先日のブログで紹介した動画についてOokさんからご質問を頂き、それがきっかけでログ合成動画を詳しく調べてみました。
気になったのは舵角とヨーレートの関係、特に最大舵角に達するタイミングとヨーレートピークのタイミングのズレです。速度とコーナーR径つまり操舵の速さでヨーレートの立ち上がり方は違うと漠然と考えていましたが、具体的にどれくらいズレるのか。
同一コーナー(練習コース左回りの第2コーナー)でヨーレートの波形が違う3つのログを比較します。上から順にA,B,Cとします。
A,B,Cそれぞれのログ合成動画を再生して4つのポイントを抽出します。
#1:最大舵角に達した瞬間
#2:最大舵角が継続した最後
#3:ヨーレートが最大に達した瞬間
#4:ヨーレート最大が継続した最後
A
B
C
A,B,Cそれぞれの Yaw rate / jerk グラフに#1〜#4のタイミング(動画のカウンター値 分:秒;フレーム番号)を書き込むと
カウンター値から計算すると最大舵角を維持した時間長さは
A:2.1秒 B:0.05秒 C:0.15秒
Aは操舵が止まった期間を認識しますが、B,Cは一瞬で戻し操作に移行します。
そして最大舵角から遅れてヨーレートが最大値に達しますがその遅れは
A:2.28秒 B:0.38秒 C:0.48秒
B,Cは立ち上がり勾配がAより急峻ですぐにヨーレート最大に達しますが、立ち上がりの違いだけでこんなにAはズレるのか? 最初はすごい違いだなーと驚きましたが。よくよく見るとAのヨーレート波形は山形というよりは一様な斜面の様。そして冒頭のログを見ての通り、最大舵角に達した頃から右上りの加速Gが効いてる。
どうもAについては本来最大舵角を維持して水平に一定ヨーレートとなるはずが、加速Gにより公転速度が増大してそれに連れてヨーレートが一様増加したように思える。もっと穏やかな加速Gであれば最大舵角とヨーレート最大のタイミングはもっと接近したはず。つまり単純にヨーレート最大値のタイミングと対応させると見誤りそうということです。
このコーナーは上り坂スタートの第2コーナーで、巡航速度へ達する前にコーナーで減速するので積極的に加速したいのかなあ。A,Bどちらも加速してますが、Bは初期のヨーレート立ち上がりが勝って早くピークに達します。Cは意図的にノーブレーキで進入して加速は速度維持する程度に控えめ。
以上から判断するとAは操舵やライン取りの他に、速度管理が原因で右上りのヨーレート波形になったのでしょう。確かに一定舵角維持の定常円旋回の様に見えて、ヨーレートが逓増するケースはしばしばあります。このコーナーも緩い上り坂でした。機械的にヨーレートピークを判断すると思い切り後ろ寄りになる。
最大舵角とヨーレートピークのタイミングズレを見るなら、この様な斜面ではなく、もっとこんもり山形のログを調べてみよう。
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G-Bowl | クルマ
Posted at
2016/10/22 20:06:40