
2013年に試乗して記憶に残る車を振り返る、今日はボルボ・V40です。
3月に試乗しました。
撮った写真データを無くしたので、ボルボのHPから借りました。
V40はメルセデスAクラスやBMW1シリーズと言った所謂プレミアムコンパクトに相当し、以前のV50とC30を統合したハッチバックモデルになります。
全長4370mm、全幅1785mm、全高1440mm、車重1430㎏のサイズは、まさにAクラスとガチンコのライバル関係にあります。
フォルムも似ていますし。
ベースグレードの「V40」と、17インチホイールやクルコンなどが標準装備となった上級グレードの「V40 SE」の2種類があります。
駆動系には違いが無く、どちらも1.6Lターボに6速ダブルクラッチミッション。
180ps/24.5kgmを発揮し、カタログ燃費は16.2km/L。
値段は「V40」が289万円、「V40 SE」が329万円。
ボルボだけあって安全面でもぬかり無く、出たばかりの頃はオプションだったセーフティーパッケージが標準となり、衝突防止やアダプティブクルーズコントロールなどが付いてきます。
その分、20万円値上げになりましたが。
スポーティーな外観も心惹かれますが、より素晴らしいのは内装の質感の高さです。
一昔前のボルボはアルミの使い方が下手で安っぽい印象を与えていましたが、効果的にアルミを使えるようになっただけでなく、ダッシュボードの素材なども質の良いものに変わりました。
メーター類も近未来的で視認性の良いものでした。
試乗車は上級グレードの「V40 SE」で、20万円の本革シートや18万円のパノラマルーフが付いている、全て乗せの1台です。
この本革シートの座り心地が良く、お世辞ではなくベントレーのシートのようです。
買うことになったら、頑張って付けてしまいたくなるでしょう。
1.6Lターボですが、1600回転と言う低回転域から最大トルクを発生させるので、スタートはかなり速く、日常使いでは全く不満は無いと思います。
0-100km/h加速は7.7秒ですが、数値以上に速く感じるでしょう。
全体的に車が軽く感じ、フットワークの良さは他にあまり類を見ない。
見切りも良く、車両感覚がとても掴みやすい。
ステアリングの重さもちょうど良い。
ブレーキもよく効きます。
出足の鋭さと言い、滑らかなシフトと言い、ステアリングフィールの素晴らしさと言い、今までのボルボのイメージとはかけ離れた、スポーティーで本当に完成度の高い1台です。
不満点を挙げると、少し足回りがばたつくのと、坂道などでミッションが最適なポジションを見付けられずに急加速のような症状を見せる点などです。
試乗では体感できる状況がありませんでしたが、「V40 SE」の最小回転半径が5.7mなのも結構大きな問題です。
ボルボは直列エンジンを横置きなので、5気筒以上だとどうしても最小回転半径が大きくなる問題がありましたが、4気筒でも改善されていないですね。
メルセデスAクラスもBMW1シリーズもアウディA3も5.1mですから、その差は大きい。
オプションで幅の狭いホイールを選べるようになったので、そうすると5.2mになるようですが。
折角のDCTなのにパドルシフトが無いのも残念。
オプションでも良いので選べるようにして欲しかった。
また、走りとは関係ありませんが、コンパクトカーなので後部座席もトランクも広いとは決して言えない点もマイナスポイントです。
ボルボのワゴンをイメージすると収納面でガッカリするかも。
しかしこれに関しては、ライバル車も似たようなものです。
総合的に考えれば、この値段でこの走りですので、かなりお勧め出来る1台です。
小回りを気にするのならば「V40」を選べば良いのですし。
今まで日本のプレミアムコンパクトはドイツ御三家が席巻しており、アルファロメオやシトロエンなどがことごとく返り討ちに遭って来ました。
しかし、V40なら十分良い勝負が出来ます。
とても利益率が高いカテゴリーなので、他のメーカーも黙ってはいられないでしょうから、プレミアムコンパクト界から目が離せません。
ブログ一覧 |
試乗記 | クルマ
Posted at
2013/12/05 20:47:03