先日、地元香川で行なわれた「KLSシリーズ最終戦」に参加してきました。
僕としてもいよいよ、今年最後のレース。
今年1年地元のレースを振り返って見ると、不景気の影響から参加台数が減少傾向の中、ジュニア、キッズ達の熱い走りが目立った、そんな年だったように思います。
子供達の活躍が僕らに良い刺激になるだけでなく、今後の香川、四国のモータースポーツの活性化にも繋がる起爆剤として頼もしい限りです。
そこでそんな個人的な勝手な願いを込めて今回、細やかながら格好いいゼッケン番号をキッズ、ジュニア達にプレゼントをさせて頂きました。今日も、そしてこれからも格好いい走りを願って…ね。
朝から、僕のピットまで子供達がわざわざ御礼に来てくれたりと、レースも未だしていないのにそれだけで心が和み満たされました…こちらこそありがとう。
そんなムードとは裏腹に空模様は怪しい曇り空。
天気予報では3時頃から雨が降るとの事。
今年はこれまでレース前日での雨の予報が無く、レインタイヤを持たずして最終戦を迎えたドライバーも多く、それが今回のレース参加者が少ない大きな要因でもありました。
それでも僕の参加するKTクラスは最終的に7台がエントリー。
今年は企画担当として僕からの提案から仕事等諸条件で全戦出れないドライバーにもシリーズチャンピオンのチャンスをと、5戦中、4戦有効ポイント制を今シーズン採用。
ん…ただそれに合わせてこれまで通り最終戦1.5陪ポイント。これは想定外でしたが…。
ともあれこの最終戦で最低でも4位以上であれば自力チャンピオン確定とかなり優位な状況ではあるけれど、そんな今年のチャンピオン争いを僕としている、「まっちゃん」はレインタイヤ無しでのエントリーとあって雨なしでのガチンコ勝負を願わずにはいられませんでした。
「フリー走行」
朝から時間が経つにつれ下がっていく気温の中、各参加者白い息を吐きながらフリー走行開始。
慎重にピットアウトしているにも関わらず、スピンしている車両から、路面が冷えきっていることが見て取れる。
過信せず、エンジン、タイヤに少しづつ熱を入れてペースアップ。
前日、15000rpm回ったエンジンが14700rpmしか回らずベストラップ36秒6と奮わず。これは前日中古タイヤでのラップよりも遅いタイム。
キャブのオーバーホールを1回も今シーズンやらなかったツケなのか…ライバル「まっちゃん」から0.2秒落ちと苦しいスタートに。
「タイトラ」
前日のタイムに気を良くして選択したいつもより小さいギアを1枚大きいいつものギアに交換し、タイヤの空気圧を若干高めに合わせてタイムアタック。
結果は…「まっちゃんがポール」で遅れる事約0.3秒差で2番手からのスタートとなりました。
「予選①ヒート」
まずまずのローリングスタートを切り、キャブを探りながら1番手の「まっちゃん」を追走。
フリー走行から空いた1周0.3秒差は周回を重ねる事に、タイヤに熱が入るにつれ小さな可能性から、忘れかけていた現実へと引き戻されていく。
それでも安定したラップを重ねていたにも関わらず、さらにラスト2周、かなり引き離していたハズの「なむる君」にいつの間にやら背後に迫られ、最終コーナーでインを刺さされ3番手に転落。
その後、1コーナー「なむる君」のスリップに入り2コーナーで差し返して2番手を何とか死守しゴール。
エンジン回転数は変わらず14600~700rpmとギアを変えても改善が見られず、どうせ回らないならと元の小さめのギアに。そして曲らない印象があり、フロントトレッドを変更して予選②ヒートに望みを託す事に。
「予選②ヒート」
グリットにカートを各人並べる頃、今日1番の心配事…そう、空から遂に雨粒が落ち始める。
「まっちゃん」を先頭に今日2度目のローリング。
ポールにのみ許されたローリングペース配分を今度はどう活かすのか!?あまり周回をせず、タイヤに熱を入れずガチンコ勝負でくるのかな…そんな事を考えていた矢先、何と3コーナー進入で「まっちゃん」がスピン。
その後、無事先頭に復帰し、スタートが成立。
周回を重ねるにつれ、酷くなる雨脚。
流石に「まっちゃん」も目まぐるしく変わるスリッピーな路面状況に戸惑っている様子が見て取れる。
チャンス到来…
そして俊パパのアドバイスがまた昨日のように過ぎる。
ヒート2で抜いても決勝グリットは変わらない…それはゴールしてみないと判らない事だと。
だからチャンスがあれば抜くべきだと。
何より、「まっちゃん」は今日、レインタイヤを持ち合わせてない、ここでレースしなければ、結果は付いて来ても自分自身が一番納得がいかない受け入れがたい結果となるのは明白。
どうしても今日コース上で抜かなければ。
「まっちゃん」のペースがかなり落ち始め、どのコーナーでも行ける状況下、丁度3コーナーで「まっちゃん」が立上がり大きくテールスライド。
続く4コーナー進入スピードが極端に落ちた所でインを刺しオーバーテイク。あとは濡れた路面をスリックタイヤで走るというスリルを楽しみながら周回。
後続を引き離して1番手でゴール。
「決勝」
決勝は俊パパの言う通り、「まっちゃん」は予選②ヒートで3番手でゴールした事から僕はポールスタートとなり、完全にウエット路面となった事から「まっちゃん」を含め約半数がリタイヤ宣言を出し、3台のみ出走と寂しい決勝となりました。
リタイヤ宣言を出した「まっちゃん」に優勝を誓いグリットへ。
ローリング中、1年落ちとはいえレインタイヤのグリップが落ちていない事を確認し、勝利を確信。
自分の前に、いるであろう「俊君」、「まっちゃん」をイメージし、家族の理解から走らせて貰えている喜びを感じながら手を抜く事無く毎周回タイムアタック。
気が付けばチェッカーフラッグが目に入るも、嬉しい気持ちと、もっとこのまま、ずっと走っていたいという複雑な心境でのゴールとなりました。
「レースを終えて」
シーズン直前、フレームが折れるというアクシデントに見舞われ、金銭的な理由から上級フレームからMT-01となり、そして自家製エンジンに切り替わる等、昨年より不確定要素の多い中、家族をはじめ、俊君一家や地元カートに携わる多くの方々にご支援ご指導のもと「2年連続KLSシリーズチャンピオン」を取らせて頂き、本当に幸せ者だと思います。
そして結果的に、こうなっただけだとも当然思ってもいます。
もう1度今年のスチエーションでレースをしたならばまた違うチャンピオンが生まれた事でしょうから。
自惚れる事なく、子供達に負けないよう、また来週から練習に励もうと思います。
そう、「練習に勝る天才は無し」…これを信じて…ねん♪
そして今回のレースを終えてKLSから、来年香川シリーズは無くなるとの残念なお知らせがありました。
ただ全くレースが無くなる訳では無く、徳島で2戦、香川で3戦、合計5戦で争う新生!?アイランドシリーズを行う予定であるとの事。理由は冒頭でも少し触れましたが経済的に厳しい状況からの苦渋の決断でしょう。
それだけに、「お金を掛けず楽しむカートイベント」に力を入れていくとの事なのである意味レジャー派のカートファンにとっては朗報かも知れませんね。
僕もチャンスがあればイベントに参加してその中でレースの醍醐味を伝えていきたいと思います。
そして少しでも早い「香川シリーズ復活」に繋がればと思っています。
皆さん、明日から始められる身近なモータースポーツ、レーシングカートを僕と一緒に盛り上げて行きましょう!