現地時間8月2日にVolvo Car Groupの2017年7月のグローバル販売の状況が発表されました(^^;;
2015年後半から販売が本格化した
新型XC90発売による新車効果が一巡し、続くS90、V90の伸びがやや鈍く、V70等販売終了モデルや既存モデルの減少を補い切れず2016年10月以降前年同月比マイナスが続いていました。
しかし、復活していた米国の回復一巡の影響は大きいものの、
中国の好調持続と地元Sweden、欧州の持ち直し等から、グローバルでは2017年1月に4ヶ月ぶりの前年同月比プラスに転換し、
以後7ヶ月連続で回復が進んでいます。
7月は1年の中でも比較的ボリュームが小さな月ですが、米国はXC90販売拡大の反動減が続いていますが、中国が好調を持続しており、地元Swedenも前年不振の反動で持ち直し、グローバルでは
同+6.2%となりました。6月にややブレーキが掛かったものの7月も安定した推移を維持しています。
中国は2016年4月に前年同月比▲6.7%と減少するなど
再び調整気味でしたが、8月に同+37.0%と
底打ちし、9月同+27.8%、10月同+17.4%、11月同+12.8%と2桁で回復。
12月はパイが大きいため伸び率は同+3.6%と減速も、2017年に入って1月は同+15.7%と、2月同+20.8%、3月同+20.6%、4月同+38.3%、5月同+38.8%、6月30.9%と2桁増を維持。
そして
7月も9,267台で、パイの小さな月とはいえ同+50.2%と大幅増加となりました。
3月以降は中国が単一国としては販売台数No.1を維持し、一段と中国依存度が高まっています。特に現地生産のS90、XC60、S60Lの需要が強いとの事です。
長年苦戦を続けていた
米国は、XC90の販売本格化から2015年以降復活し、大幅な回復が続きましが、
2016年に入ると新車効果が一巡し増勢は維持しているものの
伸び率は減速。
2016年10月は、同▲14.6%の2桁減と23ヶ月振りのマイナスとなってしまいました。
11月同+11.9%、12月同+8.4%と一時回復し、月間1万台の大台乗せを達成しましたが、その後は再び減少傾向となり、2017年1月は同▲18.2%、2月▲11.6%、3月同▲21.9%の2桁減となりました。
4月同+15.4%、5月同+10.4%の2桁増と持ち直していましたが、6月は▲15.0%と2桁減となってしまいました。
7月も6,967台の同▲18.6%と2桁減が続いています。
XC90とXC60が販売の中心ですが
XC90の新車効果一巡による反動減を旧型のXC60の健闘でカバーし切れなくなってきている様で、
新型XC60の本格投入が待たれます。
米国マーケット自体が7月は▲7%と減少し来ていますので、
再び回復基調を取り戻せるのかが注目されます。
本国Swedenは、
2015年6月以降、同年10月と2016年1月、5月を除いて2桁増が続き、中でも2015年11月、12月には4割以上の増加。2016年に入っても
好調を維持していました。
しかし、2016年7月に同▲11.2%とマイナスに転じて以降は調整が続き、11月には同▲20.6%、12月も同▲14.9%と不振が目立っていました。
2017年に入ってからは、1月に7か月振りに同+15.2%と増加に転じ、2月同+7.0%、3月同+10.5%、4月同+1.4%、5月同+7.4%、6月同+0.2%と
回復を維持していました。
7月はパイが小さな月で前年不振の反動もありますが、
4,783台で同+12.6%と回復しました。
今後の趨勢が注視されます。
モデル別の販売で、
V40については発売後4年目に入りグローバル販売が頭打ちとなり、
2016年に入ってからは前年同月比でマイナスが続いていました。特にマイナーチェンジモデル本格納入開始前の調整か、8月に同▲22.7%の大幅減となりました。
その後、大掛かりなフェィスリフト効果が現れ10月に一時的に持ち直しの動きも見えましたが、40シリーズ合計で11月同▲6.1%、12月同▲11.6%、2017年1月も同▲7.8%と3ヶ月連続でマイナスが続いてしまいました。
しかし、
マイナーチェンジモデルの販売が本格化してきたのか、2月は同+3.4%と増加に転じ、3月同+4.4%、4月同+2.9%、5月同+2.1%と
着実な増加となっています。
ただ、6月同▲7.0%とマイナスに転じたのに続いて、7月も7,209台の同▲8.0%とマイナスに転じており今後の動向が心配されます。
引き続き最量販車種はXC60で、
13,713台(前年同月比+19.0%)とモデル末期ながらも大健闘しています。お買い得で熟成の進んだClassic Model投入が功を奏しているものと思われます。
3月7日にGeneva Auto ShowでNew XC60が発表になり、
一部販売が開始されています。XC90とは異なり、
新たなデザイン言語に現行モデルのイメージも引き継いだ正常進化という感じで前評判も良いので、現行モデルの販売に急ブレーキが掛かることも無く、
スムーズに新型への販売シフトが進んで行くもと期待されます。ちなみに、
新型XC60の販売台数は、販売開始3ヶ月目で2,427台となっています。
新型XC90は好調に拡大を続けてきましたが、
本格デリバティーから2年目に入り、2017年2月はついに前年同月比で前年割れとなってしまいました。
2016年12月は1万台の大台を超えて過去最高の月販台数1万70台(前年同月比+9.7%)を記録しましたが、9月同+87.8%、10月同+12.5%、11月同+15.9%、12月同+9.7%、2017年1月は同+4.7%と減速。
2月は同▲17.4%、3月同▲10.3%、4月同▲21.0%の2桁減になってしまいました。5月にようやく反動減が一巡し同▲1.0%、6月も同▲3.7%。
7月は再び減少幅が拡大し、6,547台で同▲9.8%となりました。
旧型XC60は大健闘でしたが、新型への移行期に入り、
V40もマイナーチェンジ後力強さを欠いています。販売終了した70シリーズの減少が大きく、モデル末期に入ってきたS60、V60の減少も大きくなってきています。
新型XC90が本格デリバリーが始まってから3年目に入り、前年比でマイナスになっているため
S90、V90にうまく繋げて行く必要がありますが、グローバル販売はやや伸び悩み気味の感があります。
米国、中国を狙いとしたXC90はジーリーの思惑通りに成功し、
中国生産も現地需要への対応で順調に拡大している様ですが、
本国Sweden、欧州ではあまり戦略がうまく行っていないのではないかと懸念されます。また、
米国もマーケット自体が縮小気味になってきている点も
懸念材料です。
ジーリーはVOLVOをMB、BMW、AUDIに匹敵するプレミアムプランドに引き上げるとしていますが、直接これらのプレミアムブランドと競合する本国Sweden、欧州の販売低迷、S90、V90の立ち上がりを見ていると、それほどうまくいっている感じには見えません。
V40のマイナーチェンジを含めて、プレミアム化を狙った価格水準引き上げが販売台数の低迷に繋がってしまった様に感じられます。行き過ぎたプレミアム志向はやや見直しが図られている感じがあります。
今後は欧州での主力、量販車種となる次期60シリーズの先鋒として3月7日にGeneva Auto Showで発表され、一部生産販売が開始されているNew XC60の本格販売、4月の上海motor showでの公開は見送られた様ですが、9月発表が予想されている市場が拡大しているコンパクトSUV市場に投入する予定のNEW XC40がどのように推移してくるのかが注目されます。
XC90の減少を補うべくS90、V90の動向ですが、
2017年7月はS90が販売15か月目で3,410台、V90は販売開始13か月目で2,089台、更にV90CCは発売7か月で1,820台で、V90CCはニッチモデルにしては健闘していますが、V90の伸び悩みが心配されます。
なおジーリーの販売動向ですが、2015年12月以降回復が一巡し頭打ち状態になっていましたが、2016年4月以降は持ち直しの動きを見せています。8月前年同月比+68.9%、9月同+81.6%、10月同+94.3%、11月同+99.4%、12月同+101.8%と急速な回復、拡大。
2017年1月も11月、12月に続いて10万台の大台を突破し、10万2,653台(同+70.8%)、2月は88,976台(同+167.0%)、3月86,952台(同+74.2%)、4月86,727台(同+94.5%)、5月76,546台(同+66.9%)、6月88,773台(同+90.6%)、と大幅な伸びが続いています。
なお、7月については、まだ発表されていません。
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Posted at
2017/08/06 10:08:16