朝日新聞デジタルより
自民、公明両党は11日、軽自動車を持つ人が毎年自治体に納める「軽自動車税」について、2015年4月以降に買う新車(自家用四輪)を対象に、現行の1・5倍となる1万800円に増税することで合意した。
今の保有車は年7200円で据え置く。
同じ軽自動車税がかかっている原付きバイク(50cc以下)は、今の1千円から2千円に、250ccを超える小型二輪車は4千円から6千円に上がる。
農家などが使う営業用軽トラックは3千円から3800円になる。
2016年度からは、新車登録から13年以上を過ぎた車に20%高い税金がかかる仕組みも取り入れる。
自家用四輪なら1万2900円になり、古い車から燃費の良いエコカーへの買い替えを促すねらいだ。
軽自動車税は、普通車の最も低い自動車税額(千cc以下で2万9500円)の4分の1以下と安く、普通車との格差是正が長年の懸案になっていた。
産経新聞より
政府・与党は11日、平成26年度税制改正の焦点となっていた軽自動車税の増税で合意した。27年4月以降に購入した新車に限って、税額を自家用乗用車で現在の1・5倍、貨物用と営業用で1・25倍に増額する。
一方、自動車の購入段階で課税される自動車取得税は消費税率が8%になる26年4月から軽自動車は現在の3%を2%に、普通自動車は5%を3%にそれぞれ引き下げる。
12日に決定する与党税制改正大綱に盛り込む。
自家用乗用車の軽自動車税は、現在の年7200円から1万800円に、貨物と営業用は年3千円から3800円に上がる。
軽自動車税には排気量50cc以下の原動機付き自転車(ミニバイク)やオートバイも含まれ、これらも税額を約1・5倍に増税する。
ただ、27年3月末までに購入した軽自動車の税額は現状ベースで据え置く。
車を保有することでかかる軽自動車税は翌年度以降に課税される仕組み。
このため、増税分の税金を納めるのは、28年4月以降になる。家計の負担増を考慮して、27年10月に予定される消費税率の10%への引き上げと軽自動車増税の実施時期がずれるようにした。
今回、軽自動車税の増税を決めたのは、性能向上にもかかわらず、税額が小型乗用車の自動車税の4分の1以下と低く、格差是正が不可欠と判断したため。
一方、地方税の自動車取得税については、自動車業界が一律3%の引き下げを求めていたが、地方の税収減に配慮して、普通自動車で2%の減税にとどめた。
取得税は、消費税率10%引き上げ段階で廃止する。
車検時にかかる自動車重量税はエコカーの減税を拡充する一方、新車登録から13年を超える旧型車は増税する。
・・・増税に合わせて散々議論された軽自動車税の増税か?据え置きか?の問題は、当初予想されていた2倍の14.400円にこそなりませんでしたが、結局、乗用は現行の1.5倍である10.800円に、商用は3.000円から3.800円に引き上げられる形でまとまりました。
但し、2輪車も含めて2015年4月登録分以降という条件付きの実施となります。
あくまで個人的な意見ですが、今までの軽自動車は優遇されすぎだったと思います。
軽自動車という枠は日本が世界に誇る独自の規格であり、限られた枠の中で各メーカーが技術の粋を結集し、切磋琢磨して育て上げてきたジャンルでもあります。
昔に遡ると、満16歳以上で取得できた
「軽自動車免許」というものも存在したほど、日本車メーカーの成長と発展に貢献した重要なマーケットでもあるわけです。
そのサイズがもたらす重要性と生活にマッチした市場ゆえ、旧来から多くの人々に愛されてきた軽自動車ですが、その一方で登録車との税金の格差が長い間取り沙汰されてきたことも事実です。
地方に行くと、軽自動車でないと入れない場所や、軽自動車がないと仕事や生活が成り立たない人々、経済的な理由で軽自動車を選ばざるを得ない人々が沢山いるのは事実です。
その一方で、衝突安全性能が向上した今、2台目・3台目の用途として半ば
「贅沢品」的な買い方や、
「チープなコンパクトカーを買うぐらいならば色々付いて税金も安い軽にしよう」という買い方をする人が多いことも事実なわけで、その結果、現在の新車販売台数の4割強が軽自動車・・・という色んな意味でメーカー泣かせの状況が続いているのは皆様ご承知の通り。
ひとくちに「色んな意味で・・」と書きましたが、単に新車が売れるだけであればメーカー(ならびにサプライヤー)サイドとしては万々歳なわけですが、あまつさえコストにシビアな軽自動車故、売れすぎたら粗利が取れにくい・・・というデメリットもあります。
デメリットをカバーするにはとにかく多く売ればいいわけですが、万が一先々でリコールが起きると、売れた分だけ対処しなくてはいけないというリスクもあるわけで・・・
しかも、自・公・与が合意した内容は
「平成27年4月登録の新車から」となっているわけで、巷でよく見かける「未使用車」はこの中に含まれません。
つまり、殆どの人は(2014年の増税以降~)この時期を迎える前に駆け込みで新車を購入するか、慌てずに未使用車を物色するかに分かれると思うのです。
同時に、取得税を引き下げ>撤廃も濃厚ですが、エコカー対象車であればそれも関係ないわけですし、消費者の多くはそんな細かい部分よりも目先のことが関心事なわけです。
スズキの鈴木修氏は長年にわたり、先頭に立って増税に真っ向から反対し、その効果もあってかなんとか現状維持出来ていたわけですが、流石に全体の40%超という軽の新車販売台数に目をそらせないと思ったのでしょうか、
静岡新聞のインタビューには
「増税の対象を新車だけにしてくれたことや増税時期など、いろいろな配慮をしてくれた」と答えています。
頑固一徹主義であり、現場主義でもある修氏も
「今回の増税は、現状のマーケットを鑑みると止む無し」と思ったのでしょうが・・・
まぁ何はともあれ、修氏の眼の黒いうちに合意できたことは、増税自体に賛否両論あれど、本当に良かったかと思います。
一方、どうも納得がいかないのが13年超の車両に対する増税。
上述の通り、2016年度からは
「新車登録から13年以上を過ぎた車」に20%という高い税金がかかる仕組みが採り入れられてしまうわけですが、現状ですら13年超は10%の増税・・・つまり、排気量2.01~2.50Lの場合は45.000円が54.000円に跳ね上がるという事態に陥るわけです。
表向きの理由はあくまで
「エコカーへの代替促し」ですが、コレはどう考えても旧車に対する嫌がらせです。
確かに、燃費のいい車に買い替えることは地球保全や経済性向上につながる手段であることは否定しません。
しかし、今のクルマに魅力を感じず、敢えて旧車に乗る人もいるでしょうし、経済的理由で新車への代替が難しい人もいるでしょうし、冷静に鑑みると
「長く乗ることや費用を安く上げるこそがエコロジー」という捉え方もできます。
ましてや、増税によって
「アベノミクスとは何やねん?」と言いたくなる、家計が悲鳴をあげそうになる家庭がますます増えること必至の世の中ですから、このような手段による増税は如何なものか?と言いたくなりますわけですよ。
それら増税分を補うには車検を「ユーザー車検」にするとか、車庫証明や各種手続きを自分でやる、走る距離を減らす・・・など捻り出せばいくらでもあるのでしょうが、全ての人がそれらをそつなくこなせるとは限らないし、やりたくても出来ないって人もいるでしょう。
悔しいけど、どんなにアホで愚かな政治家でも、選んだのは我々国民です。
確かに納得のいかないことは多々ありますし、「もし俺が政治家なら~したい」と考える機会も多いです。
金持ち族には恐らく一生悪影響の無いこれら諸問題ですが、一般庶民は今後ますます冷たい風にさらされることが多くなるでしょう。
でも、これらが可決され、施行されたからといってすべて”お上”の言いなりになる必要はないし、工夫次第で今までと同じ水準で維持できるかと。
これら一連の流れを見ていると、今だからこそ我々の創意工夫が試されるような気がします。
Posted at 2013/12/12 19:05:58 | |
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