
「
G-Bowlとi-DMの関係」の続きです。
前回は長い前振りでした。これからが本題。^^
前回の要点は次の3つ。
・G-Bowl(実物)とi-DMバネマスモデルが本質的には同等。
・G-Bowlアプリは加速度とボールが静的に釣り合う位置、
実物は慣性とダンピングを含むボール運動位置を表す。
・i-DMの判定は、ボールの運動位置が、加速度と静的に
釣り合う位置に重なる瞬間ごとに、その都度なされる。
今回はG-Bowlアプリの方を対象に、加速度グラフとi-DM判定について見てみます。
前回の i-DMバネマスモデルの捉え方については、そう的外れではないと思いますが、
今回はマツダ技報で詳しく説明してない判定の仕方を推測するので外すかも? ^^;
加速度とボールの運動
G-Bowlアプリの加速度グラフと、G-Bowl実物のボールの運動を関連付けてみます。
まずは加速/減速シーンに注目して見ると
ここで、グラフの加速G(赤)と減速G(青)に着目して、横G(緑) 速度(黄) ヨー(紫)に
ついては無視して考えます。
本来、減速G(青)は負になるので、横軸から下側に描かれるはずですが、アプリの
グラフではコンパクトに収めるため上下に反転表示してます。
これではボールの運動との関連が解り難いので、本来の負の値として描き直してます。
グラフの縦軸は加速度Gであると同時に、G-Bowlを転がるボールの位置でもあります。
アプリのグラフの加速G(赤)/減速G(青)に重ねて、実物のボールの運動位置(灰)を
想定して描き込むと、赤/青色曲線と灰色曲線が交差する位置がi-DM判定ポイント
として推測出来ます。
事例として、発進加速パターンA〜Cを想定して、その時のi-DM判定ポイントと
判定結果を推測してみます。
A:ゆるやかな台形状のパターン
エコ運転にありがちなダラダラしたゆるやかな加速。
緑点灯のままで、青点灯しないパターン。
B:立ち上がり/下がりが明確な台形状のパターン
理想的な発進加速。適切な蹴り出し、一定加速Gを維持、滑らかに目標速度へ。
発進後、約13km/h付近で青点灯開始するパターン。
C:立ち上がりが尖ったパターン
前車との車間距離が不意に詰まった時にありがちな加速。
立ち上がり直後にアクセルを抜いて、加速度が急激に下がる。
発進後、約13km/h付近で青点灯、その後白点灯するパターン。
具体的に想像できるように、グラフには概算で加速度、時間、速度を入れました。
A、Bは異なる加速パターンで同じ目標速度へ。CはBの途中からアクセルを抜いてます。
各パターンの加速G(赤)に、ボールの運動位置(灰)を想定して重ねて描いてます。
加速G(赤)とボールの運動位置(灰)が交差するポイントでi-DM判定がなされます。
各交差ポイントにi-DM判定(Mild:緑、Smart:青、Rough:白)結果を推測して
各色の◯印を付してます。では、どのように判定したのか?
i-DM判定の仕方
判定は以下の2段階を経るようです。(私の解釈では。^^ )
(1)走行パターン1(加速度変化)
各判定ポイントについて、次の2要素によりi-DM判定マップ(Fig.8)に
プロットして判定(Mild:緑、Smart:青、Rough:白)が決まります。
・判定ポイントとその直前ポイントの加速度変化(ΔG) … Fig.8の横軸
・交差する時のボールの速さ(灰色線の傾きで示される) … Fig.8の縦軸
ただし、ΔGが一定値より小さい場合は加速度一定と見なして、
次の段階で判定します。
(2)走行パターン2(加速度一定)
各判定ポイントについて、次の2要素によりi-DM判定マップ(Fig.9)に
プロットして判定(Mild:緑、Smart:青、Rough:白)が決まります。
・判定ポイントにおける加速度G … Fig.9の横軸
・判定ポイントとその直前ポイント間の、ボールの運動の揺れ幅 … Fig.9の縦軸
(↑は私の解釈。マツダ技報には詳しく書いてなくて。^^; )
この2段階を経て i-DM判定マップ(
マツダ技報から引用)に発進加速パターンA〜Cの
各判定ポイントをプロットしてみると、こんな感じになると思います。
マツダ技報のi-DM判定マップは概念図なので、判定領域(Mild / Smart / Rough)の
境界がどこなのか、具体的に数値などは書いていません。
そのため、このシーンでは経験的にこうなるだろう、でプロットしています。
i-DM判定(Mild / Smart / Rough)の境界はどこなのか?
それを知るには実際にi-DM搭載車を運転して、経験的に知る以外に方法がありません。
運転技術が未熟な方が、偶然にSmart:青点灯を体験しながら、このように運転すれば
Smartな運転が出来ると気付き、習得できる可能性は恐ろしく低いでしょうね。^^;
確実なのは
グーグルカーの自動運転っぽく、プログラムされたスロットルコントロール
でしょうか。人間がアクセルを踏みつつ、半自動で制御するのは無理か… ^^;
i-DMで運転を練習中の人は、i-DMランプを頼りに、いつ・どこまで操作すれば良いか、
手探りしながら運転することになりますが、では、i-DMランプを見ながらでなければ、
Smartな運転は出来ないのか?
3rdステージの終盤まで、これに悩みました。
具体的には、走行タイプ1判定マップ(Fig.8)のMildとSmartの境界はどこなのか?
どれくらい加速度変化させれば良いのか、走り込みで体得しろは… 私には無理! ^^;
加速度変化を大きくとると、必然的にオーバーシュートとその速さは大きくなる。
発進加速のような繰り返し決まったシーンでは覚えられても、微妙な中間加速や、
特に不意のブレーキングで実践するのはえらく難しい。(未だに難しい。^^; )
身体で覚えることは追々身に付くとして、適切な動きをイメージしてそれに添う様に
運転することで、Smartな運転が出来ないの〜?と模索していた3rdステージの頃。
あらかじめ目標とする動きのイメージを明確にしないと、無闇に加速度変化を試行錯誤
してもなかなか思い通りに操作出来ないし、思う様に青点灯しないと迷走してしまう。
3rdステージ最終盤で《自分の体感でこうすると良さそう》を見つけ、今に至ります。
それが具体的にどういう動きなのか、G-Bowlアプリのグラフに i-DM判定タイミングを
絡めて見ていて、ようやく頭の中でも理解できました。^^
例えば、上述した発進加速シーンでは、理想のパターンBとは少し違ってます。
経験的に辿り着いた、私なりの i-DM流運転ですが、それはまたの機会に。^^
余談ですが。
冒頭の加速度グラフは
G-BowlアプリのHPから引用しました。
速やかな加速Gの立ち上がり、一定加速Gの維持、滑らかな収束がお見事。^^
ドライビングの上手さ(速さ)を追求すると、やはりこうでしょうね。
ブレーキングも同様ですが、立ち上がりが i-DM判定では白点灯っぽいなあと思い、
白丸を付けちゃいました。 ^^