
やはり年の最後の試乗は記憶に残る素晴らしいモデルで締め括りたいものです。
相応しい車に試乗する機会が得られました。
ランボルギーニ・ウラカンです。
カタログスペックを紹介します。
全長4460mm×全幅1925mm×全高1165mm、車重は1610kg。
5.2L V10 NAエンジンをミッドシップに搭載し、610ps/571.kgmを発揮。
7速DCTを組み合わせ、0-100km/h加速は3,2秒。
クーペのモノグレードで、価格は2970万円。
久し振りにウラカンを見ましたが、宇宙船のようなフォルムはとても存在感があります。
特にライトを点けるとより迫力が増し、高速で迫ってきたらすぐに道を譲るでしょう。
内装の質感の向上も目覚ましく、特にナビがメーター内に表示されるのが良いですね。
スイッチ1つで表示を替えられますので、ナビを大きくしたり、必要無ければ消したりすることもできます。
これからのナビはこのようになるのでしょう。
ステアリングから手を離さなくて済むようにするため、レバー類はなるべく使われていません。
ウインカーはスイッチ、ワイパーはボタンでした。
この辺りはフェラーリも同じ考えですね。
トランクはフロントにあり、機内持ち込み用のスーツケースがちょうど1つ入る大きさだそう。
深さはありますが開口部が狭く、使い勝手は良くないと思われます。
一応、座席の後ろに手荷物を置くスペースはありました。
シートに座ると外観通りにとてもアイポイントが低く、路面が近くに感じます。
意外と四隅の把握はしやすく、真後ろを除けば死角も少ないです。
これもエンジンルームを見えるようにする70万円近いオプションを入れれば、解消される問題です。
やはりミッドシップですから、外からもエンジンは見たいですよね。
結構な価格なのに多くの人が付けるオプションだと言うのも分かります。
エンジンが掛かる時に外にいれば魂が揺さぶられる爆音に感じますが、室内にいればさほどの音でもありません。
営業の方はかなり静かなランボルギーニだとおっしゃっていました。
実際に走らせても音はそこまで刺激的ではなく、ランボルギーニを運転している感じがしません。
さらにDCT化したミッションがとてもスムースな上に乗り心地が予想よりも遥かに良いので、アイポイントの低さを除けばスポーツセダンを走らせている錯覚を感じます。
しかもアイドリングストップが備わります。
出来は良いとは言えませんが、交差点で静かに佇むランボルギーニはどことなくシュールに感じました。
一方、ノーマルモードからスポーツモードにすれば雰囲気が一変します。
エンジンは唸りをあげ、この車のポテンシャルが感じられます。
アクセルの反応に対し、とてもリニアな挙動を見せ、これぞスーパースポーツカーの振る舞いです。
ATモードのままだとかなりギクシャクした挙動になるので、パドルを使って自分で変速すべきです。
パドルも大きくて使いやすく、変速スピードも素晴らしく速いです。
ある程度の速度ですとフロントが軽く感じ、コーナーに鼻が綺麗に入ります。
運転が上手くなった錯覚に陥りました。
どこまでものびるNAならではの感覚と、途切れの無いミッションのお蔭もあって、積極的に回したくなる車です。
出足に重さは感じるものの、この気持ち良さはターボでは中々味わえないですよね。
営業の方もNAであることを1つのウリにしていました。
今後のことを考えるととても貴重なモデルかも知れません。
実はマクラーレン650Sと同じ日に試乗したため、両車の違いを実感することができました。
とにかく合理的に速さを追求した650Sと、五感に訴える官能性も重視したウラカンは、同じスーパースポーツカーのジャンルでもとても対照的に思えます。
特にウラカンはノーマルモードで走らせれば今までにないほど扱いやすいので、日常使いで支障が無いランボルギーニとメーカーが言うのも分かります。
フェラーリほどオプションが多くなく、オプション価格も(少しは)抑えてあるので、平均的な追加代金は200万円ほどとのことです。
乗り出しで3300万円前後ということでしょう。
スゴイ人になると100万円払って空輸したりするそうですが。
納期は意外と短く、7ヶ月程度とのことでした。
営業の人と話していて一番の違和感は「ウラカン」の発音でした。
「ラ」にアクセントを置くのですね。
私は「カ」に置いていました(^_^;)
Posted at 2014/12/20 20:57:18 | |
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試乗記 | クルマ