
ルノー・ルーテシアのスポーツモデル、ルノースポール(R.S.)シャシーカップの試乗をして来ました。
ルーテシアR.S.は全長4105mm×全幅1750mm×全高1435mm、車重1280kgで、所謂Bセグメントに属するモデルです。
1.6L直4ターボを載せ、200ps/24.5kgmを発揮。
ミッションはゲトラグの6速ダブルクラッチでポルシェのPDKと同じスピードで変速。
レースモードにすればローンチコントロールが可能になり、0-100km/h加速は6.7秒となります。
17インチで足が柔らかめのシャシースポールが299万円、18インチで足が硬めのシャシーカップが309万円、シャシーカップで黄色の外装色を纏った140台の限定モデルが324万円となっています。
ただしナビなどはオプションです。
実車を目の当たりにすると、とても大きなヘッドライトが印象的で、他の何にも似ていないルノーの世界を感じ取れます。
黄色の限定車が展示してありましたが、これは…ザクレロ??。
プジョー207ほどは似ていませんが。
黒いホイールに赤いキャリパー、目立つスポイラーにリアディフューザー、黒いドアミラーカバー、アルファ147のようなリアドアノブなど、スポーティー要素満載で嬉しくなります。
内装も一昔前のルノーでは考えられない質の高さです。
ステアリングホイールなどに効果的なオレンジのアクセントがあるのもそうですが、センター部のピアノブラックパネルが高級感を増しています。
メーターもアナログとデジタルが融合し、かなり見やすいものでした。
ファブリックシートに座ると座り心地の良さに感動します。
ホールド性と快適性の両方をうまく満たした素晴らしいシートです。
ブレーキペダルとアクセルペダルの位置も申し分なし。
ステアリングホイールは太くてちょっと握りづらい。
パドルシフトも遠く感じます。
エンジンをかけてもさほど勇ましい音はせず、拍子抜けしました。
試乗車は足回りも硬いシャシーカップですが、日常使いではさほど硬さを感じさせません。
速度を上げて曲がってもロールを見せずに路面に吸い付くなど、本当によく煮詰めてあります。
剛性感も高く、キビキビしたハンドリングはさすが「FFスポーツの雄」と評されるだけのことはあります。
エンジンも1750回転で最大トルクを発揮するので扱いやすい。
スポーツモードにすると勇ましく吹け上がり、車体がとても軽く感じる加速感を見せます。
ただしエンジン音は澄んでいるとは言い難く、官能性には欠けます。
しかも5500回転程で変速を促す「ピー」と言う音が鳴り、結構興醒めです。
近頃は小排気量ターボでトルクフルで元気なエンジンが増えたので、素晴らしい完成度のシャシーと比較すると、エンジンは「並」と言った印象です。
横滑り防止がカットされるレースモードは試していないので、そのモードにすればまた印象が変わるのかも知れないですが。
一番気になったのはミッションです。
ATモードで走れば段付きもなく、坂道でギクシャクした挙動を見せることもなく、至ってスムースなのですが、手動だとギアチェンジにちょっとした間があります。
スポーツモードにしてもそれは変わりません。
ポルシェのPDK並の速さとはとても思えませんでした。
「ガツン」と来る感覚も薄いので、同乗者には優しいでしょう。
総合的に見て、見た目も走りも独特で面白く、乗り出し300万円台後半を払う価値はあると思います。
コーナーでの挙動の良さは類を見ません。
ただし、後部座席も収納スペースも決して広いとは言えませんので、実用性を重視する人には勧めにくい車でもありますが。
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試乗記 | クルマ
Posted at
2013/12/13 22:47:08