等かなあと思います。
そう考えると、加速/減速だけでなく、同時に旋回を絡めて考えやすくなります。
旋回中のアクセル操作で如何に青点灯状態を維持するか? など発展性がありそう。^^
S字コーナーの切り返しで出やすい白点灯をアクセル操作で回避出来そう、かな?
そもそも、i-DMの青点灯はどういう動きを欲しているのか、とか。
「オーバーシュートはさせない」ではなくて、「どう球の動きをリードするか」ですね。