
若いころからSFが好きで良く手に取っています。もっと必要な勉強?もあるのですが生活と関わりのない読書は日頃の煩わしい事も忘れて頭を空に出来ます。先日書店でこんな本を発見。
「銀河帝国の興亡1 風雲編」アイザック・アシモフ著
言わずと知れたSFの古典的名作。これを初めて読んだのはもう何十年も前の事になるでしょうか。今回のものは完全新訳版のようです。昔の物と比べてみようと本棚を探しましたがファウンデーション三部作は見当たりませんでした。アシモフの本は再販時に結構買い直していましたが初期のものは引っ越しの時に無くしたものか傷んで処分したのか‥記憶は定かではありません。
読んでみると普通にやっぱり面白い。あの頃と比べて無駄なウンチク(笑)も人生同様増えているわけですがみずみずしい文体に直ぐに引き込まれてSFってのはこれでいいんだよ‼と心の中で喝采していました。
銀河帝国の興亡の初出はいまだ戦雲が世界中を覆っていた1942年。東部戦線でドイツ軍がヴォルガ川を越えてコーカサスを急速に進撃。スターリングラードで赤軍と対峙していた頃です。そんな頃に既にこの壮大な銀河にまつわる物語が生み出されていたとは…人間の創造力の翼には驚くばかりです。
みんカラ的にクルマネタでも。1942年には果たしてどんな車が世に存在していたのか?

ドイツでは鬼才フェルディナント・ポルシェ博士により戦後フォルクスワーゲン「ビートル」として知られることになるKdFワーゲンがすでにほぼ完成しています。現代に続く小型乗用車の原点ともいえる永遠のスタンダードが誕生していたわけですね。
海の向こうのアメリカでも現代のクルマに大きな影響を与える事になるもう一台が誕生していました。

ウィリスジープMB。以後の4輪駆動車のマスターピースとなった偉大なる車両。世界中のありとあらゆる戦場を疾駆しただけではなく戦後の民生用の4輪駆動車の原点になりました。発注元の軍の要求スペックには地雷を踏んで2輪を失ってもスペアタイヤを使用し残り3本で100キロを走破出来るとか車載工具のみで全ての修理が可能な事とかちょっと信じられない項目もあります。戦場での過酷な要求がこれだけの洗練された機械を生み出したとも言えます。
ピューリッツァー賞を受賞した従軍記者のアーニー・パイルは「大戦における武器以外の主も偉大な発明品はジープとコールマンのGIポケットストーブだ」と語っています。ちなみにパイル自身はジープ乗車時に戦場で命を落としています。

このコールマンのポケットストーブも1942年に北アフリカ戦線の兵士の為に登場しました。戦場で煮炊きを行うための個人用の携帯バーナーです。ようは現在われわれがアウトドアで重宝している携帯用のシングルバーナーの元祖。こちらの軍の要求スペックも「摂氏-51℃から+51℃の範囲であらゆる燃料を燃焼させることが出来て容量1リットル弱のミルクボトルより小さく軽量で2か月で5000個生産する事」とちょっと信じられないものです。
当然GIポケットストーブもジープ同様戦後は民生用に転用されて人々の生活を豊かにしていきます。1942年の時点で基本的なスペックはすべて満たしている点でも驚くべきことです。

こちらのコールマン/ピークワンもこれらの偉大な系譜につながる機械なんですね。
スタンダードとは時代を越えて輝きを放つもの。そんなスタンダードにどうしても惹かれてしまうのは私だけではないでしょう(^-^)
Posted at 2022/03/07 17:59:37 | |
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