昨年10月、米ロサンゼルス近郊で開かれた新しい全輪駆動車の発表会を訪れた。
会場は、小さな空港だった。周囲が薄暗くなりはじめた午後7時、黒いポロシャツに黒いズボンという黒ずくめの人たちが100人近くずらりと並んで招待客を迎えていた。
屋外につくられたステージにテスラの創業者、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が現れると、招待客から大きな歓声がわいた。
黒のベルベットのジャケット姿で現れたマスク氏は43歳。ネット上の決済システム「ペイパル」の前身の会社を作ったことでも知られる南アフリカ出身の若き実業家だ。2002年にロケットや衛星の開発や打ち上げを手がける「スペースX」を設立し、NASAとの契約で国際宇宙ステーションにも物資を届けている。
テスラは03年にシリコンバレーのエンジニアらが設立した。マスク氏はこの会社に投資し、その後会長になった。08年に初めてEVの販売を始め、13年には約2万2千台、昨年は約3万4千台を生産し、今年は5万台以上と、着実に生産規模を広げている。とはいえ、世界の自動車会社の中ではまだまだ小さなベンチャー企業だ。それでも世界の注目を集めるのは、EVで社会を変えようというビジョンを持っているからだろう。
舞台では、派手な音楽とともに、スクリーンに大きく「D」の文字が映し出され、ステージ右手から車体の下部が現れた。マスク氏が新機能を紹介すると、聴衆からも時折質問や冗談が飛ぶ。マスク氏もマイクを通じて答えたり、冗談を返して笑ったり。ベンチャー企業らしい、堅苦しさのない発表会だ。
この日お披露目したのは、従来のセダン型「モデルS」を全輪駆動にした「D」。
「D」はデュアルモーター(全輪駆動)を示す。マスク氏いわく、「Dは個人でジェットコースターを持つようなもの」。前後にモーターをつけることで加速力がさらに上がり、85キロワット時のバッテリーを搭載した高性能の「P85D」は、走り始めて3・4秒で時速100キロに達するという。モデルSの「85」では5.6秒だったので、さらに加速力が増したことになる。もっとも、この数字が何を意味するのか、実際に乗ってみるまではなかなかピンとこない。
まず、実用化されている機能の多彩さに驚いた。ウィンカーを左右に出すだけで周囲との車間距離を測り、自動で車線変更してくれる。目的地に到着すると、駐車できる場所を見つけて自動的に駐車する機能も搭載されている。「まだ手を離して寝ていられる、という段階ではないが、将来は、スマートフォンのカレンダーに時間と場所を入れておけば、そこに車が迎えに来てくれるようになる。技術的にはもう近いところまで来ている」。マスク氏の話に、感嘆の声が漏れた。
自動車の運転が、人間がやる作業ではなくなったとき、社会はどう変わるのか。まずタクシーを使う必要がなくなるかもしれない。車が自分の居場所まで迎えに来てくれるからだ。飲酒運転や、高齢者の運転の問題も解消される可能性がある。しかし、万が一事故が起きたとき、それが所有者の責任になるのか、自動車メーカーの責任になるのかなどについて、議論が続いている。
テスラのEVが「車の概念を変えている」と感じるのは、車自体がネットにつながっており、車の機能がスマホやパソコンのソフトと同じように、「アップデート」されることだ。たとえば、最新のアップデートでは、運転中のエネルギー消費を管理しやすくする機能、正面衝突を知らせる警報、運転前の車内の温度調節機能などが新たに追加された。つまり、一晩のうちに(夜とは限らないが)新しい機能を備えた車に変わっているというわけだ。
発表が終わると、「P85D」の体験試乗が始まった。発表会場が空港だったのは、空港の広大な敷地を利用して車を走らせるためだったのだとようやく気づいた。入り口で出迎えた黒い服を来た人たちは、このために集まっていたテストドライバーだった。試乗する我々は3人一組になり、1人が助手席、2人が後部座席に座る。私は助手席に座らせてもらった。
運転席の横には長方形のスクリーンがある。アップルのタブレット「iPad」を少し大きくしたような形だ。タッチパネルになっており、ネットにつながっている。車の設定変更や、ナビ、空調、音楽などほとんどの操作はこのタッチパネルで行う。地図を表示し、航空写真を使ったナビゲーションもできる。
車に乗り込むと、隣に座ったテストドライバーの男性が「シートベルトをしっかりと締めて、首をヘッドレストにしっかりとつけてください」という。この時点で不安が頭をよぎる。しかし、理由を聞く間もなくテストドライバーは直線距離を一気に加速。数秒で車は時速100キロを超えた。胃が浮くような感覚に、座席にしがみついているのが精いっぱい。道路の横に設置されたライトが流れるように遠ざかる。まさに、ジェットコースターで上から下に落ちていくときのような感覚と言ったらいいだろうか。後ろに座っていたがっちりとした体格の男性は悲鳴とも叫びとも言えない声を出して、息を切らせて呼吸を整えるのに必死になっている。言葉の出ない3人を尻目に、ドライバーはスピードを落としながら、今度は隣のレーンへの車線変更をしてみせた。左に方向指示器を出すだけで車はすっと隣のレーンに入っていく。コースを回り終えると、自動で減速して止まった。
こんな車が、どこでどのように作られているのか。今年1月初め、サンフランシスコ市の南東にあるカリフォルニア州フリーモントの工場を訪れた。
約50万平方メートルあるという工場には、従業員約4千人が働いている。案内してくれたテスラのアダム・スラッサーさんによると、この工場はトヨタ自動車が初めて北米進出した際、米ゼネラル・モーターズ(GM)と合弁工場を作った歴史的な場所だそうだ。「テスラがこの工場を譲り受けたとき、シリコンバレーからきた社員は、内部の設備の何が必要で、何がいらないのかさっぱりわからなかったらしい」と笑った。
見学はカートのような乗り物に乗り、一から車ができていく様子をたどるようにコースができている。写真撮影が許されているのは一部だけだ。印象的なのは、自動車工場とは思えない明るさと、工場独特の臭いがないこと。ずいぶん昔の話だが、日本の大手自動車会社の工場を訪れたときには、油の強烈な臭いが工場全体を覆っていたのを思い出す。しかし、EVはガソリンや排ガスなどの臭いとは無縁だ。
工場内には所々植物も置かれており、従業員が休憩できるスペースには、シリコンバレーの多くの会社と同じように、無料のスナックや飲み物が常時置かれている。工場内を移動するために所々に自転車置き場があり、従業員は自転車で移動している。
ラインは最初、車体の左側と右側が作られる流れに分かれているが、途中で合流して車の形が出来上がる。人が車体の下に潜り込まずに作業できるよう、一部の工程では高い位置に車が持ち上げられ再び下におりていく。大小のロボット160機以上が稼働し、ロボットの動きの合間に人が入って素早く作業しているのが見える。
EVはガソリンで走る車に比べ、作りが格段にシンプルだ。スラッサーさんは「部品が少なく、違うモデルの車でも同じラインで効率良く作れる」と話す。車を走らせている蓄電池は、パソコンのバッテリーに使われているのと基本的に同じもので、日本のパナソニックの蓄電池が使われている。
この工場では週約1千台が作られる。現在生産しているのは「モデルS」だが、今年からはスポーツ用多目的車(SUV)「モデルX」の生産も始めるという。
テスラが販売するEVの価格は、米国では1台約7万1千ドル~10万6千ドル(約840万~1250万円)。EVに対する連邦政府の減税措置が7500ドル(約88万円)あり、州の補助もある。カリフォルニア州の場合は一番安いモデルが約6万1千ドル(約720万円)になる。工場見学の最後にスラッサーさんに「社員割引はあるのですか」と聞くと、彼は「それが、まったくないんです」と笑い、急に真顔になって言った。
「テスラはマスクCEOがゼロから借金して始めた会社です。だから特別な扱いはだれにもしない。知人に寄贈したときも、自分のポケットマネーで定価を払っていましたよ」
テスラは市場関係者の目にはどう映っているのか。ある大手金融機関のアナリストは「中国市場の伸びが思ったほどではないものの、欧米市場が好調で、今年も大きな成長が見込める」という。中国で伸びない理由の一つには不安定なネット事情があり、ナビゲーションがきちんと動かない問題がある、という。「これだけ高額な車なので、すべてがきちんと動かないと客は満足しない」。伸び悩む中国市場の分を好調の北米市場が支えているという。「今後は市場の予測以上に、EVを選ぶ人は増えていく。他の自動車会社はまだ通常のガソリン車が中心なのに対し、テスラは最初からEVに特化している。今後EV市場の競争が激しくなっても、テスラがEVの生産で最も優れた会社であり続けることはかわりないだろう」と話す。
昨年6月、マスク氏はテスラが所有するEVに関する200あまりの特許を公開して話題になった。特許を巡る訴訟が日常茶飯事のシリコンバレーでは考えられない決断だったが、背景にはEVを業界全体で普及させることで、テスラ自身も成長できるとの考えがあったようだ。EVは充電しなければ動かない。ガソリンスタンドのように外出先で充電できるスタンドが各地に作られなければ、電気自動車の普及はとうてい望めない。そのためにも、より多くの会社がEVの開発に加わってEVを市場に広める必要がある。テスラにとって、競争相手は同じEVを作る会社ではなく、ガソリン車だという意思の表明でもあった。今後テスラはどう成長していくのか。EVはどこまで広がるのか。世界の目がこの小さな会社に注がれている。
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率直に言って、新型デュアルモーターであるP85Dの0~100km/h3.4秒には大いにそそられる。
GT-Rには及ばないものの、Audi R8には0.2秒優っているではないか・・・。
しかも小生の電動車椅子Nutron R51LXP号のように、シューッという不気味なモーター音をたてて(いやほとんど音をたてずにといった方が正しいか)これだけの加速が味わえるのなら、かつて経験がないという意味で異次元の世界であろうことは想像できる。
ところで、もうひとつのセールスポイントであるオートパイロット機能は、将来の自動運転に繋がっていくのだろうか。
長距離レーダー・画像認識カメラ・超音波探知機等を搭載し、ソフトのアップデートを進めることにより、5年後の完全自走車を目指すと豪語するマスクCEO。
いよいよコンピューターがクルマを操作する時代が到来しそうだ。
しかし、なるほど人間が犯すミスは一定程度防げるかもしれないが、コンピューター自身の不具合はクルマにとって致命的である。
テロリストによるハッカー攻撃も十分考慮しなければならない。
既にお気づきかもしれないが、コンピュータと表記せずコンピューターと言っている時点で小生のアナログ人間ぶりはバレバレである。
常に自動運転に批判的な立場をとるのも、機械のことはからっきしダメだからだ。
からっきしだから、当然コンピューターのことを全面的には信用していない。
いずれにせよ、5年後も自分の手で運転できていることを祈るのみである。
さて、半ば突発的に絵を観たくなったため、一昨日、川越市立美術館に行ってみることにした。
インターネットで調べると、「たまものin川越」という特別展が行われているのである。
12時10分、自宅を出発。
ホンダザッツの背後に迫る不気味な影・・・。
13時5分、トウチャコ。
身障者用スペースに止めさせて頂く。
「国際社会と連携し、地域の平和と安定に貢献する。この方針を変えることはない」。20日午前(日本時間同日夕)、イスラエル・エルサレムのホテル。安倍首相は予定より1時間遅れて始まった記者会見で、硬い表情でこう語った。
首相は16日に日本を出発し、まずエジプトとヨルダンを訪問。3カ国目となるイスラエルで、今回の中東訪問の成果を表明するはずだった。だが、会見予定時刻の約2時間前、「イスラム国」のメンバーとみられる男が、身代金を払わなければ拘束している日本人2人を殺害すると脅す映像がインターネット上に流れたことで状況は一変した。
首相は17日、エジプト・カイロで行った中東地域の政策演説で「イスラム国」が勢力を広げるイラクやシリアなどに難民・避難民支援などとして約2億ドルの無償資金協力を発表。「『イスラム国』がもたらす脅威を少しでも食い止める」との決意も表明した。
その3日後、映像に出てきた男は「日本の首相へ」と名指しした上で、「『イスラム国』と戦うために2億ドルを支払うという馬鹿げた決定をした」などとなじったのだ。
映像を確認後、首相はすぐに首相官邸の菅義偉官房長官と電話で連絡を取り、
①事実関係の確認に全力を尽くすこと
②関係各国と協力して人命第一に対応すること
の2点を指示。官邸の危機管理センターには対策室が設置された。菅氏は20日夕の会見で「これが事実であるなら人質を盾にとって脅迫することは許し難く、強い憤りを覚える」と首相と歩調を合わせた。
その後、官邸で開かれた関係閣僚会議では、首相臨時代理を務める麻生太郎副総理が「邦人の早期解放に向け、最大限の努力を尽くす。関係省庁が緊密に連携し、対応してほしい」と閣僚らに要請。岸田文雄外相は滞在先のベルギー・ブリュッセルで、「基本的にテロに屈することはない。欧州諸国、米国など関係国とも意思疎通を図りたい」と記者団に語った。
■乏しい情報収集の手段
日本は原油輸入の7割を中東に依存し、この地域の安定は日本経済にとって死活問題でもある。首相は今回の中東訪問で、和平交渉が頓挫したままのイスラエルとパレスチナの双方に交渉再開を呼びかけ、政権が掲げる「積極的平和主義」を世界にアピールすることを狙っていた。
各国首脳との会談も順調に進んでいた。18、19両日に行われたイスラエルのネタニヤフ首相との会談では、焦点の投資協定について今年末までの締結を目標とすることで合意。ネタニヤフ氏は「首相はアベノミクスで経済を引っ張っている。自分も『ビビノミクス』のつもりで頑張りたい」と、自らの愛称「ビビ」を用いて連携をアピールしていた。
ただ、「イスラム国」が勢力を広げる地域で、日本政府が情報を入手する方法は乏しい。政府は隣国ヨルダンに退避している在シリア日本大使館を通じて情報を収集している。シリア国内の治安悪化のため、2012年3月に一時閉館しているためだ。
首相は20日に予定していたパレスチナの農産加工団地の視察を取りやめた。21日には日本に帰国する。中東訪問に同行していた中山泰秀外務副大臣はヨルダンのアンマンに飛び、現地で対策の指揮に当たる。警察庁も20日、国際テロリズム緊急展開班をヨルダンで活動させることを決めた。
だが、外務省幹部は「現在、日本政府の人間はシリア国内にいない。安否どころか情報の真偽すら直接は確認できない」と語る。
そもそも事件は政権にとって「想定外」だったようだ。首相官邸の高官は明かす。「今回のような事態は全く想像していなかった。湯川(遥菜)さんの足取りもつかめていなかった」
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パリでの事件の後、フランスで実施されたデモが話題を呼んだ。
370万人もの大群衆が集ったことについてさまざまな解説がなされたが、デモの中に各国の首脳陣が含まれており、特にイスラエルの首相がいたことから、このデモは茶番だと指摘するむきもある。
しかしよくよく考えれば、一個人である人間だって二面性を持っているのだから、国家ならなおさらだ。
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